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2018年7月29日 (日)

◆藤田湘子の「20週俳句入門」第17週

いよいよ大詰め!!
「や」「かな」と並ぶ三大切字「けり」を学んでいきます。
いやしかし、読めば読むほど全文引用したいくらいの濃いぃ章です。
なるべく自分の言葉に置き換えて記事にするよう、がんばってみます!


下記色を変えている部分は本書からの引用です。
■書名:『角川俳句ライブラリー 新版 20週俳句入門』
■著者名:藤田 湘子
■出版社名:株式会社KADOKAWA


◆[型その4]

上五「季語名詞」 + 中七 + 下五「動詞+けり」

例句
はつあらし佐渡より味噌のとゞきけり   久保田万太郎
みぞれ雪涙にかぎりありにけり      橋本多佳子
水馬(あめんぼう)弁天堂は荒れにけり 川端茅舎

まず、「配合・二物衝撃」としての作り方が基本形になります。
上五の季語と、その後に述べられる十二音には、一見何の脈絡もないようですが、
両者のあいだには、目に見えぬ糸がピンと張ってあり、かすかな響き合いが感じられます。
決して、上五から『は』で繋がる内容ではないのですが、一句を読み下した時、
「そういえば○○だなぁ」といったような感慨がふと湧いてきたり、
うまく言葉に出来ないけれども季語に託された心情を感じ取れたり、
並べられたモノの対比から、ジワリとくる思いがあったり。
一読では分からなくても、二度三度読むうちに、かすかな響きが聴こえてくるものです。
例えば「はつあらし」ですと、初秋の季語ですから、
暑さが落ち着いて、味噌汁が嬉しい季節になった・味噌焼もいいな!とも思えますし、
これから秋~冬と季節が移っていく時に、一番有難い贈り物とも。
「みぞれ雪」は雪まじりの雨、または溶けかかって降る雪。
涙もいつか凍りつくのか、いつしか溶けてなくなるのか。
雪がいずれ止むように、慟哭も終わる日が来ますね。
「けり」の強い響きが、自らを奮い立たせるような役目も担っているようです。
「水馬」はいかにも取り合わせの一句。
ついついと気ままに動き回る水馬と、諸行無常な弁天堂の対比が鮮やかです。

◆「かな」と「けり」の違い

霜柱俳句は切字響きけり          石田波郷

<「かな」は沈黙の切字>
言い切れない部分を「かな」に託す。
省略したあれこれが「かな」に託され、余情・余韻として読者に伝わる。

<「けり」は決断の切字>
はじめから、「これでいくんだ」「これしかない」と肚をくくっている。
鋼のようなつよい作者の意思、「こう言うんだ」とはじめから決めて、きっぱり使う。


ここで注意したいのは、動詞の已然形や未然形につく存続・完了の「り」と混同しないこと。
切字の「けり」は詠嘆。気づきの助動詞で、活用語の連用形につきます。


叩く → 叩きけり     「叩けり」は違います
泣く → 泣きにけり   「泣けり」は違います
行く → 行きにけり   「行けり」は違います

◆[型その4]の応用形

上五から意味の断絶がなく、一物に近い詠み方。


冬の虫ところさだめて鳴きにけり      松村蒼石
水鉄砲にも引き金のありにけり       鈴木榮子
松茸の椀のつつつと動きけり        鈴木鷹夫
くろがねの秋の風鈴鳴りにけり       飯田蛇笏

「冬の虫」の句は初めて読みました。
(と思ったら、「真砂女歳時記」にも載ってました、いやーん忘れてたsweat01
虫も寒いんだなぁ、じっとしたまま鳴いているんだなあ。
小さな気づきと、小さきものへの温かな眼差しが素敵shine
「水鉄砲」は、おもちゃといえど「引き金」という物騒な言葉にドキっとします。
「松茸」は、誰しも経験のある「怪奇!卓上を滑る汁椀」ですね!happy01
どんな椀でも起こりうるのですが、「松茸」となると俄然面白いです。
ウオオ止めねば!という気持ちも大きいでしょうし、
家の守り神さまも飲みたがってる?なんてったって松茸だもんな!という、
食卓の和み感まで伝わってきます。
「秋の風鈴」は名句中の名句。
南部鉄の風鈴の、澄み切った音が響きます。
蛇笏先生・・・あなたはここでも立ち塞がるのかshock


◆「けり」の要点

切字「けり」にはきっぱりした決意が必要。
そしてひと息に言い放ったと感じさせる、つよいリズムが要求される

ポイントとして<前半勝負>。
イメージの広がりの大きい言葉を上五、中七で打ち出しておいて、
最後はひねくらず素朴で明快な動詞をもってくる。


◆おまけ~私の好きな「けり」の句~

帚木に影といふものありにけり        高浜虚子
青梅の尻うつくしくそろひけり         室生犀星
水馬水ひつぱつて歩きけり          上田五千石
霧の馬睫毛重たく戻りけり           正木ゆう子
雪片にふれ雪片のこはれけり        夏井いつき
冬蜂の死にどころなく歩きけり        村上鬼城
   
探せば探すだけ好きな句が見つかるので、このへんで。
前述の「けり」の要点で述べられていることが、どの句にも当て嵌まっていますね。
私も頑張ります!!

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コメント

すごい!
とてもわかりやすくまとめてくださってありがとうございます!
そして楽しい♪今回欠席なのが残念!
でもこれを参考に私も密かにけりの俳句を考えます💗

≫鋼のようなつよい作者の意思
≫切字「けり」にはきっぱりした決意が必要

やはり、「けり」は詠み手の意思を強く示す言葉……二物にしろ一物にしろ、文字通り直球勝負の句で、季語とのガチンコのやり取りが必要そうですthink

ところで、追記がてら質問を一つcoldsweats01

ここでの例句は全て「上五季語+中七+下五けり」の形ですが、「上五+中七けり+下五名詞季語」の形の句もそれなりにあるようです。句全体の展開によって使い分けた方が効果的そうですが……後者の形の句は、今回投句して良いのかな?coldsweats02

ちなみに、「上五季語+中七+下五けり」の場合は

≫ポイントとして<前半勝負>。
イメージの広がりの大きい言葉を上五、中七で打ち出しておいて、最後はひねくらず素朴で明快な動詞をもってくる。

で正解だと思いますが……「上五+中七けり+下五名詞季語」の場合は、「上五中七で打ち出した強めの布石を、下五の季語で一気に取りまとめて勝負する」事になると思いますconfident

◆桂奈さん

こんばんは!
ぎゃーん残念!桂奈さん今回は欠席なんですねweep
でも、結果は見られるので、楽しみにしててくださいね!
そして桂奈さんもどこかで「けり」を炸裂させちゃってください!!!
楽しみにしています~~~!!!

◆シラズくん

こんばんは!
まだまったくなんにも思いついていないめぐるですdash

>「上五+中七けり+下五名詞季語」の形の句もそれなりにあるようです。
これについてですが、その形が存在するのは知っていますが、
今回はあくまでも本に書かれている「「下五けり」」の基本形」と「応用形」のみで考えて頂きたいと思います。
もちろん、上五「や」からの「下五けり」もNGですよーーー!!!
よろしくお願い致しますーーー!!!

おはようございます!
けり、分かりやすくまとめてくださり勉強させていただきました。
けりとかなの違いがスパッと書かれていて、なるほど!でした。
句作に生かせるかどうかは別問題ですが💦
明日から投句開始ですね!
よろしくお願いいたします。

追伸、名前を直していただきありがとうございました!
すみません、何度も…💦💦

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