最近のトラックバック

2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ

« 柿搗くやごんごんづくづくぢゆつぢゆつと | トップページ | 妻といふ見知らぬわたし秋刀魚焼く »

2018年10月13日 (土)

◆「無花果」金曜日!

夏バテから復活し、久しぶりの『俳句ポスト』金曜日の記事です。
うおおおおーーーーー凄いものを見てしまったーーー!!!
上手く言えないことばかりですが、【天】の句+【地】の句について、
私なりに感じたことを書いておきます。

【天】いちじくに刺さる西太后の爪    花屋
「西太后」にまつわる虚々実々の伝聞は禍々しいものばかり。
この「爪」は特権階級であることを示す長く長く伸ばした爪。
主に小指と薬指を伸ばしていたと聞きますが、
長く尖った「爪」が、皮膚のような質感の「いちじく」に深々と刺さっていく怖ろしさ。
最後の「爪」の一語によって「いちじく」は、絢爛に凄惨に匂い立ちます。
(抜粋)
chick眼に入った瞬間、ひっくり返りました。うわあああ。
「無花果」で「西太后」は調べたんだけど・・・その結果「胡桃」にshock
しかもこんなに生々しく何かを伝える力はないっ。
熟れた「無花果」を持った時の、あの、何とも言えない皮膚感触が蘇ります。
「西太后」は、陰謀渦巻く政の真っただ中でどこまでも生き抜く決意をし、
その中で多くのものに爪を立ててきたのだろうと思わせます。
そして痛みに慄いた人民たちも無数にいたのだろうと・・・。
「無花果」→「中国」→「西太后」まで行きながら、この発想に至らなかった自分。
高き嶺を仰ぐのみですが、コツコツ投稿を続けるところから頑張りますぅ!!

【地】いちじくやさかむけ剥くやうでこはい  ヒカリゴケ
無花果という果物の持つ皮膚感を生々しく呟いています。
歴史的仮名遣いの表記も、おどおどしてて、巧い選択です。
(抜粋)
chickそういえば!「無花果」が兼題になったので、人生初無花果を食べてみた時、
皮の剥きにくさに難儀し、結局包丁でカットしてしまった私sweat01
もうちょっと丁寧に取り組めば、この感触を得られたかも知れない・・・嗚呼っ!
こういう、身体感覚に迫る句って凄いですよね。
「無花果」の、内臓のような見た目、質感。他の果物との明らかな違いがそこにある。
今後「無花果」を剥こうとする時、必ず思い出すだろう一句になりました。

【地】無花果の噛みつきさうな尻の穴     笑松
あの形状を「噛みつきさうな尻の穴」と比喩できるのが俳人的センスであります。
最後に「穴」のアップで終わる語順も巧いもんだなあ。
(抜粋)
chick実は、果実はすべて枝についている方(ヘタ側)がお尻なのですが、
実感としては、やはり座りのいい方がお尻なような気がしますよねcoldsweats01
「噛みつきそうな口」では当たり前で詩にならないので、ここは「尻」がやはりイイ。
私も、あの形状からクリーチャーを連想しました。
【没】無花果を割りて閃く特撮部
歴然たる【地】との差に、穴を掘りまくって埋もれたいであります!dashdashdash

【地】無花果の顔つきモジリアニに似て   しかもり
カタチつまり輪郭だけではなく「顔つき」と感じ取っているところが面白い把握です。
切れのない型が、句のあとの余白に想像を広げさせます。
(抜粋)
chick「モジリアニ本人」ではなくて、「モジリアニの描く肖像画」でしょうね。
独特の、縦に伸ばしたかのような細長い輪郭や首の肖像のイメージが浮かびます。
瞳の描かれない肖像画のイメージも強く、やや無機質というかアンニュイというか、
全体を通じて、決して「明るく健康的」ではない感じが漂っているように感じます。
それは、湿りを好む「無花果」に通じるイメージでもあるかも。

【地】無花果やてんぐのはなのあじする    ちま(4さい)
カタチが「てんぐのはな」に似てるのなら、「あじ」も似てるに違いない。
その発想が楽しい作品です。
(抜粋)
chickしまった、「妖怪シリーズ」を忘れてたsweat01やられたーと思った一句です。
「てんぐのはな」が出て来なかった私は廊下に立っていなさい!wobblysweat01
下五は「が/の」を入れて調子を整えたくなるところですが、
「お子さんの言葉をそのまま」というところに意味がありますね。
「俳句を詠む」という感覚でなく、感じたことをそのままに発信する。
素直に、ということが何よりも大切なのだろうな、と痛感します。

【地】コーランの無花果聖書の無花果     マオ
「無花果」が古代から人類とともにあるのだということを、
こんな対句表現で表現してしまうのも、短詩型文学の強みだなあと感服しました。
(抜粋)
chick湿っぽい場所に生える印象の「無花果」ですが、生産量世界一は(意外にも)トルコ。
そして、トルコといえばイスラム教、イスラム教といえばコーラン。
余談ですが、私が「異邦人/久保田早紀」で思い浮かべるのがトルコの街並みです。
歴史と神秘溢れる「無花果」。

【地】いちじくや第二婦人は子だくさん     まどん
「第二婦人」ということは、当然第一婦人もいるということ。
「子だくさん」の賑やかな「第二婦人」の周辺に対して、
ひょっとしたら子どもに恵まれていない第一婦人かも?とも思いました。
イスラムの国の一夫多妻制の家の、
案外平和で和やかな生活の一部を見せてもらったような気持ちになりました。
(抜粋)
chick第一婦人としては複雑でしょうが、陰湿さを感じさせない一句です。
もちろん、内心では言葉に出来ない思いが渦を巻いて苦しんでいるかも知れない。
でも、もしかすると「私は楽でいいわ~」と達観しているのかも知れない。
そう思いながらも、妊活に良い「無花果」に手を伸ばしている様子が切なかったり。
平仮名が多く、平易で明るい印象でも読めますし、虚ろにさまよっている感じにも。
読者は自分が納得しやすい方へ解釈します。
また、複数の読みが出来る時は、少しでも善い方へ解釈したい、という気持ちがあります。
屈託がない訳ではないでしょうが、「案外平和」であって欲しい、と思うのです。

【地】ぽつてりと無花果ふつくらと太陽     めいおう星
「ぽつてり」「ふつくら」という擬態語は、滋味豊かな「無花果」をそのまま描いてて見事。
これもまた「無花果」の本意の一つを描いている作品です。
(抜粋)
chickああ、なんと見事なオノマトペ。そして大きく豊かな世界。
不老長寿の果物として、太古の昔から人々が享受してきた「無花果」ですね。
かくも無駄のない並列に、平伏すのみです。

【地】無花果や秘部これほどに美しき      ラーラ
「無花果」の「秘部」は、そのまま人間の体の秘部を思わせます。
しかもそれを「これほどに美しき」と言い放てるのが、この作家の大胆さです。
(抜粋)
chickああ!てらてらと光り、ぬめりとした「秘部」がありありと脳裏に描き出されます。
翻って、私の没句のなんと没句らしいことよshock
【没】無花果やエカテリーナのあかきくち
「ひまわり畑」の「兼題考察スレ」に貼ったこの記事から着想したものですが、
「~~が~~~みたいだ」という、比喩っぽくも思える仕上がりにしかならずsweat02
掲句を見た瞬間の衝撃は大きかったです。滝に、滝に打たれてきます!!dashdashdash

【地】無花果や月はでつぷり腫れあがる    一阿蘇鷲二
「無花果」も「月」も「でつぷり腫れあがる」秋の夜。
美しさと醜さを同時に持つものとして、描かれている「無花果」と「月」です。
(抜粋)
chickめいおう星さんの「太陽」に対して、一阿蘇さんの「月」。これも面白いですね。
「でつぷり」が、「ぽつてり」以上に肥え太っている感じですし、
「腫れあがる」のチョイスと相まって、どことなく「闇」を感じさせる気がします。
「モジリアニ」同様、決して「明るく健康的ではない」雰囲気。
実際には、大変滋養に富み、不老長寿の果物として重宝されている「無花果」ですが、
「なんとなく不気味」な印象があることもまた事実・・・。


金曜日の句にひっくり返るのは毎度のことですが、
今回は【天】~【地】の句すべてがグイグイと目前に迫ってきて、
これまでにないくらい圧倒的でした。皆さん、凄い句を有難うございます!!

最後になりましたが、「無花果」掲載の皆さん、おめでとうございます!!
一覧からの多大な学びと気づきを、少しでも活かせるように頑張ります!!

« 柿搗くやごんごんづくづくぢゆつぢゆつと | トップページ | 妻といふ見知らぬわたし秋刀魚焼く »

まつやま俳句ポスト365」カテゴリの記事

コメント

めぐるさんこんばんは。
こちらへはご無沙汰してしまっていてすみません!

無花果の拙句を取り上げていただいて、ありがとうございます&恐縮です💦
また、

>今後「無花果」を剥こうとする時、必ず思い出すだろう一句になりました。

そんな風に言っていただけるなんて、大きなご褒美をいただいた気分で、とても嬉しいです!
ありがとうございます😊


まさか、言葉の扱いに悩む日々が待っているとは2年前には思ってもいなくて…お礼もろくに言えないのが口下手な自分らしくて呆れますが、少しずつでも尊敬する諸先輩方に近づけるように頑張ります!

名前が抜けているっ💦
上記、抜けているヒカリゴケです!
失礼しました!

◆ヒカリゴケさん

おはようございます!
改めましておめでとうございます、
皮膚感覚がリアルに迫ってきて「ひぃーーー」でしたgood
いえいえ、私もこの頃はなかなか書き込めずsweat01
読ませて頂いてはいるのですが、あまりにも皆さんのご活躍が凄過ぎてsweat01
夏バテ期間が終わり、今後はまた金曜日の記事も書いていきますので、
またよろしくお願いいたします!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2251208/74386686

この記事へのトラックバック一覧です: ◆「無花果」金曜日!:

« 柿搗くやごんごんづくづくぢゆつぢゆつと | トップページ | 妻といふ見知らぬわたし秋刀魚焼く »