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« 【人】神奈備の山深々と眠る熊 | トップページ | 梅蕊のわれもわれもと飛び出せり »

2017年1月21日 (土)

【没】真鍮の鈴持ち熊の山に入る

血湧き肉躍る(!)、『俳句ポスト』金曜日です。
【天】【地】の作品の、濃厚な物語性に打ちのめされながら、
オノレの没句の薄っぺらさを思い知る金曜日ですcrying

【天】ひつそりと熊の来てゐる火消壺     とおとさま

「そういうことも実際あるんだろうな」
そう思える臨場感、説得力に圧倒されました。
・・・そして何故か、脳内に流れる妄想劇場。
「デン(熊の名)、おまいだったのか」
デンはいたずら好きの子熊でした。
ある時、平三(村の男)が病気の母にと集めていた蜂蜜(蜂の巣)を食べてしまい(以下略)。
・・・そんな妄想はともかく、
この、期せずして対峙した熊と人間の間に、
いかなる悲劇も起こらないことを切に願いますbearingsweat01切に、切にsweat01sweat01sweat01

【地】熊ぐらい出るさ岩手の山だもの    関屋さま
【地】くつくつとポトフは歌う熊の村     酒井おかわりさま
【地】柿の木の熊を説得する巡査      でこはちさま

戦慄系の、迫力たっぷりの熊句の中で、ほっこり系の熊句も非常に印象的でしたshine
・・・と、感心してばかりもいられない。
没句供養もしっかりしなければcrying

「熊よけの鈴」から、どうにか一句投句していたんですが、
木曜日の【並】【人】の中でワード検索をかけると「鈴」は52件coldsweats02
中には、俳号の方の「鈴」も入っていますが、それを外しても十分たくさんの数字です。
そんな中、【人】に選ばれていたのは6句。

【人】熊よけの鈴に氏神さまの札         いち瑠さま
【人】熊避けの鈴は伊勢神宮の鈴        juliaさま
【人】霊山を熊よけの鈴下り来る         樹朋さま

そのうち、「神」「霊」を合わせたものが3句。
ここまで行けていれば・・・とクチビルを噛み締める私でありましたbearingsweat02


気持ちを切り替えて、木曜掲載の中から、MY FOVORITE を紹介します。
今回、私は「熊撃ち」「村田銃」方面でも考えていたので、
やはり「銃」方面の作品に心惹かれるものが多くありました。

まずは、何と言っても亜阿介さまの一句が衝撃的でしたcoldsweats02impact
ある約束のため、ここでは全容を紹介出来ませんが、
思わず脳裏に浮かんだ藤田和日郎の名作「邪眼は月輪(がちりん)に飛ぶ」の1シーンを。

Photo
邪眼の梟・ミネルヴァに向ける渾身の一弾。
アシスタントさんは、この原画の迫力に、余計なエフェクトを入れることを拒んだといいます。
Photo_2
伝奇モノと言えば藤田和日郎heart04超オススメの一冊です。

いやーーーー、これまでの亜阿介さまのお句の中でも、一番好きですshineshineshine
この臨場感と緊張感・・・金曜日に肉薄されたのではないかと感じています。
【人】引き寄せて熊引き寄せて放つ銃       老人日記さま
この句もジリジリとした緊張感に手に汗握りますが、
その指もきっと白くなっているんだろうなと思いました。

【人】身ごもれる熊や峠の夜泣き石         紫さま
「夜泣き石」伝説に重ねられた「身重の熊」に、何とも言えず悲哀が漂います。
この母熊が撃たれてしまうのだろうか、
そして撃った人間には、いずれ逆襲される日が来るのだろうか。
石が伝説となっているように、「熊」の存在そのものが伝説になってしまう未来が、
もしかすると来るのかも知れないという、底知れない不安も秘めている気がします。
人間と熊の共存ということを超えて、地球環境にまで思いを馳せさせる一句。

【人】醜女なる神とまぐはふ熊を撃つ           小市さま
主語が無いので、一瞬「神とまぐはふ熊」?と思いましたが、違いました(多分)coldsweats01
「田楽舞に出てくる里の神は素晴らしく美人であるが、山の神は恐ろしく醜く表現されている。
室町時代ごろより自分の妻のことを「うちの山の神(のような醜い妻)」と卑下する表現に使われた。」

(「マタギことば 山言葉」より)
つまり・・・「醜女なる神」とは妻、奥さんのことですねっcatface
「妻とまぐはふ/熊を撃つ」の並列。山の男の日常なのでしょう。
濃厚な男臭さにシビれました!

【人】月の輪の汚れて熊は撃たれけり       立川六珈さま
「月の輪の汚れて」という措辞にドキリとさせられます。
その「汚れ」は、格闘の痕跡でしょうか、それとも、
神聖なる神と畏れられる「熊」であっても、
田畑を荒らしたり人間を襲うようになっては撃たざるを得ないということでしょうか。
美しい「月の輪」が「汚れて」しまうことを、「残念」と思う時、
そんなことになってしまったことへの哀惜の念が、ジワリと胸に迫ってきます。

【人】山神に呪文唱えて熊を割く           朶美子さま
恵(めぐ)みの山を「神さま」にたとえ、山に入る前に水で体を清めた。
クマを解体するときには、成仏(じょうぶつ)を祈(いの)る儀式(ぎしき)「ケボカイ」を営(いとな)み、
頭を北に向けたクマの体に塩を振(ふ)り、呪文(じゅもん)のような言葉をとなえる

(NEVERまとめ「マタギ 山岳信仰 秘境)」より)
山は神聖なもの、畏れるもの、崇めるもの。
そのことを、「古い時代の話」にしてはいけないと感じます。

【人】熊うたれ山はさみしくなりにけり        靫草子さま
「山」の気持ちになっての一句。童話(絵本)のようで、優しくて好きですheart04
「うたれ」「さみしく」の平仮名表記も効果抜群。
下五「なりにけり」の静かな着地に、余韻がたなびきます。

【人】飼い馬が吼ゆる羆の来る夜は        初蒸気さま
「飼い馬」「羆」から伝わる地域性に、グっと臨場感が高まります。
馬の嘶き、ブルブルっと鼻息、胴震い、小刻みな足踏み。
ピクリと動く耳、瞬き・・・そんな馬の仕草のひとつひとつから、
何とも言えない不穏で不気味な空気が伝わってきます。
他の動物を描いて「羆」をクローズアップさせる手腕がお見事。
「飼い犬」でなく、「馬」なのがやはりポイントでしょう。
熊と比肩しうる体格と強さを持ちながら、戦うための牙も爪も持たず、
ただ速く走ることで命を繋いできた「馬」という存在が、
「羆」との絶妙なコントラストになっています。


いつもながら、拙い言葉で申し訳ありませんcrying
また咳が出だしたので、温茶うがい&お薬してあったかくして寝ますsleepy
(体調イマイチでしたので、今日の「一日一句」はお休みします)


改めまして、今回もドッシリと勉強になった『俳句ポスト』でした。
掲載の皆さま、改めましておめでとうございます&本当に有難うございます!!!

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コメント

めぐるさん、鑑賞ありがとうございます。

熊の兼題は2句しか詠めなかったけど、なんとか「人」選に入れて良かったです。

一句一章の句は難しいです。ここの皆様の句を参考にして勉強したいと思っています。

拙句を取り上げていただきありがとうございます。
かなり苦しんだ末の一句でした。

◆紫さま&小市さま

コメント下さり、有難うございます!
いつも好き勝手書いてばかりで、ちゃんと句意を汲み取れている自信がないので、
こうやってコメントを入れて頂けるだけでもずいぶんほっとしますcoldsweats01
これからも、もしかするとてんで勘違いなことを書くかも知れませんが、
どうかご海容のほどよろしくお願い致しますbearingsweat01

めぐるさま

素敵な鑑賞をありがとうございます。
すごく嬉しいです。

めぐるさまの『はつはる』を拝読して以来
我が家の洗濯機も「ごうんごうん」と
回ってくれるようになりました。

魅力あるフレーズの溢れるめぐるさまの作品群
これからも楽しませてくださいませshine

◆六珈さま

コメント下さり、有難うございます!
そして『俳句ポスト』【人】選&『NHK俳句』テキスト2句掲載、
改めましておめでとうございます!!
そうそう、「ハイポ掲示板」でも六珈さまの句に◎ついていましたよ!!
是非是非、お立ち寄り下さい!!
http://6805.teacup.com/haipo/bbs/861
私の方こそ、六珈さまの素敵な句の数々に、毎回楽しませて頂いております。
「ごうんごうん」への言葉も有難うございますheart04
今年は昨年以上に、目いっぱい運を重ねていきたいですね!shine

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