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2017年12月24日 (日)

◆兼題「炭」十句選です

久しぶりに「没句まつり」も出来たので、「十句選」も久しぶりに行きます
お気に入りの句を好き勝手に書かせて頂くので、無礼があれば申し訳ありません。
句の解釈はさまざまだと思いますので、皆さまからの「私はこう読んだ」といったご意見、
また「私もその句好きです」といったコメントがあれば嬉しく思います。


火の果ての木は炭人は白き骨   めいおう星
「木は炭/人は白き骨」この並列、この対比に唸りました。
木は炭になって火を熾し、人は骨になって思い出を揺さぶります。

影落とす馬の睫毛や炭をひく    一阿蘇二鷲三ピーマン
俳号から察するに作者さんは熊本の方だろうと思います。
「馬」それも「馬の睫毛」を詠まれているのがとても嬉しく、勝手に親近感を覚えています。
「ひく」が平仮名なのは、作者の狙いでしょうか。
読者は「挽く」と「引く」の両方を思い浮かべることが出来ます。
刺すような冷気の中で黙々と作業をこなす馬や人の息遣いを感じます。

桜炭大正ガラス波をうつ       みくにく
昔のガラスは、歪みがあったりうねっている感じが何とも言えない「味」。
「桜」と「大正」、「炭」と「ガラス」の響き合いが何とも心地良く感じられる一句です。

わらべ唄つぼどんつぼどん炭をつぐ 宙のふう
つぼどん」とは、タニシのことだそう。兼題考察で「民話、昔話、妖怪など」を考えながら、
わらべ唄の発想はなかったので、「ハッ!」としました。
平仮名遣いが優しく柔らかく、中七下五がそのまま童謡のように響きます。
閉ざされた冬ともうまく付き合いながら春の訪れを待つ、
何ごとにも自然体の素敵な人を想像しました

この椅子とこの炭おなじ木に生れ  芹沢雄太郎
金子みすゞの「木」を思い出しました。
「そうしてなんべん回ったらこの木はご用がすむかしら」というものです。
櫟や樫など、椅子や箪笥、テーブルなどにも加工され、炭としても重宝されますね。
ある部分は家具となり、日々愛用され磨かれていく。
ある部分は炭となり人を温め、灰になれば肥料として次の命を育むことも出来る。
いつまでも終わらない「ご用」であって欲しいと思いました。

炭焼の匂い呼びたい人ばかり    酒井おかわり
「没句の上位互換句」として一度紹介していますが、こちらでも。
「炭焼」をしながら、この冬の集まりのことを考えている。
いつものメンツ、新しく知り合った相手。呼びたい人は増えるばかり・・・。
「匂い」が「記憶」→「亡き人」と連想の扉を開き、
「呼びたい人」の中には、死者も含まれているのではないか、と思い至った時、
「炭焼」の煙がすうぅと寒の空へ吸い込まれていくのが見える気がしました。

炭に火をおこす手際に惚れました  k.julia
この句も私の没句「堅炭の夫の手によく燃ゆること」の上位互換句。
私の句には多少の自己嫌悪とか僻みも感じ取れる気がしますので、
ストレートに「惚れました」と言い切ったところを素敵に感じました。
炭とともに、ハートにも火がついちゃったのですね!

ゆつくりと炭くづれけり炭の下    スズキチ
「滝の上に水現れて落ちにけり/後藤夜半」を彷彿させる一句。
こうやって火鉢には灰が積もっていくのですね。しっとりした時間を含みながら・・・。
あああ、私もこんな一物仕立ての句を詠めるようになっていきたいです!

炭の火の育つや鍋は磨かれて   わらび一斗
鍋を囲む時間が愛しいこと、その時間を楽しみにしていることが窺え、胸キュンです。
日々を丁寧に暮らしている人なのでしょう。穏やかであたたかな人柄を感じます。
漫画「ブラック・ジャック」の、息子の帰郷を待っているおばあちゃんの話を思い出し、涙。

桜炭鉄瓶の湯気すうと伸び     やまぶき
「桜炭」とは、櫟から作られる上質な炭で、茶の湯によく用いられるとのこと。
「鉄瓶」との取り合わせがしっくりきます。「湯気」が「すうと」伸びるところに、
場の空気の静謐さが窺え、こちらの背すじまで伸びる思いです。


最後になりましたが、「炭」掲載の皆さんおめでとうございます!!
最強寒波の襲来で寒い日が続くなか。皆さんの「炭」の句で暖めて頂きました
(喉がイガイガしていたのですが、治りました
デトックス&ヒーリング効果のある『俳句ポスト』、凄過ぎる。
また来年も勉強させて頂きたいです!!!

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まつやま俳句ポスト365」カテゴリの記事

コメント

めぐるさんこんにちは。

ひさびさの十句選拝読しました。この中では、

ゆつくりと炭くづれけり炭の下    スズキチ (さん)

ですね。滝の上に水現れて落ちにけり とどこか通じるものがやはりありますね。
一瞬の景。ストップモーション、映画の短いワンショットのよう。

目にうつるものみな俳句、みたいな句がありましたね(スイマセン、ド忘れ)
どんなささいな一瞬も選び抜いた語を的確に並べると、ハッとする句になるんですね。
精緻、簡潔。目の確かさ、注意力。私もこんな句を詠みたい。

ところで今日はみなさんは組長と中之島でクリスマス句会ライブでしたね。
ううん、うらやましい。
しかし「石蓴」がさっぱり浮かばない・・。
明日の、今治ラジオバリバリ「俳句チャンネル」の入選句はまだUPされませんね。
楽しみにしています。 
では。

◆すりいぴいさん

コメント有難うございます!
スズキチさんの句、佳いですよね
脂っこくない、飽きの来ない味わい・・・。
すりいぴいさんにもこの持ち味がありますね。
私は揚げ物が大好きなので、俳句の方もダイエットしなくっちゃです

秋風や眼前のもの皆俳句   高浜虚子

すりいぴいさんが思い浮かべたのはこの句ですね。
>どんなささいな一瞬も選び抜いた語を的確に並べると、ハッとする句になるんですね。
>精緻、簡潔。目の確かさ、注意力。私もこんな句を詠みたい。
ですね!!
詰め込まないで「ただそれだけ」を詠むこと・・・。
道は遠くてクラクラしますが、少しずつでも進んでいきたいと思います。
「石蓴」お互い頑張りましょうー

めぐるさん、こんにちは
書き込みさせていただくのは初めてですが、いつもこっそり拝見させていただいています
炭十句選に選んでいただきありがとうございました

スズキチさんの写生句、火の香とともに炭の崩れる密やかな音が感知されていて、読めば読むほどにその静謐に魅了されます

兼題「石蓴」は手ごわいですが、ポストのおかげでいままで詠んだことのない季語に向き合うと、たまにですが、思いがけず新鮮な感覚に出会えることがあるので、あきらめないで頑張ってみようと思います

今年も残すところあとわずか、どうか良い年をお迎えください
そして来年も、お互いいつき組の場で、切磋琢磨していきましょう

◆めいおう星さん

めいおう星さん、こんばん・・・ええええええ!きゃーーーーーッ
うわーんメッチャ嬉しいですーギャー手が震える
1日遅れのクリスマスプレゼントが届いたような気分です、有難うございます!!

>ポストのおかげでいままで詠んだことのない季語に向き合うと
もう、初めて出逢う季語ばっかりで難しいと思っていたら、
「毛布」とか「風邪」とか、よく知っているつもりの言葉もとっても難しかったのでビックリでした
いざ詠もうと思うと、案外何にも知らなかったりして・・・
そして、自分なりに何かを掴んだつもりで投句しても、上位の方の句を見ると、
自分がいかに表面的な部分しか見ていなかったかを思い知るのでした
ついつい、人と違うことを詠まなきゃとかいう気持ちになってしまうのですが、
そうではないんだということを毎回教えて頂いている気がします。
今回のスズキチさんのような地に足のついた写生句を、いつか詠めるようになりたいです。
そして、めいおう星さんのような、大きな、透明感のある句を・・・いつか、いつか。
俳句の道は長くて険しいので、きっといつまでも追いかけ続けると思います。
こんな私ですが、来年もどうぞよろしくお願い致します!!!

最後になりましたが、「炭」地選おめでとうございます!
んもー何回目でしょうか?凄すぎますっ!!!

めぐるさん、めいおう星さ・・、めいおう星さん?!
こんにちは。いつも御句、お名前に注目させていただき、
また、学ばせていただいてます。
めぐるさんと同じく、憧れの方なので驚きました。よろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えくださいませ。

めぐるさん、
秋風や眼前のもの皆俳句   高浜虚子

そうでした。情けない・・。ありがとうございます。俳句は省略とかいいます。
できるだけそぎ落として、でも味わいや驚きを失わない表現を心掛けたいものです。
ではでは。あ、疑似俳句対局、ありがとう。次回を楽しみにしています。
「100年俳句計画」マガジン、届きました。

◆すりいぴいさん

>めいおう星さ・・、めいおう星さん?!
わはは、一瞬自分が書いたコメントかと
この年末に素敵なサプライズでしたね、なんだか来年も良いことが起こりそうな予感

>できるだけそぎ落として、でも味わいや驚きを失わない表現を心掛けたいものです。
うむうむ、同意同意。
情報の過不足については、鑑賞(選句)の際にも問われるものがある気がします。
ちょうど、よく読んでいる「草の花ネット句会」でもこのことに関する選者の言葉がありましたので、
紹介させて頂きます。

意味を正確に伝えるためには、理路整然とした言葉で説明する必要があります。
しかしそれは散文の領域。
詩(韻文)は言葉と言葉のあわいを最も大切にし、イメージで読み手に訴えかけます。
言い過ぎてはいけません。説明過多もだめ。
イメージ性を豊かにする「省略」が句を左右します。常に推敲を……。(選者:鈴木五鈴)

http://www.kusanohana.com/net_kukai_top.html
こちらは選者の方による添削コーナーもあり、読むだけでもとっても勉強になります。
見知ったお名前もちらほら・・・すりいぴいさんも如何ですか?

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