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2016年11月12日 (土)

【没】蘆刈を終へて焙じ茶いただきぬ

皆さま、こんばんは
「没句供養」の時間です。
今回のBGMは、「花祭り」で行きましょう
「葦笛の踊り」も捨て難かったですが、アンデス音楽が蘆原に似合う気がして・・・。

さて、『俳句ポスト』兼題「蘆刈」には8句出していまして、
そのうち期待値の高い順から5つまでを紹介します。
残りの3つは「多分【没】」という感触があったものなので、このまま闇に葬ります


【人】蘆刈や星の満ちたる登呂遺跡  

【没】蘆刈に水無瀬の月の煌めける 
【没】蘆刈を終へて焙じ茶いただきぬ
【没】もう鳥のおらぬ巣ばかり蘆を刈る
【没】蘆刈るやバリのコテージなど思ひ


期待値2位は、谷崎潤一郎『蘆刈』から「水無瀬」と「月」を持ってきたもの。
「水無瀬」という土地名の入った句は、【並】に4句ありました。
あと、「遊女」をキーワードにした句もありましたね。

【並】蘆刈や風は彼方へ水無瀬川            朔さま
【並】蘆刈や水無瀬過ぎ行くのぞみかな    松山さま
【並】蘆刈の前に後ろに水無瀬川      晴読さま
【並】蘆刈や遊女遊びし水無瀬川             酸模さま
【並】蘆刈や風に遊女がほおけごゑ      三重丸さま

【没】蘆刈に水無瀬の月の煌めける    めぐる

私の没句との違いは、句の中に動きがある・・・と感じるところです。
「彼方へ」の感慨、「のぞみ」との対比、「前に後ろに」広がる風景・・・。
翻って、私の句は、「蘆刈」というより、「蘆原」の方が嵌りそうな感じです。
「煌めける」も甘いですよね

3番手は、「蘆刈」を終えて一服・・・というシーンを思い描いたもの。
「お茶」「酒」を頂く句もたくさんありました。

【並】蘆刈の人座り込み茶の時間           松尾富美子さま
【並】蘆刈女そろそろお茶にしましょうか   市川七三子さま
【並】蘆刈を片付けお茶の老夫婦           春爺さま
【並】蘆刈やお茶にせんかと土手の上   山崎ぐずみさま
【並】蘆刈や仕事の後の一人酒       出席番号43番さま
【並】蘆刈の男輪になり酒盛りす             桃泉さま
【人】蘆刈を済ませ地酒を酌みあえり       木好さま

【没】蘆刈を終へて焙じ茶いただきぬ   めぐる


選ばれている句と私の句の違いは、「相手がいるのかいないのか」の明確さかと。
独りしみじみ、2人でホっとしている、みんなで打ち上げ・・・。
そういう、場の”温度”まで描けていればと感じました。
「酒」でページ内検索した時に出て来た「平手造酒(ひらてみき)」は、
調べてみたら江戸時代の剣客で、大利根河原の決闘で亡くなったとのこと。
「蘆原」→「大利根川」→「平手造酒」という連想だったのでしょうか。
連想力に感心した一句でした。

それから、期待値4位は「蘆刈」考え中に記事にした「鳥の巣」を持ってきたもの。

【並】蘆刈や古巣に残るヒナの羽                かなたさま
【並】蘆刈らる中州にやがて北の鳥      山田ノムオーさま
【並】空の巣に揺るる産毛や蘆刈女      春川一彦さま
【人】蘆刈れば色なき鳥の羽根数片       すな恵さま
【人】巣の多き今年であるよ蘆を刈る           はまゆうさま
【地】孵らざる卵水色蘆を刈る         玉虫虫改めせり坊さま

【没】もう鳥のおらぬ巣ばかり蘆を刈る    めぐる

もうね、選に入られた皆さまの、
いのちを感じさせる表現のバリエーションに感心するのみでした
「空の巣」という言葉自体は浮かんでいたけれど、「残る産毛」なんて思いつけなかった
【地】の句は本当に見事です。
「蘆」を刈る作業を進めていくと、そこには、さまざまな生き物の痕跡も目にします。
水鳥の古い巣に遭遇することもあるでしょうし、
「孵らざる卵」を発見することもあるでしょう。
「孵らざる卵」の「水色」に不憫を感じつつも、「蘆を刈る」手が止まることはありません。

組長の選評を読みながら、ああ、自分の浅い句作を恥じるのみ・・・

ええと、最後の「バリのコテージ」って、こういうの(↓)ですね。



よ~~~し、ずいぶん遠くへ発想を飛ばしたぞ!!!
なんて思っていたあの頃が懐かしいデス
後でちょっと走ってくる(嘘)。

【並】葦刈てニライカナイは夢のまま               おやっさんさま
【並】葦刈に葦刈集うチチカカ湖                     公毅さま
【並】蘆刈の編みし船行くチチカカ湖               野純さま
【人】蘆刈やナイルデルタの土黒し                 秋月さま
【地】野火止の狭き水路の蘆を刈る        糖尿猫さまおめでとうございます!!

【地】の句の「こんなところ」には虚を衝かれました!
「野火」も季語ではありますが、
「野火止の狭き水路」という場所を伝えるための言葉ですから、
季語としては脇役になりますね。
「蘆を刈る」光景として、なるほどこんな場所もあるのかと、納得させられました。
どんな場所に?と発想することでも、
リアリティとオリジナリティを手に入れられるのですね。

「広い」「遠い」方へと発想を飛ばすパターンが多いかと思うのですが、
見事に逆を突いていますよね。
さすが糖尿猫さま・・・!
「秋薊」の時に、掲示板で【地】に近い方だと言いましたが、早速来ましたね・・・!
糖尿猫さまも、「ギャ句」「回文」によく挑戦しておられる方なので、
そうやって常々遊び心を忘れないでいるとか、普段考えないことを考えてみることが、
意外なところに発想を飛ばせることに繋がるんだと思います。
となると、やはり次に【地】に着きそうなのは亜阿介さまですね
私は2、3回挑戦しただけで早々と離脱しているので
でも・・・「やってみる」ことが出来ない時でも、
「やってみよう」と思うことだけは忘れないようにしようと、今ちょっと思ってます



えーと、そして。
前回もお気に入りを数句紹介していますが、最後に、今回の私の特選句を。

【人】口笛は犬呼ぶひとか蘆を刈る       小野更紗さま


うまく言えないですが、没頭感の中にも、あたたかみがあってとても好きです。
黙々と作業している中でも、決して孤独とか寂寥感がなく、
口笛を聞き留めて、口笛の主を想像してみるあたりに、心のゆとりが感じられます。
それが広々と風のわたる蘆原の開放性と相まって、読後感”非常に爽やか”でした

長々と書いてしまいましたが、
そんなこんなで今回も大変勉強になった『俳句ポスト』でした
次の兼題もガンバロウと思います!!!

最後まで読んで下さった方、有難うございます

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まつやま俳句ポスト365」カテゴリの記事

コメント

めぐるさん、ちょっと出遅れちゃった…
【人】選おめでとうございます💕

遺跡と星って、まさしく時空の究極な象徴ですね。
登呂遺跡をもって古来からの葦との繋がりをさらりと表現なさっているのもさすがだなぁ、と思いました✨

ブログで紹介なさってる掲出句の数々の中で、
私も同じくいいなぁ、と思ったのが…

【地】選の、孵らざる卵 。
めぐるさんも「巣」をモチーフにされてましたが、
鳥の営みの延長で、私の方は「鳥骸骨」の方向に〜(笑)

孵らざる卵が水色!って😱💦💦💦
もう一歩イメージを膨らませなければ…いやいや!
ここまでのイメージに辿りつけるのだろうか、という感じです。

あと、「口笛は犬を呼ぶひと」も、読んだ瞬間、ハッとしました。

あとあと、糖尿猫さんの【地】選の句!

めぐるさんが毛布で冒険してみようとコメントされていましたが、
私もまさしくそんな気持ちになりました。

>糖尿猫さん
【地】選おめでとうございます。
先日【胡麻】の句で拙句を揚げて頂きありがとうございます。
とても励みになりました。この場をお借りしてお礼申しあげます。🙏💕


こんにちはございます。
  蘆刈に水無瀬の月の煌めける
についてです。
この句には「月」が入っております。かなり強力な秋の季語力を発揮しちゃいそうです。蘆刈が背景で、水無瀬の月がメインに捉えられる恐れが、あるのかもしれません。

今回、お題が「蘆刈」だったので、私は蘆刈の風景として読ませていただきました。独立した一句として読んだ場合、どう感じるかはわかりませんです。今、頭のなかでくりかえし読み返しております。
画像を思い浮かべたときに、とても詩的で美しい風景ですので、なんとか月を脇役へ追いやってみたら良いのかもしれませんねー。

・・・って、実はトンチンカンなコメントをしているのかもしれないっす・・・・。

さるぼぼ様。はじめましてでございます。

さるぼぼって、飛騨地方のお人形ですよね。
ウチの近くの、神奈川県足柄郡松田町のつるし雛に、さるぼぼに似ているお人形がついているのを、見たことがあります。さるぼぼそのものだったのかどうかは、すんません、見分ける眼を持っておりませんでした。
個人的には、さるぼぼだと思って見ておりまして、そんなわけで、さるぼぼ様にとても親近感を覚えております。

どうぞよろしくお願い致します。

◆さるぼぼさま

こんにちは!
拙句へコメント有難うございます
「時間&空間」を意識して言葉を嵌め込んだだけの句ではありますが、
こういうふうに完全に主観を排して、すべてを読み手に委ねるという、
「THE 俳句」に近づけたのかも知れません。
兼題を詠むことについて少し抱き始めていた迷いが晴れて来ました、
有難うございます!
「水色の卵」は衝撃でしたね、調べてみるとヨシゴイやアオサギなど、
水色の卵を産む鳥が芦原に多く生息しているのですね
作者さまはそのことを知っていたのか、踏み込んで調べていったのか分かりませんが、
いずれにしても「きっと水鳥の巣もいっぱいあるのに違いない」と思いついただけで、
そこから先を考えなかった私は、やっぱり【没】だわと納得した次第です。
さるぼぼさまの「鳥骸骨」、気になります!全容を知りたいなあ・・・
糖尿猫さまの句も刺激的でしたね!!!
私も「こんなところにも毛布」を探したいと思っています
さるぼぼさまの句も楽しみにしておりますよ!!!


◆糖尿猫さま

「水無瀬の月」へのコメント有難うございます!!
そ~~~なんですよ、「蘆刈」が主役でない感じが・・・
「『月』は背景に回ってくれる特殊な季語」と組長が仰っていたので、
安易に使ってしまいすぎたようです。
トンチンカンどころか、私が文章に出来ていない部分をズバっと書いて頂き、
本当に有難うございます!!!
これからも、兼題へのアプローチ~没句へのご意見、
ばんばんよろしくお願い致します!!
私も【地】に行けるよう、ガンバリます!!


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