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2017年1月 7日 (土)

◆「毛布」10句選

『俳句ポスト』兼題「毛布」の10句選です。
(「ハイポ掲示板」でオススメされていたので挑戦します)
【人】の句の中から、特に印象に残った10句を挙げさせて頂きます。
未熟者ゆえ、見当違いのことを書いていたらすみません


病人の癇や毛布の首の位置      すな恵さま

「分かる分かる!」です。
「喉が苦しい」だの「首筋が寒い」だの、途轍もなく微妙なんですよね
兼題「毛布」で、家の外へ毛布を出す方向でばかり考えていた私でしたので、
ピンポイント中のピンポイントを衝いたこの一句に衝撃を受けました。

それぞれの駱駝に毛布星の道    井上じろさま

異国情緒溢れる作品も多く見られましたが、中でも「駱駝」にかけられた毛布に一票!
この毛布は、「旅の駱駝」の鞍周りに敷かれるものでしょう。
月の砂漠をはるばると歩いてくる、静かな長い道のりを感じます。
Photo


花柄の毛布ばかりの宿である      三重丸さま

ああ、こんな旅館を知っている気がする
スッキリと品のいいホテルや旅館ではなくて、小さな民宿というのか・・・
お父さんが釣ってきた魚とか、おばあちゃん自慢の鍋に舌鼓を打つ宿、
そして太陽のようなお母さんが迎えてくれる、気持ちのいい宿が浮かびました。

男臭くなりし我が子の毛布かな     糖尿猫さま

非常にリアルに迫ってくる一句です。
本来、こうであるべきなのです。
毛布やシーツを洗う時、こう思う母であるべきなのです。
なのに、我が家は、ファブリーズ買ってくるのも使うのも殆ど息子オンリー。
「は~、エエ匂いや~」と息子(清潔好き)の寝具に埋もれては怒られる駄目母です
息子は着々と一人立ち準備中。行かないで欲しいーーーうっうっう

悪臭の毛布洗えば犬怒る        理酔さま

「せっかくつけた俺の匂いを落としやがって!
犬にとっては、自分の場所の印ですから、洗われて匂いが取れたらヤですよね
昔読んだ飼育員漫画「ぼくの動物園日記(飯森広一)」でも、
作業服を洗っている間は動物がまったくなついてくれなかったエピソードがありました。
人間にとっては悪臭でも、動物には大切な仲間や自分や居場所の匂い。
毛布一枚に現れる種族(?)の違いが、見事に切り取られています。

何もかも忘れたき夜の毛布かな   かるかるかさま

私が最初に「毛布」で描きたかった「聖域」方面の一句。
毛布をギュっと手繰り寄せて、丸まっている人物が見えます。
毛布の中は、慟哭かも知れません。没頭かも知れません。
何があったのか、何をしているのかといった説明をまったく省いていることが、
読者それぞれの脳裏にさまざまな展開を呼び、奥行きを感じさせます。

毛布被る数千の目にある戦火    さるぼぼさま

私自身がいわさきちひろの絵本から「留守番の少女」を投句していたせいか、
この句を読んだ時、いわさきちひろ「戦火の中のこどもたち」が浮かびました。
特にこの、全神経を張り詰めた「母」と、何も分からない無垢な「赤ちゃん」の絵です。
「母」の背にあるのは、「戦時中の闇」だと思っていましたが、
よく見ると後ろの人に肩を抱かれているようにも思えます。
そのようにお互い寄り添い合いながらこの過酷な時代を生きたのでしょう。
お互いがお互いの「毛布」となって、励まし合い生き抜いてきたのだと感じました。
戦火を目の当たりにした数千の目は、
「二度とこんな光景を見たくない!我が子にこんな光景を見せたくない!」
そんな強い思いを抱いたはずです。平和への祈りが胸に迫ります。

Photo_2


真っ新な毛布にたっぷりと涎     でこはちさま

赤ちゃんのために買った「毛布」でしょう。
「真っ新」:「たっぷり」と促音を揃えた二項並列のリズム感が軽やかです。
「真っ新な毛布」に「たっぷり」とついたのは「涎」という、
最後の一語で景がばっと開ける楽しさもあります。
安心しきった深い眠り、これに勝る平和はありません。
「あらあら・・・」と言いながらも、頬には笑みが浮かんでしまうことでしょう。
赤ちゃんの健やかな成長を心から願います。

古毛布時々干して生きている     はずきめいこさま

俳諧味を感じる一句。淡々とした、しかし確かな人生を感じます。
日ざしをたっぷり浴びた毛布で眠る時、「これでいいのだ。」と目を閉じられるような。
もしかすると、この作中の人物は、独り暮らしの慎ましい生活の中で、
唯一温もりを肌に感じるのが毛布を干した夜かも知れません。
その温かみがあるから生きていけるのかも知れません。
兼題で詠もうとするときになかなかこういった句は出て来ない気がします。
こういう句は決して古びることがありません。スタンダードたりうる一句と思います。

焼け焦げを毛布に残し父逝きぬ    小市さま

匂いやシミなどに、恋人、青春、故人などの痕跡を見る・・・というのも、「毛布」ならでは。
そんな中、「焼け焦げ」という言葉に、故人への思いまで見える気がする一句です。
「俺には無理だ」と思うような生き方を貫いた父なのかも知れないと感じました。
毛布に残された焼け焦げは、目に黒く、指に固く、存在感を放ち続けます。
その毛布を畳む時、焼け焦げの面を出すのか隠すのか、ふと気になりました。



これまで、お気に入り数句を挙げることはありましたが、
「10句選」となると難しかったです
それにしても、本当にさまざまなシーンが描かれていることに圧倒されます。
皆さま、素晴らしい句の数々を有難うございました!!

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コメント

誰もやらないのならまず私から、と始めたのですが、あ~すけさんもやられてて、次はめぐるさんも!

お二人のブログが火種になって、野火のようにどんどん広がっていってほしいですね。

それにしても、それぞれ見事に違う句を選びましたね(笑)

やってみると解りますが、毎回これを続けられている焦点さんが上達するのも当然、うなずけます。

選ばれた皆さんにとっても励みになるみたいなので、これからも、毎回続けるつもりです。

◆比々きさま

実は「毛布」の結果をUPした時に「お気に入り」を数句、記事に入れてたのですが、
「ハイポ掲示板」をみて「10句選にしよう・・・!」と思っていったん消しまして。
その後風邪引いたりでなかなか取り掛かれず、遅くなってしまいました
10句選ぶにあたって、「さまざまなシーン」「さまざまな手法」を意識しましたので、
作句のさいにもこれらを心がけようと思いました。
あと、選評を書くのはとても怖いことでもあるので、
少しでも喜んでもらえるような選評になっていればいいなと願うばかりです。

初心者なので、学ぶことばかり。

褒めるところしか見つかりません。

「評」というより、その句から何をイメージし、想像したかの「感想」なので、誰かの眼に止まった、それだけで初心者はうれしいのでしょうね。

◆比々きさま

有難うございます
自分の好き勝手な妄想で突っ走ることも多々あるので、あとから
「どう思われるだろうか」とビクビクしてしまうのは私の悪い癖
思った通りに書いていくしかありませんよね

十人十色の感受性相手に、八方美人な万人に媚びるような評など、逆立ちしてもできない相談。

時には反論・反発も覚悟で、肚をくくって、思った通りに書く、それしかできないよね。

◆比々きさま

有難うございます
これからも妄想全開で突っ走ろうと思います

めぐるさん〜✨
拙句を10句に入れて頂き、ありがとうございます。
思いがけず嬉しいお年玉となりました。

古毛布時々干して生きている はずきめいこさま

めぐるさんの句評を拝見して、この句の淡々とした中にある深みに、ぶるっときました。

見過ごしてしまっていた私って…バカ、バカ、バカー🙀!笑

◆さるぼぼさま

さるぼぼさま~明けましておめでとうございます
亜阿介さまも選ばれてましたが、本当に佳い句!
さるぼぼさまの着眼点にはいつも驚かされています。
今年も「さるぼぼワールド」超楽しみにしていますよ
選句には、もしかすると投句以上にそれぞれの個性が出るのかも知れません。
本当に人それぞれで面白いし、
他の方の選ばれた句を見て、初めて「ハッ」とすることありますよね。
同じ句を選んでいたとしても、読む人が違えば視点も違うので面白いです。
自分が感じたことを伝えるための表現力ももっと磨きたいですし、
これからも恐れずに書いていこうと思います、有難うございました

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