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2018年12月29日 (土)

◆「枇杷の花」没句祭り&十句選

ちびちび書き進めていたものが、下書きに入れたままになっていたのを発掘
今頃ですが、UPしておきまする

◆没句祭りーーー

【没】さよならのための再会枇杷の花
【人】枇杷の花別れは硬い握手して      酒井おかわり
「枇杷の花」のもろもろっとした印象と、「硬い握手」の質感の対比。
映像がハッキリ見えることで、ふたりがそれぞれに歩み始める道もまた見えてくるようです。
「硬い握手」で、男女に限らず様々なシーンを想起出来るのも巧いですね。

【没】花枇杷や名に馴染みくる田中姓
【人】旧姓で呼ばるるに慣れ枇杷の花     つぎがい
【人】田中てふ名のこそばゆし枇杷の花    るびちゅ

私のダンナが田中姓。濁点がなくて明るくて、自分の名字より好きです。
「枇杷」の主な栽培品種が「田中」だったと知って詠まねばと思いましたが、消化不足でした
「呼ばるるに慣れ」「こそばゆし」ああ、この皮膚感覚だわ・・・。
そして突然、昨年句の中に「田中邦衛」を入れようとしていたことも思い出す。
来年がんばりますーーー

【没】枇杷の花ミシンの音の軽やかに
【人】母と娘の足踏みミシン枇杷咲きぬ    楠えり子
【人】にびいろのボビンケースや枇杷の花  猫愛すクリーム
【人】枇杷の花刺し子ふきんをお返しに    琉璃
【並】闇の中ミシンの音と枇杷の花       真林

「枇杷の花」から何となく「昭和」のイメージを抱き、「ミシン」へ。
入選句を見て「あっ!そうだった『足踏みミシン』だった!」と
あのクラシカルな形状は実に「枇杷の花」に似合いますね!
しかも「母と娘の」で長い時間を感じさせるのも巧いなあ・・・。
刺し子ふきん」は私もいつか使いたいモチーフ。津軽の「こぎん刺し」とか魅力的です。
いつか私も、刺繍系の素敵な句を書いてみたいと、ずっと憧れています

【没】教会のバザーの午後や枇杷の花
【人】枇杷咲くや村に聖女の頭蓋骨      瓦すずめ
【人】キリストの父は聖霊枇杷の花       月の道
【人】一宇より信徒百人枇杷の花        小泉岩魚
【人】殉教の血潮見てゐた枇杷の花      谷口詠美
【人】馬小屋に蹄鉄一つ枇杷の花        彩楓(さいふう)
【人】シスターのミッフィの手提げ枇杷の花   奈緒女

葉や実の薬効から、お寺や教会に植えられていた「枇杷」。
花姿は地味でも、甘く優しい香りが人々を癒す・・・聖職者そのものにも思えてきます。
「頭蓋骨」「聖霊」「百人」「殉教」といったパワーワードとの取り合わせが強烈。
「蹄鉄」の質感の対比もお見事。「ミッフィの手提げ」という固有名詞も利いています。
(ミッフィの顔が「枇杷の実」に見えてきた
それらに比べると、「バザーの午後」という言葉からは「コレ!」というイメージが湧かず、
もっと具体的なモノを描くべきだったなと思いました。

【没】枇杷の花匂ふ木陰のマンドリン
【人】花枇杷かほるトロンボーンの息注げば かのたま
【人】腹で聴くコントラバスや枇杷の花     比々き
【人】木琴の音咲く枇杷の花揺れて       斎乃雪
【人】オカリナの音色ふわりと枇杷の花     あつむら恵女
【人】オーボエのか細き指や枇杷の花     淺野紫桜
【人】ピアニカの一音ずれる枇杷の花      湖雪
【人】やさしさはピアノにうつるびわの花     さな(6才)
【人】チェンバロの短き余韻枇杷の花      西川由野
【人】枇杷の花ぼろんと匂ふ音符かな      中村遥

【人】ヴァイオリンの洩れをる土蔵枇杷の花  橄欖子

「枇杷の花」と「楽器」の取り合わせ、たくさんありました!
私はその形状から「マンドリン」を選んでしまったけど、「琵琶」的なものは近すぎですね
「ぼろんと匂ふ」に象徴されるように、入選句にある「音」は柔らかくあたたかなものが多く、
「ヴァイオリン」にしても「土蔵」から漏れ聞こえてくるという工夫がなされています。
そういう意味では「マンドリン」より「マリンバ」だったかと小一時間
入選句中最も甲高い音であろう「チェンバロ」も、音そのものではなく「短き余韻」を描き、
「枇杷の花」らしい、どこかエキゾチックな味わいを堪能させてくれるようです。
「音」を直接出さず「ピアノにうつる」として優しいメロディを感じさせるのも巧い。



「枇杷の花」十句選(【人】の中からお気に入りを紹介させて頂きます)敬称略

【人】ひかりになりそこねた枇杷が咲くのです 一阿蘇鷲二
【人】枇杷の花痒いところがずれてゆく     みやこわすれ
【人】枇杷の花ほどの約束守りけり        やまぶき
【人】おさがりの服はやわらか枇杷の花     三重野とりとり
【人】枇杷の花みたいと言われ空蒼し       蒼子
【人】日当たりの良き猫の墓枇杷の花       玉木たまね
【人】無住寺の妖怪やさし枇杷の花       みちる
【人】潮風の通る廃校枇杷の花           くるみだんご
【人】枇杷の花帽子に星空をいれて       村上瑠璃甫
【人】枇杷の花やがて夕陽となりにけり     あー無精


最後になりましたが、掲載の皆さん、おめでとうございます!!
たくさんの学びと刺激、そしてうっとりする時間を頂きました

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コメント

★めぐるさん。枇杷の花の没句祭りを私なりにやってみました。

枇杷の花没句祭り
【没】原発の再稼働守る枇杷の花
【人】原発の股座冥し枇杷の花      津軽わさお
【人】「原発No」褪せた幟や枇杷の花   文月さな女
🐓【人】の句は原発と枇杷の花の関係について
  具体的な情景、物で描写されている。
  【没】句は枇杷の花が再稼働をどのように守るのか不明
   守るという言葉だけではわからない。

【没】枇杷の咲く市民病院北の門
【人】工場のやうな病院枇杷の花     よあけの晩
🐓【人】の句は病院の様子が具体的に表現されているが
  【没】の句は市民病院の市民だけで、病院と枇杷の花の
  関係が不明

【没】赤ひげの毒には毒を枇杷の花
【人】枇杷の花毒と薬は裏表        篠田ピンク
【人】枇杷の花間引いて甘く毒と成す    めしめし
🐓【人】の句は枇杷の花と毒のありかたを具体的に表現しているが
  【没】の句は枇杷の花と毒の在り方が不明で句意がわかりにくい。

【没】少林寺花枇杷の守る修行僧
【人】無住寺の妖怪やさし枇杷の花     みちる
【人】一の寺二の寺寺町枇杷の花      梶 鴻風
【人】枇杷の花寺に尼様いると言ふ     瞳
【人】末寺の名を継ぎにけり枇杷の花    夢見亭笑楽
【人】声明は寺の婚礼枇杷の花       留野ばあば
🐓【人】の句はなにかしら寺と枇杷の花の関係が具体的に
表現されている。【没】句は寺と枇杷の花の関係が見えない。
枇杷の花でなくてもよいように思われる。季語が動く。 

こうしてみると自分の没句の欠点がよくわかるような気がします。
季語と句意の関係が不明確なまま句にしている傾向があるようです。
不即不離を問う以前の問題があるように思いました。
これからの句作ではこの点を注意していきたく。(@_@;)💦💦💦💨

◆比良山さん

こんにちは!
おおっようやく始められましたね!
これを繰り返していると自分の句に足りなかったもの、余分なものが見えてきます。
是非是非今後もお続けください。
私見ですが、比良山さんの句は「枇杷の花がこういうところに咲いている」「枇杷の花が見守っている」と説明しているものが多いように思います。
(「関係が不明確」なのではなくて、「関係を説明しようとしすぎている」)
「枇杷の花」は、季語として風景の傍らにポンと置くだけで機能します。
例えば
枇杷の咲く市民病院北の門
ですと、【人】句のように
(  病院の描写  )枇杷の花
に直せますね。
「北の門」「北門」を使うなら、その状態や色、大きさなど描くことが出来ます。
病院の○○○北門枇杷の花
病院の北門○○○枇杷の花
北門の○○○病院枇杷の花
「枇杷の花」を上五に持ってくると、下五を「クリニック」や「診療所」にすることも考えられます。
そうすると、「北門」に拘らず新たな七音でその建物を描写することも出来ます。
「門」ではなく、「窓」、「入口」、「扉」、屋根」、「壁」などではどうか?と考えることも。
また、「建物」から「人物」へ発想を移すことも出来ますね。
「主治医」「担当医」「当直医」「看護師」「清掃夫」・・・
そうこうするうちに十はおろか二十三十と句が出来ていきます。
そんな中で、自分が一番ピタっとくる、
季語の本意に添い類想を超えたように思える一句と出逢えることがあります。
(全然違う発想でフっと浮かんだりする)
とにかく、まず「型」を意識するだけでグっと変わってくると思いますよ!
お互い頑張りましょうね!!

★めぐるさん。あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いします。m(_ _)m

わあー懇切丁寧なアドバイス有難うございます。\(^o^)/
やっぱり型と語順の検討と言葉の選択など、季語の本意を最大限に
尊重かつ活かすことを念頭に置いた推敲がまだ足りないようですね。(@_@;)
また説明的なところが多いところも注意したいです。
今年も頑張りますのでご教示宜しくお願い致します。m(_ _)m

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