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2017年5月22日 (月)

◆「俳句がうまくなる100の発想法/ひらのこぼ」(2)

第1章の続き(後半)です。

13.別れを詠む
センチメンタルな気分を前面に出すと読者がしらけます。
さりげないしぐさで、あるいは、自分より相手に力点を置くといった詠み方も。
例句:それぞれにマフラー巻いて別れけり    小林篤子
    寒い日だったと詠んでも句になりません。
    マフラーを持ってくることで実景になります。
flair口元まで「マフラー」に包み、胸の内を閉じ込めているように感じられました。
  背中を向けて、だんだんと離れていく二人の距離が切ないweep
自句:「元気で」と結ぶ手紙や青嵐(『象さん句会』2016年3rdシーズン)

14.人物描写
身近な人、出逢った人を詠む。少し意地悪な目で観察することが必要。
例句:じんとくる手紙をくれたろくでなし      時実新子
    こんな男、います。「ろくでなし」で決まりました。
flair「あ~!」と、読者が鮮やかに「その人」を思い浮かべられるような、端的な一言。
  思わずニヤリ・・・とさせるには、確かに「少し意地悪な目」が楽しいかも!
自句:はつ夏のブルース・リーより強きひと(『象さん句会』2016年3rdシーズン)

15.視線を再現
これは応用範囲が広い。なにを見るか、どちらを見るか、どんな状況で見るか。
ドラマを組み立てるようにして作るといいかも知れません。
例句:へのへのと横目で睨む案山子かな    和田誠
    案山子の目の動きが愉快です。
    皮肉たっぷりに世の中を眺め渡す案山子です。
flairあっ、なるほどです!「へのへのもへじ」で描かれた顔なら、絶対横目ですもんね!
  「へのへの」という言葉の可笑しみから、雀は怖がってないかもともcoldsweats01
自句:ビー玉を眺むるのみの長夜かな(『湯豆腐句会』2015年11月句会投句)

16.ドラマを仕立てる
映画の一場面のような句のこと。「で、どうなるのか」と興味を持たせて、
あとは読者にドラマを展開してもらう、結末まで言ってしまったら、読者は興ざめです。
例句:雪はげし抱かれて息のつまりしこと     橋本多佳子
    いかにも映画のワンシーン。上五がト書きになっているような感じです。
flairドラマチックなシーンを読む。「えっ」「おやおや?」「あら・・・」「それは・・・」
  読者の心に何らかのショックを与えるような句を書いてみたい。
自句:鵙の贄乾く三十八度線(ブログ掲示板の書き込みより)

17.緊張の一瞬
緊張の一瞬、追いつめられた状況がテーマです。
せっぱつまった状況でも冷静に別人の目で。いわば他人事のように詠みます。
例句:噴水の止んで気まづくなりにけり     若林薫
    二人で話が弾んでいたのに、会話も途切れてしまった。
    「こういうことってあるよなあ」と共感を呼びます。
flair「こういうことってある」からこそ、読者が自分なりの続きを描き始める。
  これも、自分で結論を出さないで「その瞬間!」を切り取ることが大事ですね。
自句:蜂球を朝から二つ見たるとは(『俳句ポスト』兼題「蜂」【地】)

18.ひらがなを詠む
そのやわらかい線のカタチがなにに見えるのか。
あるいは逆に、なにかのカタチがひらがなに似ていないか。
例句:ぜんまいののの字ばかりの寂光土    川端茅舎
    「の」の字のカタチをした、ぜんまいの尖端です。
flair自分が気づくようなことは、すでに先人が句にしているようで途方に暮れますが・・・
  「これ○の字みたいね」と発見する喜び、まだまだあると思いたい!
自句:いかなごのくの字への字に煮られけり(『NHK俳句』兼題「鰤」没句から推敲)

19.漢字を詠む
漢字を句にするときのポイントは三つ。自分を配した状況設定、季節感の出し方、
自分の実感。でないと理屈が先行してしまい、つまらない句になります。
例句:啓蟄に引く虫偏の字のゐるはゐるは   上田五千石
    漢和辞典に並んだ虫偏。紙の上で、さまざまな虫としてうごめいているようです。
flairうっcoldsweats01虫偏の漢字が、うじょうじょと蠢いて見えるようだ・・・アアアwobblysweat01
  「ゐるはゐるは」で、もうページから手を離したいくらいの気持ちですねsweat01
自句:寒風も善き哉あなたとおぜんざい(2016年1月20日ブログタイトルより)

20.地名を盛り込む
地名を詠み込むのも一手。その土地ならでは、と思わせなくてはなりません。
どんな地名に差し替えてもよさそうなら失敗です。
例句:新宿ははるかなる墓碑鳥渡る     福永耕二
    すぐ新宿の高層ビルが目に浮かびます。で、さらに遠い空を鳥。
    鳥の目にはビル群が墓碑のように映っています。
flair一読、心を鷲掴みにされた一句。文明の儚さなのか、人々の愚かさなのか。
  知らん顔で渡っていく鳥たち、もとより都会には立ち寄らない群れなのだから。
自句:蘆刈や星の満ちたる登呂遺跡(『俳句ポスト』兼題「蘆刈」【人】)

21.企業名・商標を盛り込む
固有名詞は、知っている人にしか分からない。
だからダメ、という人もいますが、一般名詞では伝わらないことが伝わることもあります。
例句:ワタナベのジュースの素です雲の峰   三宅やよい
    水で溶いて飲む粉末ジュースです。日本中が貧しかった時代へのノスタルジー。
flairその固有名詞が、記憶の扉をパっと開けて、より鮮やかな映像を結びます。
  夏休みともなれば、いつでも自分で作って飲めるコレが楽しみでしたshine
自句:名画座に「昼顔」観ていたる薄暑(『俳句ポスト』兼題「薄暑」【地】)

22.人名を盛り込む
人名をテコにして詩情をどう作り上げるか。読者と知識を分かち合えるかどうかを計算に。
世代差を埋めるのは難しいと割り切ることも必要かも。
例句:ポスターに裕次郎ゐる氷店      清崎敏郎
    懐かしの映画のポスターが貼ってある氷屋さん。
    白地に氷と赤く染められた氷旗や、店のたたずまいが見えてきます。
flairこの裕次郎、間違いなく「太陽の季節」でしょう。
  ちなみに自句の「ジミー・ペイジ」は「天国への階段」のイメージです。
自句:銀漢やジミー・ペイジのアルペジオ(『湯豆腐句会』2015年11月句会投句)

23.歴史を題材に
歴史を題材にすると、日常で詠む句とはちがった味わいのある句ができます。
映画のワンシーンを彷彿させるかのように表現することです。
例句:天平のをとめぞ立てる雛かな     水原秋櫻子
    目の前にあるモノや景色をきっかけにその時代へタイムスリップするのも、
    歴史を詠む時の重要な仕掛けのひとつ。
flair天平といえば!重要な建築物や仏像、あの「阿修羅像」なども作られた時代。
  そんな時代に作られた雛人形なのでしょうか。時を経てなお艶やかな姿が浮かびます。
自句:

24.宇宙を題材に
星空を眺めながら一句。授業で聞いた話などを思い出してみるのもいいでしょう。
はるか彼方から神の目でとりあえず地球を眺めてみる。
例句:水の地球すこしはなれて春の月    正木ゆう子
    宇宙的に眺めている図が浮かびますが、これは作者の目線。
    二つの視線が交錯しておもしろい句になりました。
flair正木ゆう子さんの句、大好きです。友人shadowからのプレゼント、大切に読んでいます。
  「水」や「馬」、同じものに惹かれるのは、熊本県生まれだからなのでしょうか。
自句:葡萄摘み双眼鏡で観る昴(『NHK俳句』兼題「葡萄」【佳】)

25.ともかく歩いてみる
歩くという行為は応用範囲が広い。心理描写を兼ねて状況説明ができます。
成功するかどうかはやはり季節感のからめ方でしょうか。
例句:紅葉狩とはひたすらに歩くこと    黛まどか
    なるほどの一句。自分に言い聞かせながら歩いている作者も浮かんできます。
flair普段、あまり歩かないので・・・もっと歩いてみなくっちゃです。
自句:畑までの三千十歩冬雲雀(『現俳協ネット句会』2016年11月句会投句)

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コメント

これ、読みました。そしてひとつづつ句を作っていきました。それとこれでひとつづつ措辞を作っていった、そしてプリントしていつも傍らにおいています。

この本の74 脇役の人生模様ですね。これを読み、私の俳句はこれをテーマにしようと思ったのです。あと50から75はリアリティの発展になります。1から50はものすごく難しい。私はリアリティの中に「人を見つめる」ことをテーマにしているので、50から75になりますね。

このページと<俳句がうまくなる100の発想法/ひらのこぼ(1)をコピーさせて頂きました^-^

◆砂山恵子さま

有難うございます!
そういえば、亜阿介さまも読みながら一つ一つ作っていったと仰っていたような気がします。
私も、過去に同じように詠んだ句がない時は、やはり考えていますね。
(そしてどこかに投句してみようと目論んでいるsmile
まだまだ未挑戦のアイディアがいっぱいなので、これからどんどん書かなくっちゃですdash

◆淡路島の痺麻人さま

有難うございます!!
100まで続きますので、またよろしくです!
句作の参考になれば幸いでありますshine

ごめんなさい。めぐる様のは「俳句がうまくなる100の発想法」でしたね。これも2冊もって1冊に書き込んでいました。もう一冊もうちょっと上に「俳句がどんどんうまくなる100の発想法」があってそのことでした。ごめんなさい。

◆砂山恵子さま

こんにちは♪
そうだったんですか~~~まだそこまで辿り着いてなかったのですけど、
今ページをめくって74を見たら、私の手元の本では「列挙する」でしたcoldsweats01
まだまだ続きがうんと控えていることに軽く慄いていますcoldsweats01
「どんどんうまくなる」の方も早く読みたいです!!!

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