最近のトラックバック

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 星月夜「フレディマーキュリー」探す | トップページ | ◆披講開始~! »

2016年9月25日 (日)

◆「およぐひと」萩原朔太郎

およぐひと

およぐひとのからだはななめにのびる、
二本の手はながくそろへてひきのばされる、
およぐひとの心臓(こころ)はくらげのやうにすきとほる、
およぐひとの瞳(め)はつりがねのひびきをききつつ、
およぐひとのたましひは水のうへの月をみる。


小学校の1年の時だったと思います。
「○○くんは全然泳げませんでした。
でも夏休みの間、自分で進んで毎日プールに来て、泳げるようになりました。
皆さん、拍手して下さい」
水泳の授業の時、先生が一人の男の子の肩を抱いてそう言いました。
小さい頃に溺れたことがあって、水が怖いと言っていた子でした。
夏休み前には、顔もつけられないくらいだったのに、
今、25mを何とかかんとかではありながらも、しっかりと泳ぎ切って、
大きく息をつきながら、水滴か涙か分からない滴をポタポタ落としている。
「スゴイ、スゴイね○○くん」
彼はその時から、私の絶対的なヒーローとして、心の中に君臨し続けました。
私の、あまりにも幼稚な「好き好き攻撃」は、彼をどんなにか戸惑わせたことでしょうsweat02



そんな彼と、高校を卒業した後、まったく偶然に会うことが出来ました。
記念に買ってもらったのが、萩原朔太郎詩集「月に吠える」でした。
「なんべんでも読めるから、本がいい。」
と言った私に、本当に買ってくれたのです。
その詩集の中に、「およぐひと」も収められていました。
私は、この詩を、彼を、絶対に忘れないと思いました。

« 星月夜「フレディマーキュリー」探す | トップページ | ◆披講開始~! »

私の好きな詩・句・その他」カテゴリの記事

コメント

情景を大胆に描写し、その精神を比喩で表現し、感覚の変換からまた時間軸を変化させた想像上の情景へ戻して心情を表現する。

詩に必要なテクニックが余すところなく集約されています。
そして、テクニックでは作り出せない感動へと昇華されていくのですね。

◆亜阿介さま

この詩、凄いでしょう!
平仮名には「柔らかさ」や「温かさ」を感じさせる効果があると思いますが、
この詩の場合は、選び抜かれた一音一音が途轍もない緊迫感を醸し出し、
読み手を詩の世界に一体化させてくれます。
難しい言葉など使っていない、ややこしいことも言っていない。
ただどこまでも研ぎ澄まされた感覚、実に俳句的とも感じます。
これからも折に触れ、私の好きな詩を紹介していきますので、
亜阿介さまの句作に、何かしらヒントになるようなことがあれば幸いです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2251208/67555475

この記事へのトラックバック一覧です: ◆「およぐひと」萩原朔太郎:

« 星月夜「フレディマーキュリー」探す | トップページ | ◆披講開始~! »