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2017年9月 3日 (日)

◆「菊日和」金曜日&十句選

◆金曜日(敬称略)
今週も素晴らしい句に圧倒されました。
見過ごしていた場所、見たこともない場所へ連れていってくれる、それが金曜日。
いずれも素晴らしいお句ですが、中でも特にお気に入りを少し紹介させて頂きます。
全然言い足りなく、自分の未熟さが悲しくなりますが、どうかご容赦下さい。

【天】ひかひかと手話の一団菊日和     とおと
「ひかひか」とのオノマトペが何といっても秀逸!!
「ひらひら」と「ぴかぴか」、「ひそひそ」と「あかあか」といった、
音もなく展開する話題に、明るい笑顔が弾けている情景が浮かびました。
「菊日和」の明るさ・爽やかさの中で、この時間をこの空間を堪能している幸せな一団。
「手話」独特の動きに、清涼な水の流れのような、さやかな音を感じました。

【地】菊びより月の抱く水地の抱く火    めいおう星
「菊びより」という、日中を思わせる季語に続けて出て来る「月」が意外でしたが、
なるほど秋の澄んだ空気の中で、昼間の白い月はことさら清らかに見えると納得しました。
「月」と「地球」という、スケールの大きな措辞を受け止める「菊びより」という季語。
古くから愛され、日本文化とともにある「菊」は、何よりも「歴史」を感じさせる花です。
この先、文明がいかように進歩(あるいは衰退)しようとも、
そのすべてを見守り続けるであろう「月」と「地球」、その抱くものに思いを馳せる、
そんな中で蠢く小さな人間、ちっぽけな私は、「菊びより」の明るく爽やかな空気の中で、
たとえほんの少しでも、佳い存在でありたいものだ・・・といった感慨を持ちました。


◆十句選(敬称略)
木曜日掲載の句の中から、私のお気に入りを紹介させて頂きます。
没句の上位互換句だな・・・!と感じたもの、いろいろありました。
自分の中にまったくなかった発想、たくさんありました。
気ままに感じたことを書いておりますが、どうか広い心でご勘弁頂ければと存じます。


菊日和天守閣から見る大河      豊田すばる
景に大きさと高さがあり、風を感じるほど鮮やかに胸に飛び込んできた一句。
そして我らが監督・葦たかしさんの名鑑賞に惚れ惚れ。以下全文コピペさせて頂きます。
数年前の秋に行った岐阜城を思い出します。
天守閣に登ると広々とした濃尾平野とその中を悠々と流れる長良川と揖斐川が見えました。
城内の広場には鉢植えの丹精込めた菊が幾つも並んでいました。
道三、竜興、信長も同じ景色を見たのでしょうか。(掲示板「ひまわり畑」より)

おかげで、私もまさに現地に飛んだ思いが致しました。有難うございます!!

機会とは作るものです菊日和     かをり
これは私の没句「約束の菊日和まで髪を梳く」のアンサーソング(?)のように感じた一句。
「秋になったら、二人でどこか行こうよ」
などという漠然とした約束・・・いつ訪れるかと待っている女性を描きましたが、
そうじゃなかったんだ!flair積極的にこっちから声をかければいいんだ!flair
ただ待っているだけでは何も起こらない、自分から扉を開けないと!!!
「秋日和」ではなく「菊日和」だからこそ、明確に目指すべきところがある、という気がしてきます。

菊日和なんでもありますロバのパン すりいぴい
「菊日和」という言葉に漂っている「歴史臭」の中でも、「昭和臭」を強く感じた一句。
「馬」の句が23句あったのに対して「ロバ」の句は一句だけというオリジナリティも。
ダンナが子どものころ、お母さんの引っ張るロバのパンのリヤカーを後押しして、
長崎の坂道を登っていったという話を聞いていたので、切なさ三倍増し。
「ロバのパン」は時代の流れとともに形態を変えていきましたが、
「菊日和」という美しい言葉は、ずっと変わらずいつまでも残って欲しいです。

昼酒の理由(わけ)を質せば菊日和 トポル
没句「空吸やげに佳き菊日和じゃいか」の上位互換句。
飲んでる人の句を書こう、そうだ酒豪の多い「土佐弁」で行こう、
そういえば高知の人から底の丸いぐい飲みを貰ったぞ~!と連想が進んで、
自分ではいい感じに乾杯している句が書けたと思ったのですが、
「やげに」と繋がっている部分の読み難さを解消することが出来ませんでした。
「方言」というアイディアに固執せずとも・・・と大いに反省させられましたsadsweat01

馬の耳さやに前向く菊日和      高尾彩
「馬の耳」に焦点を絞った一句。
馬は大変に繊細で神経質な生き物で、落ち着かない場所では絶えず耳を動かしています。
その馬が耳をすうっと前に向ける・・・目の前のものに興味を示している時の仕草です。
「道中で耳が立ってる馬はリラックスしてるから、良い走りをすることが多い」(by武豊)
何気ない仕草が、「菊日和」の明るさ・穏やかさ・健やかさを感じさせますね。
菊日和御紋を羽織る神馬かな(斎乃雪)」も好きです!

帯の鈴りり、りり、りりり菊日和    楠えり子
「菊日和」に透明感溢れる「鈴」の音を配した一句。
「帯の」ということで和装のはんなりとした風情が脳裏に描かれ、
細やかに刻まれる「りり、りり、りりり」という鈴の音に、これから向かう先への、
甘やかで涼やかな期待感が窺われるように思います。
鈴のオノマトペとして「りりり」は平凡でも、このように句読点を挟むことで、
臨場感が増し、新鮮な印象に変わるのですね!shine

人形の頬の艶めく菊日和       28あずきち
「菊日和」と言えば「菊人形展」、この直球ド真ん中の発想に真っ向取り組んだ一句。
「人形」の句は10句あり、そのうち2句が人選で【並】との違いを示してあるようです。
同じようなことを言いたい句が多い中、「よりスッキリ、よりハッキリ」が際立っています。
「菊日和」という、天文の季語(イメージだけ)の中に持ち込まれた「人形の頬の艶」、
硬質でいて滑らかで、触れ難い色気に匂い立つような・・・。
菊の衣を纏って、誰よりもこの日を喜んでいる美しい人形がありありと浮かびます。

現地集合現地解散菊日和      かるかるか
「菊日和」では、いつもよりも「全漢字」の句が多いように思います。
「菊日和」という言葉自体に漢語のイメージがあるのか、いかにもふさわしく感じられます。
どの句も見事なのですが、「思わず出かけたくなる」という季語の本意を捉え、
歯切れのいいリズムで、七・七・五の破調を一気に読み下させる力量に感心しました。
勢いよく「現地集合!」で始まり、「現地解散、菊日和」と、からっとピタっと着地する、
この明るさ、この爽やかさが、いかにも「菊日和」だと感じました。

菊日和佳き死と言はれ父の葬    空 春翔
私が「菊日和」から最初に連想した「法要」のイメージ。
それをストレートに、そして過不足なく言い表した一句です。
「佳き死」との措辞に、故人の人柄や死に際の様子が偲ばれ、
斎場から上がる煙が、さらばと手を振るように風にたなびくのが見えるよう。
悔恨の念の湧かない看取りはないと思いますが、
それでも「佳き死」であったと、他ならぬ故人が囁いているように感じました。

菊日和妻琴を出し弾かざりき     丹羽国守
澄み切った秋の空気の中で、美しい音を聴く・・・という句をたくさん見ますが、
下五に「弾かざりき」を置いたこの句の意外性が際立って感じられました。
しかし、それでありながら、この句は決して無音ではありません。
あまりの美しい「菊日和」、ただ琴を置いておくだけで、豊かに流れる音を感じるのです。
八木重吉の詩を思い出しました。もしかするとこの「妻」もこの詩を知っていて、
琴がひとりでに鳴りだすのを待っているのかも・・・!



最後になりましたが、『俳句ポスト』兼題「菊日和」に掲載の皆さま、
おめでとうございます!!!

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まつやま俳句ポスト365」カテゴリの記事

コメント

めぐるしゃん

凄い凄い!痺れるほどの名鑑賞!
読んでいたにも関わらず全く違う世界が拓けてくるよう・・・

めぐるさんの鑑賞を読み、とおとさんのお句に、(あっ!本当に水の音が聞こえる!)と気づかされました。菊日和の題が出た頃に、めぐるさんが阿蘇の地下には天然の水をたっぷりと含んでいる、という記事を紹介してもらいとても感銘を受けたので「菊日和」には強く水のイメージがありました。
そういえば天の句には水のイメージが多いですよね。地球も日本も生物も水というものが大きく関わることを思えば当然か!
めぐるさんの俳号はまさに水そのもの。
しかもそれが循環しているので、さらに清らかでまわりの人を幸せにするイメージ・・・
他のお句の鑑賞も素晴らしくて、ひとつひとつ頷きながら詠みました!
どのお句もめぐるさん(&たかしさん)の名鑑賞によって一層輝いております・・・!
いつかこういう鑑賞を書けるように感じ取れるようになりたいっ!

めぐるさん、桃猫さんこんにちは。割り込み失礼いたします。

まずはお2人様、人選おめでとうございます。
「菊日和」、たとえ死を扱ってもどこか、悲しみだけではない何かが感じられる季語ですね。

菊日和仔犬はまろびまたまろび

繰り返しを評価しない選者もいるようですが(何かで読みました)、御句では
感動の中心に使われていて効果がいやみなく成功していると思いました
(私はまたまた盲導犬を使いボツ)。
また拙ロバのパンを掲示していただきありがとうございました。

本記事のとおとさん、めいおう星さんの句は特に印象的です。
他にいいなと思ったのは掲示板にも書いた

掌に塔のせてみる菊日和  峰泉しょうこ
所持金は五円となつて菊日和  小倉じゅんまき(敬称略)

です。五円玉には菊が刻まれており、またご縁との連想も浮かびます。
最近過去のポストを読んでいますが、学びになります。
合歓の花、とか目高とか読みました。

賑わっている別記事に来られたおかわりさん、司啓さんも参加される次のプチ句会、
大変でしょうがよろしくお願いいたします。
みなさんの御句を拝見するのを楽しみにしています。

◆桃にゃん

いつもいつも、記事を丁寧に読んで下さって有難うございます!
おかげでブログ更新のモチベーションが何とか保たれていると言っても過言ではありません。
俳号についてのお言葉も恐縮至極です、
たゆまず循環していければいいのですが・・・同じところをグルグル回ってばかりな気もsweat01

>水の音
桃にゃんも水の音感じてくれたのね!メッチャ嬉しい!!
秀れた句には、例外なく背景にサラサラと流れる美しい音を感じますよね、
それが「俳句の調べ」なのかしらshine
目に触れた時・・・舌に乗せた時・・・するりと感覚が入ってきて胸を満たす・・・。
いつか私も、そんな人を幸せにしてしまうような句が書けたらと願ってやみません。

桃にゃんの「ひまわり句」の鑑賞なんて完璧でしたよ!!!
私なんかより、ずっと感性が優れていて素敵だと思っています。
桃にゃんも良かったら積極的に書いて下さいね!
「秀句に学ぶ」ガンガン活用して頂ければと思います、お待ちしております!!

あっ、なんかデザインが変わってる……

◆すりいぴいさん

こんばんは!
すりいぴいさん【人】×2句おめでとうございます~!!
思わず「ロバのパン」検索してうっとりしちゃいました~~~蒸しパン大好きー!
http://www.robanopan-sakamoto.jp/
そして、昔は「ロバのパン」が5円で売られていたという記事も見て、
じゅんまきさんの「所持金五円」で、「ではそれでロバのパンを」と思ったりcoldsweats01
「仔犬」の句へのコメントも有難うございます、
小学生の時に友達のお家で生まれた仔犬を一匹もらって飼ったことがあるのですが、
本当にちょっと走っちゃ転びちょっと走っちゃ転びで、名前が「コロ」になったのを思い出しcoldsweats01

それにしてもすりいぴいさんの熱心さには本当に頭が下がります!!
『俳句ポスト』へのお便りも中身が濃いぃですし・・・
過去の『俳句ポスト』、学びの宝庫ですよね!
私もまた折に触れじっくりと読み返していきたいです。
いずれ何かの話題になった時にサラっと答えられるようだとカッコいいのですが、わははsweat01

◆お洒落番長

有難うございます!
ちょっと秋らしくしようと思って模様替えしてみましたshine

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