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2017年4月24日 (月)

◆「俳句、はじめました」岸本葉子

みんなのアイドル、『NHK俳句』司会の岸本葉子さんの著書です
図書館に行ったら、俳句関係の蔵書が思ったよりも少ない中、しっかり棚に並んでいました。
岸本葉子さんが、初めて句会に参加し、様々なことを学んでいくプロセスが、
あの語り口同様丁寧に綴られています。
あまりにも等身大で、とても面白く、一気に読み進んでしまいました。
内容を一部かいつまんで紹介しますと、

言葉に意識的になる

古めかしい季語を含むから古めかしい句とは限らず、読み方で新味を持たせられる。
俳句は引き算だから、何かを削って作れないかを考えてみる。
俳句は読者の想像に預ける部分が多いからこそ、折り目正しさが求められる。
飛躍があることと、言葉のかかり方が正確であることは、矛盾しないのだ。
正確であってこそ、省略された部分について、読者は安心して想像をはばたかせられる。



・・・葉子さんの学びは私の学び!しっかり読ませて頂きました!!
そして、134ページから159ページの間では、
小澤實先生を迎えての句会で、兼題「芒種」に取り組んだ時の模様が語られています。
岸本葉子さんは最初、「入梅」に至る前の、一種の停滞感に注目し、
「けだるさ」を手掛かりに作句に入りますが、後にこれは間違いだったと気づきます。
連想が動物園に移り、
「生まれた国にずっといれば、芒種などという節気に巡り会うこともなかったはず」
と、アフリカをイメージし、きりんを選びます。
「二頭のきりんが芒種の雨に濡れている」
というシーンを、言葉を入れ替え入れ替え、完成に漕ぎつける様子が切実です。
以下、句会で出された句を、参考のため網羅させて頂きます。

潺潺と澤広げゆく芒種かな  小澤先生への挨拶句。實選

岸本葉子さんは、この句の評で「芒種」という季語についての大きな示唆を得ます。
(さるぼぼさま、貴女がパラ見したという本はこれなのではないですか?
種を蒔く、苗を植えることだから、すなわち生命への期待、実りの期待、
そうした豊かさこそが芒種の本然
と考えていると。
挨拶句としてだけでなく、「芒種」を詠んだ句としても優れた一句だったのでした。
ちなみに「潺潺」は「さんさん/せんせん」と二つの読み方があるようです。
この場合は、「澤」との音韻もあるので、私は「さんさん」と読みました。

おっと、続きだ
まず、葉子さんの句以外のものを先生の講評とともに並べて行きます。

さみどりを雨に匂わす芒種かな(3点句)實選
汝が髪をこぼるる砂も芒種かな  實
切り株に木の花の降る芒種かな(3点句)實選
芒種かな人は名画に群がりてどういう画かにもよるけれど、難しいところ
葉の満ちて芒種の庭や薄暖簾中七まではいいが、人工のものとの取り合わせが・・・。
新画像ダウンロードする芒種かなこの句では新しい語が活かされていない
資本論読み終へ芒種の町にをり作者としては程よく離したつもり
過去帳に母の名のある芒種かな死との対比が鮮やかすぎる
一掬の水のうまさの芒種かな上手な句

そして我らが葉子さんの句は・・・

きりん二頭芒種の雨にたたずめり  岸本葉子(2点句)
芒種の雨きりん二頭のたたずめり(添削)

並び順を変えただけで取り合わせの句になったことに驚く葉子さん。
さらにもう一句、

俎の立てかけてあり芒種かな   岸本葉子
俎の立てかけてある芒種かな(添削)

下五に切れ字があるので、中七で切らず連体形にして下五へ続ける。
切れ字を使うなら、その他の箇所に切れを設けない方がいい。
気づいた葉子さん、ならばと

ふところの湿り芒種となりにけり  岸本葉子
ふところの湿る芒種となりにけり(推敲)

自分で自分の句を直していらっしゃいました。
ちなみに、この句への講評は、「ふところの湿りが、財布の中が芳しくないとも読める」。
一同笑いに包まれ、誰よりも笑ったのが作者の葉子さんだったということです

そんな素敵な葉子さんの素敵な本は、素敵な言葉で締めくくられています。

季語は私たちに与えられた恩恵であり、
詠まれるのを待っているという考え方を、句会で教えてくれた人がいた。
季語との出会いが楽しみです。


私も、季節が動くたびに季語を感じ、たくさんのキラキラを感じて過ごしたいと思います。

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コメント

私は最近、岸本さんの「575 朝のハンカチ 夜の窓」を読みました。
女性俳人ばかり集めた50句を岸本さん流に鑑賞されています。
彼女の本は他にもたくさん読みましたが、
気取りのない文章はスッと心に入ってきますよね。
私は本が大好きなので、作家としての岸本さんも好きです。

ところで、前述の「575 朝のハンカチ....」ですが、
女性俳人を集めるという企画だったにも係わらず、
一人だけ男性が混じっていたようです(@_@。
「成瀬櫻桃子」って俳号なんだけど、さもありなんでしょ!
そんなちょっと笑えるところも、岸本さんだわぁ~( *´艸`)

さっそく読んでいただけたようでありがとうございます。
読み返しても素直に面白くて、改めて愛読書と思いました。

葉子さんが動物園で最初に詠もうとしたゾウのはな子・・昨年亡くなりましたが、僕も一度対面したことが合って凄く印象に残っています。
はな子で数句詠んでみようかな?

挨拶句ですが、菜の花の僕の秘密兵器は夏井先生への挨拶句です。
今週は木金じゃなくてもこの句だけ載せてもらえれば大満足なのですが・・たのむ~( ̄人 ̄)

◆中山月波さま

コメント有難うございます!
岸本さんの文章、まるでお話しを聞いているようにスルスルと入っていきました!
小澤實先生の講評も大きなヒントになりましたし、
まさにこのタイミングで借りてきたことが神さまからのプレゼントのように感じています。
この幸運を活かせるようにガンバリます!!

>成瀬櫻桃子
ああ!
さもありなんというか、水原秋櫻子なんてどんな可憐な美少女かって感じだし、
藤田湘子だってキリリと綺麗なお姉さんっぽくてズルいですよね
漫画家でいうと立原あゆみとか、ホント紛らわしい
このエピソードでますます岸本さんファンになっちゃいました、
図書館が思いのほか品薄なので、古本屋めぐりにも力をいれねばです

◆けんGさま

コメント有難うございます!
いや~~~~けんGさまの記事で慌てて読みましたよ!!!
「陰陽師」夢枕獏
「俳句に大事な五つのこと」上田五千石
「俳句がうまくなる100の発想法」ひらのこぼ
「俳句、はじめました」岸本葉子
「四文字の殺意」夏樹静子
この順で読もうとしていて、まだ2冊目の途中でしたから危なかったです!!
けんGさま、ナイス情報本当に有難うございます!!!
「雨」「水」「自然」やっぱり大きなキーワードになりそうですね。
農家の出としては、農作業周辺の何かしらも詠んでみたいのですが、
さすがに故郷を離れて30年以上も経っていると、何もかもが夢のようで・・・。
(と軽く言い訳
「菜の花」での挨拶句、めっちゃ興味あります!!
発表が楽しみです!!!

いやだ、めぐるさん、どんぴしゃり💨💨
確かに葉子さんの本、パラ見しました!!!!

けんGさんのブログでこの「芒種」のくだりを拝見しても、全く結びついてませんでした…笑

思いがけずスッキリ!笑
こんなタイムリーに判明してちょっとびっくりです。

ホント、葉子さんの口調そのままに活字になったような本ですよね。
パラ見しかしてないので、また読み返ししたいな、と思います✨

◆さるぼぼさま

コメント有難うございます!
いや~~~マジで「おっ!これはっ!!!」でした。
さるぼぼさま情報とけんGさま情報が合致して、なおかつそれをちょうど借りていたなんて!
何という奇跡でしょう、これは「芒種」頑張らねば
おかげできっかけが掴め、数だけは20句ほど出来ていますが、
内容が「おっさん」寄りなのが気になるところ
トラクターって「トラクタ」にしていいのかしら?とか、迷い迷いやっております。
まだ時間があるので、じっくり考えたいです
さるぼぼさま、「俳句、はじめました」是非借りてお家でゆっくり読んで下さい

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