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2017年9月18日 (月)

◆「鰯」十句選

『俳句ポスト』兼題「鰯」の木曜日からの十句選です。
個人的に心を揺さぶられた句について、
好き勝手書き散らかしていきますが、どうかご勘弁を!

鰯毟る話せば長いことながら     めいおう星
日常的によく使われるセリフですが、「鰯毟る」から指に伝わる小骨の感じを想像し、ずっと心に小骨のひっかかりを感じていたようなことを、今やっと話せる心境になった・・・というシーンが浮かびました。こういった話は相手が聞き上手でないと出来ません。気の済むまで話せて、「ま、終わった話だけどね」と、ニッコリ笑えるといいなと思いました。そして毟った鰯はゴリゴリと擂って丸めて、美味しく召し上がって頂けたらと。

人魚集ひ鰯に星を捺す遊び      こま
「鰯」に「星」を配した句は数あれど、中でも「これは!!!」といった衝撃を受けた一句です。月光がことのほか美しい夜、クスクスキラキラと綺麗な笑い声を立てながら、人魚が鰯を掴まえては星をスタンプしていく。俗に「七つ星」と言われる鰯ですが、もっといっぱいついてる鰯もいる。星の数がまちまちなのは人魚が遊んでたからだったのかーこの発想、私も持ちたかったーぐわああああ。強烈に痺れ憧れました!!!

きっぱりと鰯嫌いの妻である      ラーラ
「そうか!そう詠んでもいいんだ!!!」と目からウロコが落ちた一句です。秋刀魚と塩サバは食べたことあるけど、鰯はなくて、苦手意識からずいぶん長いこと兼題から目を背けていたんですが・・・なんか自分の曇っていた部分をザバーっと洗い流してもらったような気がしました。否定を描きながら小気味良い一句。「夏痩せて嫌ひなものは嫌ひなり(三橋鷹女)」然り、キッパリハッキリとモノを言うひとは魅力的です

骨砕く音ごと喰らふ鰯かな       耳目
「喰う」というシーンの臨場感を最も感じた句です。「音ごと喰らふ」という措辞から、ありありと「バリバリ食べている」いる感じが伝わってきて・・・。食パンのCMでも、トーストを食べる時の「かりっ」というか「ざくっ」というか、あの「音」が美味しそうなんですよね。鰯もきっとそうなんだろうなと。食べ物の句は何よりも「美味しそうに」が鉄則とのこと。次回の兼題「舞茸」も食べ物でもあるので、「これが旨いんじゃ~!」を探したいと思います

独り居て鰯を焼いて独り寝る     有瀬こうこ
地選句「鰯焼く一人はたまにだからよし(かをり)」の裏表のような一句。寂しいとも気楽とも言わないのですが、「独り」と「独り」の間を振り子のように行ったり来たりしているうちに、心が透明に近づいていくような気がしてきます。そういえば、実家の近くにはこんなおじいさんがあばら家に住んでいて、川魚を釣って畑の野菜を採って暮らしていたっけ。鰯を焼く煙は細くたなびき、もの言わぬ秋の空に吸い込まれていきます・・・。

その龍は堕ちて鰯になりました    あるきしちはる
ああっ!鰯があんなにも群れて巨きくなるのは、かつての龍の姿を取り戻そうとしているからだったのかっ「人魚」の句と同様、これまで明かされていなかった謎を解いてもらって、大きく膝を打つような一句。ファンタジーなんだけど、説得力ありますよね!「龍」は「水神」「海神」でもあり、落ちてバラバラになったとしても神秘の再生力で龍に戻ろうとするかも知れない。その姿があの「鰯トルネード」なのかも知れない。素晴らしいです

ゴッホの絵描く鰯の大水槽       はまのはの
一瞬ゴッホを唐突に感じましたが、「鰯トルネード」のあのタッチ(?)はまさしくゴッホ!有名なところでは「星月夜」の渦巻き感もですが、こちらもなかなか鰯っぽいです。これはなかなかの発見じゃないかな!少なくとも私は衝撃を受けました。はのさん、スゲー!

Photo


真鰯のトルネードより海生まれ    雅
数ある類想を制して【人】に選ばれたのがこの一句。ああ、「鰯トルネード」が、国産みの矛でかき混ぜられているところに見える・・・。シラズさんが「ひまわり畑」で仰ってたように、他の魚の餌になることも多い鰯。そもそも、捕食されることが多いからあんなに何万と群れを成しているんだろうし。万が一鰯がいなくなったとしたら、海の生態系が狂ってしまうかも知れないですね。「海生まれ」との措辞はあながち大袈裟でもないのでは、と感じました。

シチリアの鰯はここが青いんだ   司啓
まるで現地の漁師さんが目の前にいて、日焼した顔でにぱっ白い歯がきらっとしたかに感じた一句です。この漁師さん、岡釣りもウマイのに違ェねェ・・・!で、「シチリアの鰯はどこが青いんだい?」と思って「シチリア 鰯」で検索をかけたら、美味しそうなパスタとか、トマト煮込みとか、名前が可愛いベッカフィーコとかいろいろ出て来て、とんだ飯テロを受けてしまったので、途中であきらめましたとさ

星七つ抱へ真鰯ドヤドヤと      藤井祐喜
「七つ星」から「七星剣」にワープしてしまった私でしたが、鰯についている星をそのまま詠んだこの句の、堂々たる主張っぷりに目が覚めました。「ドヤドヤ」は大漁の鰯が網からドヤァー!と溢れているようでもあり、市場の一匹一匹が「ドヤ!俺の新鮮さ!!」と迫ってくるようでもあります。こんな鰯と目が合ったら、買わざるを得ない・・・。鮮魚コーナーは足早に過ぎてしまう私なのですが、今度ちょっとゆっくり回ってみようと思いました

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コメント

うぉ~~どれも素敵な句ですね~~!!
めぐるさんの評を読み、一段と美しくきらめくような・・・どれも凄い!!
あえてあえてひとつ選ばせていただくなら

◇人魚集ひ鰯に星を捺す遊び      こまさま

で!!
発想の飛ばし方、美しい世界観が凄い!、言葉と語順はこれしかない!
めぐるさんの

>俗に「七つ星」と言われる鰯ですが、もっといっぱいついてる鰯もいる。
>星の数がまちまちなのは人魚が遊んでたからだったのか。

という言葉にKOされました。
アンデルセンもウットリの世界ですな~!

◆桃にゃん

いつも有難う~~~
まさか「鰯」に「人魚」を配すとは・・・本当にその発想に脱帽です。
私もこんな句を詠みたい!!!と強烈に思いました。
「舞茸」にこの気持ちをブツけますよ~~~!!!(ギラ!)

めぐるさん、こんばんは。こまさんのお句、私も大好きです!この美しく優しい詩情に憧れます。
そして、拙句を取り上げていただきありがとうございます。
私もめぐるさんと同じ鰯嫌いです。お魚は好きなんですが。
この兼題で真っ先に浮かんだのがこちらで、自分では満足いく好きな作品ですが、おそらく評価はされないだろうな。と思っていただけに、夏井先生に選んでいただき、のみならず、めぐるさんからこんな素晴らしい句評を書いていただき、とても嬉しく光栄です!
ありがとうございました!

◆ラーラさん

わああ、書き込み有難うございます!!!
「真っ先に浮かんだ句」なんですね、やっぱりそういう、ストレートな思いが、
選者の目にもズバっと飛び込んでくるのでしょうね!
なんだか、とても大切なことを教わった気がしています。
兼題であっても雑詠のように・・・
ストレートな感慨を素直に句にすることが出来たら、というのが今の目標です。
ラーラさん、改めまして有難うございました!!!

わーい!私、スゲー!^^
十句選に採っていただいたの、三回目!スゲー!^^

拙句を挙げていただきありがとうございます。
京都の水族館の大水槽の様子をそのまま詠みました。
伝わるって嬉しいですね。
また十句選目指してがんばりま〜す!

◆はのさん

おーーーっ本当だ!「渡り漁夫」「薄暑」に続いて3回目の登場ですね!!
ゴッホの絵は、光や風のうねりを視覚化したようで大好きです。
まるでゴッホが「鰯」を描いたかのように・・・「鰯」がゴッホを描くなんて素敵すぎ!!
どうやら私、はのさんの感性に痺れまくっているようです
「櫨紅葉」ではどんなお句を読ませて頂けるのか、今からとっても楽しみです・・・!

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