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書籍・雑誌

2017年7月18日 (火)

◆「(新版)20週俳句入門/藤田湘子」第5週

ふひひひひっcatface
買っちゃったー古語辞典買っちゃったーshinehappy02shine
今日、帰宅途中で、いつも寄る古本屋さんで「古語辞典ってないですか?」って聞いたら、
メッチャ探してくれて、なんと1冊だけ!見つかったのです!!
定価1400円とありましたが、値段がつけてありません。
「500円でconfident
と言って頂き、有難く購入して参りました。
Photo_2

ヤッター古語辞典ダーup
・・・あとは国語辞典だな・・・う~~~ん、持ってたハズなのになーーーsweat01

<前回の暗誦句>

頂上や殊に野菊の吹かれ居り   原石鼎
蔓踏んで一山の露動きけり
秋風や模様の違ふ皿ふたつ
短日の梢微塵にくれにけり

「一山の露動きけり」でちょっと躓きました。
「一山露を動かしぬ」とかやっちゃったbleah
なので、2回目でクリアです。
あ~「野菊」の句もいいな~~~shine
原石鼎、いいなあ・・・。


◆俳句の前提=五・七・五

1 五・七・五という型
2 季語の連想力
3 切れ字の効果

この三点が、おたがいにそれぞれの力を発揮し、ほどよくひびき合ったとき、
名句とか秀句といわれる作品が生まれるわけだから、
この三点がどんな役割を果たすのかということを、十分に知って、
頭の中に叩き込んでおく必要がある。


・・・ウムッ!(ゴクリ)。

これから作句を継続していくと、定型ではないさまざまな俳句に直面する。
そうすると定型感がゆらいで、
「ちょっと変わった作り方をしてみようか」と思うことが、きっとある。
二、三年作句し、俳句がすこし分かったような気分になると、
たいていそんな出来心の擒(とりこ)になる。その時分が一番あぶない。


ギャーーーーshockまさしく私のことです!!!
もともと詩をやっていたので、最初のうち破調とか句跨り、自由律に惹かれていました。
今でも、ちょっと目を離すとそっちに行きそうです!!
オノマトペのリフレインによる字余りなんかも好きだもんな~~~。

朗々と声を上げて俳句を読んでいれば、自然に五・七・五の韻律が身に沁みこんでいく。
そうやって、俳句のなんたるものかが、だんだんと感じられてくるわけなのだ。
歯をくいしばっても五・七・五を外さぬ、というくらいの、断乎とした決意を求めておきたい。


うああああああああcrying
なるべく、なるべく、頑張ります・・・!

1 長音(アー、ヨー、など)のーの部分は一音に数える。
2 拗音(ちょ、しゃ、など)は二字併せて一音に数える。
3 促音(小さく書く、っ、ッ)は一音に数える。


たとえば、「十中八九」だと七音。「チューリップ」は五音。
よく中八をやらかしてしまう私ですので、ちょっとマジで、ちゃんと数えようと思います。

「字余り」・・・初心者の推敲不足の字余りとは、まったくワケがちがう。
「字足らず」・・・相当な俳人がやっても成功する例は少ない。
「句跨り」・・・定型感覚を基本に置くという原則を守ればおのずから自得できる。
「破調」・・・自分の内部のおもいが無意識にあふれ出て言葉になる。
「自由律」・・・韻律を最初から無視している。俳句ではない。


わああ、自由律は湘子先生には認められていなかったcoldsweats02
「破調」と「自由律」の境目がよく分かりませんが、
今はとにかく「定型」をキッチリ身につけることだけを考えようと思います。

<今週の暗誦句>

雪解川名山けづる響かな  前田普羅
うしろより初雪ふれり夜の町
奥白根かの世の雪をかゞやかす
駒ヶ嶽凍てて巌を落としけり


一句目、こんな私でも知っているくらいの名句ですねshine
二句目、読んだことあるshine好きな句shine
三句目、読んだことある・・・かも?
四句目、初めて読んだ、多分。
季節の流れとしては、一句目が最後に来る方が自然だけど・・・
なんか、「知ってる順」という感じで、これはこれでいいかもcoldsweats01
「雪解川」の清冽な迸りに耳を澄ませながら、
厳しかった冬が終わるのを実感していく・・・という感じですね。
初雪が降ったときのこと・・・
奥白根の雪のかがやき・・・
凍てついた駒ヶ嶽・・・
そして一句目に還る。美しい流れですね!!

◆「(新版)20週俳句入門/藤田湘子」第4週

<前回の暗誦句>

かりそめに燈籠おくや草の中   飯田蛇笏
鈴おとのかすかにひびく日傘かな
をりとりてはらりとおもきすすきかな
秋たつや川瀬にまじる風の音


ムムっ、意外に難しかった!
まず、しょっぱな一句目の「かりそめに」が出てこなかった、
「鈴おと」を「鈴の音(ね)」と間違えた、「川瀬にまじる」を「川瀬をわたる」と間違えたsweat01
「秋たつや」も、一回漢字で「秋立つや」と書いてしまったので、
お嬢さまの名前を「秋」、庭師の名前を「たつや」ということにして覚えました。
なので、この四句は、二回目のチャレンジでクリア!
よく考えたら、季節が「夏」「夏」「秋」「秋」なんだけど、
燈籠は、ストーリー上は庭に置く石灯籠のイメージで、
(なので、これだけあまり「かそけき音」ではなくなってしまったsweat01
そして秋晴れの一日に日傘を差すこともあるだろうと思えば、
特に、日焼を嫌う良家のお嬢さまであれば、現実の景として不自然ではないですよね。
秋サンたつやサン、幸せになっておくれよgood
(蛇笏先生、ごめんなさいーーー!)

◆表記と雅号

表記法については、個人個人の自由な選択に任せてある。
と言うといささか無責任のようだけれど、自由選択といえども、おのずからキメはある。

1 文語表現、口語表現のどちらを使ってもさしつかえない。
  ひとりの作者が、あるときは文語表現の俳句を作り、
  あるときは口語表現の俳句を作る、ということがあっても構わない。
  また、たまたま一句の中に、文語と口語が雑じり合っていた場合でも、
  それが表現上「どうしてもそうあらねばならぬ」ように作られているならば、
  それでもさしつかえない。

2 歴史的仮名づかいと新仮名づかいはどちらか一方にハッキリ決めておく。
  ある句は歴史的仮名づかいで書き、別の句は新仮名づかいで書くという混用はダメ。
  まして、一句の中に両方の仮名づかいが雑ざるなんてことは、「もってのほか」である。

3 したがって、歴史的仮名づかいで表記するときめたならば、
  口語表現の俳句でもそうしなければならない。
  同様に、新仮名づかいと決めた作者は、文語表現でもそれで押し通さなければならない。



ちなみに、今借りている「女性俳人この一句」という本が、
「読みやすさの観点」を重視し、歴史的仮名遣いの句を新仮名で表記しているので、
少し例を引っ張ってきます。(原句の表記も並列してあります)

(新)蜻蛉釣きょうはどこまで行ったやら   加賀千代女
(歴)蜻蛉釣けふは何処まで行つたやら
(新)ひるがおに電流かよいいはせぬか  三橋鷹女
(歴)ひるがほに電流かよひゐはせぬか
(新)藤の昼膝やわらかく人に逢う      桂信子
(歴)藤の昼膝やはらかく人に逢ふ

うーん、やっぱり歴史的仮名遣いの何とも言えない情緒が好き!
文語表現も難しいけど、やっぱり何とも言えない情緒があるので、
頑張って挑戦していこうと思います!!!

それから、もうひとつ。
俳句はタテ書きにするものだ、と前々週に書いたけれど、
上から下まで、あいだをあけずに書くのだということも、知っておいてもらいたい。


『俳句ポスト』を見ていると、TVの影響なのか区切りに空白を入れる人が後を絶ちません。
いっそのこと、投句フォームの一番上に注意書きを載せれば・・・と、
お便りを出したこともありましたが、「それも学び」というお返事でした。
なんとも懐の深い、決して最短距離をいこうとしない姿勢に心打たれました。

先生の名前は水原秋櫻子。
本名は豊で秋桜はコスモスの別名。
生前、先生にお尋ねしたら、「いや、若気の至りでね・・・」というお返事。


いやーん、何があったというの!知りたい知りたいhappy02
ここまでの「20週俳句入門」で、最も萌え萌えだったのがこの部分です。
藤田湘子の「湘子」は、「湘南地方」とのことで、
いまだに単語登録もせず「湘南」から「南」を消して「子」をつけている私には、
チョット嬉しい命名秘話でしたheart04いや、でも、そろそろ単語登録します・・・ハイsweat01

「秋櫻子忌」の時、ちょっと書きましたが、俳人の方って、本当に素敵な名前が多くて、
俳号がなるほど句柄に合ってる!!と感心することもしばしば。
水原秋櫻子(美しい!)、高野素十(簡素)、星野麥丘人(私の好きなものばっかり!)、
波多野爽波(どんだけ波立てるねん!←フォーマット力が凄い)、
高屋窓秋(風が吹き渡るようだ!)などなど、枚挙にいとまがありません。

ちなみに私の「小川めぐる」は、「100年俳句計画」に載せて頂いた時にも書きましたが、
「小川」は私の生まれた部落の名前。
「めぐる」は、本名が「るみ」なので、そこから「る」のつく名前にしたくて、
「巡る」と「目ぇぐるぐる(@▽@;」をかけて「めぐる」にしました。
一見、水の循環を思わせる名前かと思いますが、
内実は常に目を回してテンパっている、まさに「私自身」の名前だと自負しております。
皆さん、小川めぐる、小川めぐるをよろしくお願い致します!


<今週の暗誦句>

頂上や殊に野菊の吹かれ居り    原石鼎
蔓踏んで一山の露動きけり
秋風や模様のちがふ皿二つ
短日の梢微塵にくれにけり


わ~~~原石鼎だ!!!
「秋風や」の、山本健吉の「定本現代俳句」で読んだ名鑑賞が忘れられません。
「この句には飽きたことがない」という清水哲夫の一文にも激しく頷きます。
繊細で、ひょうひょうと吹き渡る少し冷たい風を感じる寂しい句・・・。
まず「頂上」から「一山」を見下ろす。
頂上と言っても、野菊が咲いているような高さだから、さほど高くないのです。
そんなささやかな山だからこそ、蔓を踏んだだけで「一山」動くのです。
この「一山の露」は、まるで芭蕉の「古池や」のようで、
ほんの小さな出来事で心が大きく波打っているようにも思えます。
そして「山荘」から「梢」を見やる。
模様の違う皿から伝わるやるせなさから梢に目を向けると、もうすっかり暮れています。
目を楽しませてくれるはずの木々さえ、綺麗にかき消されてしまった。
「皿」が「微塵」に砕けたかのようで、さらにやるせなくなります。

BGMは「ロンリー仮面ライダー」・・・とかゆうてる場合じゃないかsweat01

2017年7月16日 (日)

◆「(新版)20週俳句入門/藤田湘子」第3週

<前回の暗誦句>

春寒やぶつかり歩く盲犬   村上鬼城
残雪やごうごうと吹く松の風
冬蜂の死にどころなく歩きけり
けふの月馬も夜道を好みけり


・・・ばっ!(確認)
合ってたーーーヨッシャアー!!!
「冬蜂の」を最初「や」と間違えやすかったんですけど、
「や」「や」「の~けり「の~けり」のリズムで覚えられました!!
「春寒」も、「はるさむ」だといちいち変換しないといけないのに、
「しゅんかん」だとちゃんと変換の候補の中に入っているのでむしろ出しやすかった!
人間、楽な方に流れると言いますが、間違いなく「しゅんかん」で頭と手に入りました!
さ~、国語辞典は見つからなかったけど、
いずれ手に入れるということで勘弁願って、次に進みます!!!
全国の真摯に取り組んでいる皆さん、ごめんなさい!めぐるはズルイ子ですcrying

◆『歳時記』と親しむ

「磨きあげられた」季語、どうしても外してはならぬ季語は、
いずれの歳時記にもちゃんとはいっている。
大切な季語の脱落している『歳時記』はまずありえない。安心していい。


『俳句ポスト』に出る難しい兼題も、殆ど手持ちの歳時記に載っています。
細かい「傍題」ともなるとさすがにアレですが・・・。
どなたかの句を見て初めて「そんな季語があるんですね・・・!」と知ったり、
自分の身近なものを見て「これも兼題なの?」と調べたり、
この頃は何かにつけ歳時記をパラパラめくることが増えました。

『歳時記』が美しい詩語の宝庫であることはまちがいない。

水原秋櫻子の鑑賞文を引用して、ひとつの季語から膨らむイメージの豊さが書かれています。
秀れた作品を秀れた俳人が読めば、連想の翼はいくらでも広がる、と・・・。

季語の果たしている一句の据わりのよろしさということは、
いみじくも季語の持つ役割のすべてを言い表している。

1 季節感
2 連想力
3 安定感

季語にはこうした大きな力がある。
それだから、わずか十七音という短い形式でも、毅然として立っているのだ。

「最初に買った歳時記は、早くボロボロにしてしまえ」

きょうから、どこへ行くにも『歳時記』を離さぬことを心がけよう。


はいっshinebearingshine
出勤する時も遊びに行く時も、鞄に入れて行くようにします!!!

<今週の暗誦句>

かりそめに燈籠おくや草の中   飯田蛇笏
鈴おとのかすかにひびく日傘かな
をりとりてはらりとおもきすすきかな
秋立つや川瀬にまじる風の音



マイラブ飯田蛇笏キターheart04
四句とも、「かそけき音」を感じさせる句ばかりですね。
何か、ひとつの庭の中での光景、という気もしてきます。
「お嬢さん、このへんでいいですかね?」
草の中に燈籠を設える庭師(?)の男。
「ええ、いいわ」
お嬢さまは短く言った。
くるり、と日傘を回しながら燈籠に近づく。
ちりりん。
お嬢さまの声のように涼やかな鈴の音が響いた。
鈴は、日傘につけているのだろうか、それともお嬢様の身につけている何かに?
あ・・・豊かな黒髪を結わえるリボンに小さな金色の鈴が・・・。
お嬢さまは、そのまま所在なさげに、傍らのすすきをくきくきと手折ろうとしている。
すすきは意外に丈夫なのだ、お嬢様が手を傷めてはいけない。
「ああ、お嬢さん。ぼくが」
左手で押さえ、右手で捩じ切るようにしてすすきを折った。
「すすきが欲しかったんですか」
何百年生きた妖狐なら、これほどの尾を持てるのだろうか。
見事なすすきを手渡すと、お嬢さまは言った。
「いいえ。・・・すすきが欲しかった訳ではないの」
お嬢さまは、すすきを重たいもののように両手で支えている。
「あと少し、ここに居たいと思って」
・・・そんな感じで二人は川のせせらぎやら風の音なんかを聴いていたんだろうよチクショー!
と思って覚えましたgood

2017年7月15日 (土)

◆「(新版)20週俳句入門/藤田湘子」第2週

<前回の暗誦句>

遠山に日の当たりたる枯野かな    高浜虚子
桐一葉日当たりながら落ちにけり
一つ根に離れ浮く葉や春の水
鎌倉を驚かしたる余寒あり


・・・本を開ける。ヨシッ、大丈夫だ!第2週に進みますhappy02

◆作句の必需品(これだけは揃えよう)

・歳時記
・俳句手帳
・国語辞典、およびその他の辞典類


私が持っているのは、本にもある「中型」の「俳句小歳時記(大泉書店)」と、
「読んでわかる俳句 日本の歳時記(小学館)」シリーズです。
「小歳時記」は水原秋櫻子編、表紙が柔らかめで非常にめくりやすいshine
いつき先生の兼題は特殊なものも多いので、「日本の歳時記」を愛用しています。

「歳時記にはそれぞれ一長一短があって、
じつはどれが最良最高と断定できないところがあるから、
十年くらいの経験者は、たいてい数種類の「歳時記」を座右においているのがふつうだ。


そういえば・・・別な歳時記を見るとそれも欲しくなっちゃうcoldsweats01

文庫本ながら山本健吉の「基本季語五〇〇選」はひじょうに広範な知識の得られる一冊。
座右においてすこしずつ味わってみることをおすすめする。


ほーら、そんなふうに言われるともう欲しくなっちゃうよcoldsweats01

俳句はタテ書きにして味わったとき、ほんとうのよろしさが分かってくる。
どうか読者のみなさんも、はじめからタテ書きにすることをきっちり守って下さい。
そのさい製作年月も一緒にしるしておくとよい。
「あのときはいいと思った俳句だが、なんと幼稚だったことか」と必ず思うだろう。
進歩したこを確認でき、ささやかな「自分史」を見いだすことが出来る。
自分の作品をクールな眼で見ることが、いい俳句を作るための大切な要素。


告白しますと、俳句を始めた当初(ブログ開設前)の私は、妙に句跨りが好きでした。
なんかカッコいいなと思って・・・字余りとか・・・破調とか・・・ハイcoldsweats01
今見ると「ぎゃーっ」です。
定型の美しさを思い知る今日この頃・・・ガンバリマス!!!

頭の体操と思えば、辞書をひくこともまた楽し。
「まあいいだろう」などとタカをくくったら、あなたはすでに「俳句を作る」資格はない。


今はネットですぐに調べられる利点はあるんですけど、
いろんな記事がありすぎるし、横道にそれて単なるネットサーフィンになりがちなので、
やはり辞書がいいなと思うことしばしば。
我が家には、何故か旺文社の漢和辞典はあるのに国語辞典がないことに気づきました。
「幻獣事典」とか「幻想世界ネーミング辞典」とか買ってる場合じゃなかったcoldsweats01

<今週の暗誦句>

春寒やぶつかり歩く盲犬    村上鬼城
残雪やごうごうと吹く松の風
冬蜂の死にどころなく歩きけり
けふの月馬も夜道を好みけり



「冬蜂」の句は有名ですね!『俳句ポスト』兼題「蜂」の時も例句で見ました。
「春寒」「残雪」「冬蜂」、寒い句が続くせいか、「けふの月」もみょうに青白く感じられます。
『一句一遊』兼題「夏の霜」のイメージもあるでしょうか。
壮絶な句ばかり並んでいるので、最後の「夜道を好む馬」が、何かの役目を担っているかのよう。
報われない魂を救済して、夜道を歩いて月まで行くんだろうか・・・。
そんなふうに、四句からドラマを構築することで、頭に入れたいと思います。
「ぶつかり歩き・・・ごうごうと吹き・・・死にどころなく歩き・・・夜道を好む」
パトラッシュ、ぼくもう疲れたよ・・・なんだかとっても眠たいんだ・・・。
ああっ、覚えられた気がする!!

2017年7月14日 (金)

◆「(新版)20週俳句入門/藤田湘子」第1週

注文から数日、ついに我が家にも「20週俳句入門」が届きました!!!
じっくり読んで湘子の教えを少しでもしっかりと理解したく、
第1週からゆっくり記事に書いていこうと思います。

どうせやるなら、それなりに身を入れてやろう、と決意しようじゃないか。

◆第1週「自分のために」

「自分のために」俳句を始めたはずなのに、何年か俳句を作り続けていると、
いつの間にか「自分のために」ということを忘れてしまう人が多いそうです。
入選したいがために、選者の好むような素材や表現をしようとする邪念が働いて、
「自分の俳句」でなくなってくる、というのです。

これには、私も思い当たることがありました。
『俳句ポスト』に参加して、兼題は初めて見る季語ばかりで、
そこには、自分が重ねられる実体験なども皆無で、
常に私は「傾向と対策」で作句してきたといってもいいのです。
上位入選句によく見られる発想のキーワードをピックアップしたりして。
そして「傾向と対策」で確実に【人】率は上がりました。
そうなると我儘なもので、そんなパズル的に作る句に魅力を感じなくなってきました。
もっと、季語の現場に、今ちゃんと自分がいるような句を書きたくなったんです。
不思議なことに・・・と言っていいのか、選者ならば当然なのか分かりませんが、
夏井先生はいつも私の考え方にエールを送って下さるような選句をなさいます。
素直に詠めばいいんだよ。
ちゃんと語順を工夫出来たね。
取り合わせのコツが掴めてきたんじゃない?
数詞も使えてるね、いいよいいよ。
もしかして今苦しんでる?
大丈夫、趣味がオリジナリティに繋がってるよ。
素のまま、素のままでいいんだよ・・・。
夏井先生に選んでもらった句を見ると、そんなメッセージが溢れてくるんです。
これは大変に得難く幸せなことなんだと、心の底から思っています。
私は「どこまでも自分を出すこと」の大切さを繰り返し教わってきたと思います。

「自分のために」
「自分の俳句を作る」
ということを、心に刻みこんでおいてもらいたい。


・・・はいっ!shineconfidentshine


◆今週の暗誦句(五音・七音・五音を軽く区切って、朗々と声を上げて読む)

遠山に日の当たりたる枯野かな    高浜虚子
桐一葉日当たりながら落ちにけり
一つ根に離れ浮く葉や春の水
鎌倉を驚かしたる余寒あり

おおっ、これは楽勝だ!(ほっ)
「枯野かな」は超有名な名句、「桐一葉」も名句ですし、
「枯野」からの「日当たる繋がり」でスっと出てきますね。
それから「一つ」「葉」繋がりで「春の水」。
「一つ根に離れ浮く葉や春の水」。これ、読んだことある!
俳句の作りよう/高浜虚子」に出て来た句だ!!
水草を詠んだ句だった、うん、覚えた!shine
最後は、「キャバクラを驚かしたる股間あり(杉山久子)」の原句としても有名な「余寒」で締めくくり。
あー凄い、この四句の並び、覚えやすいようになってる!最高!!shinehappy02shine

2017年5月22日 (月)

◆「俳句がうまくなる100の発想法/ひらのこぼ」(2)

第1章の続き(後半)です。

13.別れを詠む
センチメンタルな気分を前面に出すと読者がしらけます。
さりげないしぐさで、あるいは、自分より相手に力点を置くといった詠み方も。
例句:それぞれにマフラー巻いて別れけり    小林篤子
    寒い日だったと詠んでも句になりません。
    マフラーを持ってくることで実景になります。
flair口元まで「マフラー」に包み、胸の内を閉じ込めているように感じられました。
  背中を向けて、だんだんと離れていく二人の距離が切ないweep
自句:「元気で」と結ぶ手紙や青嵐(『象さん句会』2016年3rdシーズン)

14.人物描写
身近な人、出逢った人を詠む。少し意地悪な目で観察することが必要。
例句:じんとくる手紙をくれたろくでなし      時実新子
    こんな男、います。「ろくでなし」で決まりました。
flair「あ~!」と、読者が鮮やかに「その人」を思い浮かべられるような、端的な一言。
  思わずニヤリ・・・とさせるには、確かに「少し意地悪な目」が楽しいかも!
自句:はつ夏のブルース・リーより強きひと(『象さん句会』2016年3rdシーズン)

15.視線を再現
これは応用範囲が広い。なにを見るか、どちらを見るか、どんな状況で見るか。
ドラマを組み立てるようにして作るといいかも知れません。
例句:へのへのと横目で睨む案山子かな    和田誠
    案山子の目の動きが愉快です。
    皮肉たっぷりに世の中を眺め渡す案山子です。
flairあっ、なるほどです!「へのへのもへじ」で描かれた顔なら、絶対横目ですもんね!
  「へのへの」という言葉の可笑しみから、雀は怖がってないかもともcoldsweats01
自句:ビー玉を眺むるのみの長夜かな(『湯豆腐句会』2015年11月句会投句)

16.ドラマを仕立てる
映画の一場面のような句のこと。「で、どうなるのか」と興味を持たせて、
あとは読者にドラマを展開してもらう、結末まで言ってしまったら、読者は興ざめです。
例句:雪はげし抱かれて息のつまりしこと     橋本多佳子
    いかにも映画のワンシーン。上五がト書きになっているような感じです。
flairドラマチックなシーンを読む。「えっ」「おやおや?」「あら・・・」「それは・・・」
  読者の心に何らかのショックを与えるような句を書いてみたい。
自句:鵙の贄乾く三十八度線(ブログ掲示板の書き込みより)

17.緊張の一瞬
緊張の一瞬、追いつめられた状況がテーマです。
せっぱつまった状況でも冷静に別人の目で。いわば他人事のように詠みます。
例句:噴水の止んで気まづくなりにけり     若林薫
    二人で話が弾んでいたのに、会話も途切れてしまった。
    「こういうことってあるよなあ」と共感を呼びます。
flair「こういうことってある」からこそ、読者が自分なりの続きを描き始める。
  これも、自分で結論を出さないで「その瞬間!」を切り取ることが大事ですね。
自句:蜂球を朝から二つ見たるとは(『俳句ポスト』兼題「蜂」【地】)

18.ひらがなを詠む
そのやわらかい線のカタチがなにに見えるのか。
あるいは逆に、なにかのカタチがひらがなに似ていないか。
例句:ぜんまいののの字ばかりの寂光土    川端茅舎
    「の」の字のカタチをした、ぜんまいの尖端です。
flair自分が気づくようなことは、すでに先人が句にしているようで途方に暮れますが・・・
  「これ○の字みたいね」と発見する喜び、まだまだあると思いたい!
自句:いかなごのくの字への字に煮られけり(『NHK俳句』兼題「鰤」没句から推敲)

19.漢字を詠む
漢字を句にするときのポイントは三つ。自分を配した状況設定、季節感の出し方、
自分の実感。でないと理屈が先行してしまい、つまらない句になります。
例句:啓蟄に引く虫偏の字のゐるはゐるは   上田五千石
    漢和辞典に並んだ虫偏。紙の上で、さまざまな虫としてうごめいているようです。
flairうっcoldsweats01虫偏の漢字が、うじょうじょと蠢いて見えるようだ・・・アアアwobblysweat01
  「ゐるはゐるは」で、もうページから手を離したいくらいの気持ちですねsweat01
自句:寒風も善き哉あなたとおぜんざい(2016年1月20日ブログタイトルより)

20.地名を盛り込む
地名を詠み込むのも一手。その土地ならでは、と思わせなくてはなりません。
どんな地名に差し替えてもよさそうなら失敗です。
例句:新宿ははるかなる墓碑鳥渡る     福永耕二
    すぐ新宿の高層ビルが目に浮かびます。で、さらに遠い空を鳥。
    鳥の目にはビル群が墓碑のように映っています。
flair一読、心を鷲掴みにされた一句。文明の儚さなのか、人々の愚かさなのか。
  知らん顔で渡っていく鳥たち、もとより都会には立ち寄らない群れなのだから。
自句:蘆刈や星の満ちたる登呂遺跡(『俳句ポスト』兼題「蘆刈」【人】)

21.企業名・商標を盛り込む
固有名詞は、知っている人にしか分からない。
だからダメ、という人もいますが、一般名詞では伝わらないことが伝わることもあります。
例句:ワタナベのジュースの素です雲の峰   三宅やよい
    水で溶いて飲む粉末ジュースです。日本中が貧しかった時代へのノスタルジー。
flairその固有名詞が、記憶の扉をパっと開けて、より鮮やかな映像を結びます。
  夏休みともなれば、いつでも自分で作って飲めるコレが楽しみでしたshine
自句:名画座に「昼顔」観ていたる薄暑(『俳句ポスト』兼題「薄暑」【地】)

22.人名を盛り込む
人名をテコにして詩情をどう作り上げるか。読者と知識を分かち合えるかどうかを計算に。
世代差を埋めるのは難しいと割り切ることも必要かも。
例句:ポスターに裕次郎ゐる氷店      清崎敏郎
    懐かしの映画のポスターが貼ってある氷屋さん。
    白地に氷と赤く染められた氷旗や、店のたたずまいが見えてきます。
flairこの裕次郎、間違いなく「太陽の季節」でしょう。
  ちなみに自句の「ジミー・ペイジ」は「天国への階段」のイメージです。
自句:銀漢やジミー・ペイジのアルペジオ(『湯豆腐句会』2015年11月句会投句)

23.歴史を題材に
歴史を題材にすると、日常で詠む句とはちがった味わいのある句ができます。
映画のワンシーンを彷彿させるかのように表現することです。
例句:天平のをとめぞ立てる雛かな     水原秋櫻子
    目の前にあるモノや景色をきっかけにその時代へタイムスリップするのも、
    歴史を詠む時の重要な仕掛けのひとつ。
flair天平といえば!重要な建築物や仏像、あの「阿修羅像」なども作られた時代。
  そんな時代に作られた雛人形なのでしょうか。時を経てなお艶やかな姿が浮かびます。
自句:

24.宇宙を題材に
星空を眺めながら一句。授業で聞いた話などを思い出してみるのもいいでしょう。
はるか彼方から神の目でとりあえず地球を眺めてみる。
例句:水の地球すこしはなれて春の月    正木ゆう子
    宇宙的に眺めている図が浮かびますが、これは作者の目線。
    二つの視線が交錯しておもしろい句になりました。
flair正木ゆう子さんの句、大好きです。友人shadowからのプレゼント、大切に読んでいます。
  「水」や「馬」、同じものに惹かれるのは、熊本県生まれだからなのでしょうか。
自句:葡萄摘み双眼鏡で観る昴(『NHK俳句』兼題「葡萄」【佳】)

25.ともかく歩いてみる
歩くという行為は応用範囲が広い。心理描写を兼ねて状況説明ができます。
成功するかどうかはやはり季節感のからめ方でしょうか。
例句:紅葉狩とはひたすらに歩くこと    黛まどか
    なるほどの一句。自分に言い聞かせながら歩いている作者も浮かんできます。
flair普段、あまり歩かないので・・・もっと歩いてみなくっちゃです。
自句:畑までの三千十歩冬雲雀(『現俳協ネット句会』2016年11月句会投句)

2017年5月17日 (水)

◆「俳句がうまくなる100の発想法/ひらのこぼ」(1)

うっうっうcrying
一回、書き上げてUPしようとしたらエラーで消えちゃいましたcrying
怖いので、小出しにしていきますcrying
まず、第1章の前半からです。
例句は本書ではいっぱい紹介してありますが、ここでは一句だけ取り上げます。
興味を持たれた方は是非!本書で他の例もご確認下さいshine

◆第1章「材料を見つける」イキのいい素材を選ぶ、目利きになりましょう!

1.裏返してみる
オモテは見尽されているので、むしろ裏が狙い目。
実際に、なにかの裏にまわってみるのもいいですね
例句:千代紙の裏のしらじら冬永し    鈴木鷹夫
    千代紙の表と裏の落差を改めて読者に感じさせます。
flair「しらじら」が裏の様子と、「冬永し」両方に働いて、物寂しい心境を感じさせます。
 表と裏に落差のある素材ほど、「寂しさ」が立ち上がりますね。
自句:

2.見えない裏を詠む
裏に回って、なにかを見つける発想とはすこしちがって、
見えない裏を詠むというテもあります。
例句:満月の裏はくらやみ魂祭      三橋敏夫 *「魂祭」=たままつり
    たしかに満月の裏側は真っ暗のはず。この対比は鮮やかです。
flair普段意識していなかったけど、確かにそうだ!と思う納得のモノ。
 よく知らないけど、きっとそうに違いないと思わせる説得力のあるモノを見つけたい。
自句:月愛づる裏の痘痕の多さまで(『愚陀佛庵』2016年7月句会特選)

3.しぐさをとらえる
人のしぐさを観察。できるだけ具体的にこまやかに。
例句:てのひらをすべらせたたむ花衣   西宮舞
    質感が伝わります。「すべらせ」がポイント。
flairふとした時の何気ない仕草を言い留める。
 見過ごされがちなだけに、まだ詠まれていないしぐさが、まだまだ埋もれていそうです。
自句:野茨の咲く道までの手ぶらかな(『現俳協ネット句会』2016年5月句会投句)

4.無意識な動きを詠む
気がついたら、こんなことをしていた、なにか知らないうちに癖になっていた。
そんな動作やしぐさがあったら、儲けものです。
例句:クリスマスカード消印までも読む  後藤夜半
    「妙な性分だなあ」という感慨です。運ばれてきた距離なども感じさせます。
flair今日届くように出してくれたんだなあという気持ちが消印まで読ませるのでしょう。
 地域によって、2日かかるとか3日かかるとかありますものね。愛を感じますねheart04
自句:冬晴れや肩幅ほどに開く足(『現俳協ネット句会』2017年1月句会投句)

5.器の中を詠む
いろいろな器の内部を詠む。
絵として読者が脳裏に浮かべられるように詠むこと。これがコツです。
例句:砂糖壺の中に小さき春の山     金子敦
    壺の中の砂糖が、小さな山。春の気分にあふれています。
flair使っていくと山が崩れますから、補充したてですねshine
 ちょっとした安心感、達成感、充足感が、「小さき春の山」ですねshine
自句:文箱には千代紙数多春の星(『象さん句会』2017年1stシーズン)

6.調理のひとこまを詠む
ここでは調理のシーンで考えてみましょう。
どんな瞬間を切り取るかで成否が決まります。
例句:蕪煮るや古りに古りたる落し蓋    草間時彦
    小道具をうまく生かすのもコツ。
flair「古りに古りたる」で、長年同じように作ってきた熟練の味を感じさせますね。
 この蕪、間違いなく旨い!
自句:春牛蒡ことさら薄く削ぎてをり(『湯豆腐句会』2016年3月句会投句)

7.他人の表情を詠む
人の表情も句の材料になります。
季節感、季語をどう取り合わせるかが腕の見せどころです。
例句:春灯やをとこが困るときの眉    辻美奈子
    どんな表情かは言わず、読者に想像してもらおうという作り方。
flair「春灯」ですから・・・困ってるって言ったってぢつは困ってなさそうですよねcoldsweats02impact
 チクショウ、イチャイチャしてる様子しか浮かんでこねエ、クソックソッ。
自句:

8.自分の顔を詠む
ものを食べたり、本を読んでいたりしている自分を他人の目で観察する。
これだといくつか変化をつけることができます。
例句:人目には涼しさうにも見られつつ  星野立子
    「~と見られているけど実は~」というパターンです。
この型はほかにも応用が利きます。
自句:

9.動物の顔を詠む
ペットの犬や猫の表情がいちばんてっとりばやいですが、
象から蝿まで対象を広げてみましょう。
例句:蓑虫にうすうす目鼻ありにけり      波多野爽波
    蓑虫は蛾の幼虫。「うすうす」が眼目の句。
flairうっ。ううう、確かに・・・斑点だかいぼいぼだか目鼻だか分からないのが・・・
 「うすうす」なるほどです。もう、そうとしか言えない気持ちになってきます。
自句:みゅるみゅると目玉動きて蝿生る(『一句一遊』兼題「蝿生る」水曜日)

10.相手の台詞で一句
誰かが口にしたこと、それをそのまま句にしてしまう。
映画のワンショットのような感じで詠んで下さい。
例句:春の山たたいてここへ坐れよと  石田郷子
    臨場感あり。まるでそこにいるようです。
flair季語から、おおらかであたたかな笑顔まで見えるようです。
 言われて嬉しい気持ちも伝わってきますよねheart04
自句:騒ぐ子は菜の花畑に捨てますよ(『俳句ポスト』兼題「菜の花【人】)

11.自分の台詞で一句
状況がよくわかるような台詞にする必要があります。
言い放ったというような台詞がいいかも知れません。
例句:夕桜あやうくハイと言いそうに   池田澄子
    ぼんやりしていて、あるいは夕桜の妖しい雰囲気のなかで思わず・・・。
flair「夕桜」の、魂をもっていきそうな美しさが描き出されていることに気づきます。
 季語は、何でもいい訳ではないということが良く分かりますね。
自句:すかんぽや言うてくれるな「ワカル」など(『象さん句会』2017年2ndシーズン)

12.二人を詠む
「二人」とは人間関係の基本。 どういう組み合わせか、そこでなにが起こるのか、
だとしたら、どういうシーンを設定したらいいか。
例句:別姓の二人の卓のラ・フランス   内田美紗
    ラ・フランスもなんだかぎこちない感じに見えてきます。
flair「外見はゴツゴツして見えますが、中身はしっとりとなめらかで、柔らかく甘いのです。
 同卓の二人の関係性も・・・なんちゅーか、大人なんだろうなlovely
自句:銀婚を過ぎし二人や花野風(『象さん句会』2016年5thシーズン)


ふ~、まずはここまで!
ゆっくりUPしていきますねhappy01

2017年5月 7日 (日)

◆「俳句に大事な五つのこと/上田五千石」

◆第一章「俳句こそ青春」

まず、序盤の「俳句との出会い」から圧倒的に胸に迫って来る。
神経症に苦しんでいた著者が、気分転換にと母に勧められて参加した、
秋元不死男の俳句会における、俳人秋元不死男との出会い―――。
その夜をもって神経症は消え去り、今度は俳句の虜になってしまったと、
師を「俳句の先生というより、私のいのちの恩人であり、人生の教師」と慕い続けるのです。
当時の句として紹介されている
ゆびさして寒星ひとつずつ生かす     上田五千石
は、私自身が初めて友人shadowから教えてもらった時、
雷のような鋭さをもって心に刻印された一句でもあります。
無数に散らばる星は、ただそこにあるだけでは人にとって単なる背景でしかない。
ひとつずつ指さされることによって初めて「一個の星」として存在をあきらかにする。
この星にも、あの星にも、「一個」の存在があるのだと、
ひとつひとつ確かめたくなるほどの孤独を抱えていたのか。
そうやって星をゆびさすことで、自分自身の存在をも確認していたのか。
この行為は、季節が「寒」であればこそなのだと、圧倒的な説得力が感じられるとともに、
無であった場所の、今指さしたところに忽然と星が生まれ瞬き始めたかのような、
魔法のような瞬間を味わったのです。
15年後の後、第一句集の巻頭を飾ったこの一句は、
ある意味上田五千石のすべてを物語っているのかも知れません。

「俳句の青春」の項では、「詩」について繰り返し書かれています。
・俳句は、「もの」に執着する詩(秋元不死男)
・「俳句にはネ、何と言ってもテーマというものがなくちゃ駄目なんだよ、君。
 (中略)それはネ(中略)やっぱり、愛と死とでも言っておこうか(秋元不死男)」
・「俳句にはネ、センチメント(感傷)が大事だよ、これがない俳句なんて・・・(秋元不死男)」
・「俳句は心に灯がともっていなければならない(高屋窓秋)」


「眼前直視」の項では、
・このハッとするということが詩の感動
・そういう、ハッとさせた(中略)「もの」の在り様を写せば、詩が成就する
・リラックスなくして直感(閃き)なし(生物学者今西錦司氏の言葉より)


◆第二章「俳句を生きる」
この章では、数々の秀句の鑑賞を通して、感動(詩)の在処が説明されています。
何が作者を「ハッとさせ」その句を書かしめたのか。
ありふれた日常、何気なく読む一文、方角、詩はいたるところに息づいているのです。
・感動とは「いま」「ここ」に「われ」をゆさぶり、生きて在ることを確認させるもの
著者の、言葉を読み取る感受性の豊かさに、うっとりと読む進む章でもあります。

◆第三章「感動の整理」
第二章からの流れで、今度は俳句という短い詩形の中で、
いかに選び抜かれた言葉たちが並び、新しい世界を開示しているかが書かれています。
この章で紹介される、まさに名吟の数々に圧倒されるとともに、
・「不安定」なところは微塵もなく、鑑賞者の気持ちや「情念によろめ」くことのない「美」が
 「宿るべき確固たる場所を見つけて」「安心して住みつ」いているような作

ああ、私もそんな句か書けたら。書けたら~~~cryingと悶絶する私でした・・・。
・詩(ポエジー)というものは、「二つの相反するものの調和」「不調和の調和」において
 成り立っている(西脇順三郎)
・「取り合せ」た二つの物の間の微妙な、しかし確かな、しかも豊かな気分の交流
・「一物の上に成り立つと言っても、一物の中に屈折があって」(山口誓子)

・「一物」仕立ての句でありますが(中略)「二つの相反するもの」が、
 「一つ」に「調和」して存在している

それであればこそ、「ハッ」とするものが読者に伝わり、感動(詩)を感じさせるのですね。

◆第四章「いま」「ここ」に「われ」を置く―――推敲のすすめ
この章では、原句から最終形に至る道筋が書かれています。
まず原句が置かれているので、自分なりに問題点を考え、
どう推敲するか予測しながら読み進むのですが・・・ああ、なんともはやcoldsweats01
読んで初めて「あ~なるほど!」と思うばかり。
嗚呼、私ももっと頑張らないと―――crying
一、一句の意味が別な意味にとられる心配はないか
一、中心がはっきり掴めているか
一、用語叙法に誤りはないか
一、もっと美しい正確なことばや調べはないか
一、他に類句はないか

自分一人では、思い込みなどもあってなかなか難しいところですので、
現在「プチ句会」を企画し、皆さまのお力をお借りしております―――。
しかし、上田五千石も「つんどく」って使うんだなあと軽く驚きもした章でした。

◆第五章「句作りの要諦」
要諦です、いよいよまとめです。
・詩(ポエジー)が発生するには、どうしても二つの事物が関わらなくてはならないのです。
 その関わり方もなるべく遠い関係で結ばれなくてはならないのです。
 (中略)こういう二つの事物が面白い、着想外な関係に置かれて、
 しかも不自然なもの言いに見えないといったときに詩(ポエジー)が発生するのです。
 (中略)一見「一句一章」で仕上げているように見えても、
 詩として成り立っている句(俳句)には「二つの相反するものの調和」が達成されているものです。

「一句一章」と思われている句の中にある屈折を
をりとりてはらりとおもきすすきかな   飯田蛇笏
冬菊のまとふはおのがひかりのみ   水原秋櫻子

などの句を例に解説されています。
そして末尾には、かつて主宰誌「畦」で述べた句作にあたっての要点を、
改めて紹介して頂いています。
金言ばかりですshine

◆自作を語る
最後に、四季折々の自身の句を解説したページがあります。
どんな時にどんな着想から得られたか―――、それを知ることもまた楽しみのひとつです。
早蕨や若狭を出でぬ仏たち   上田五千石
私の「早蕨や寝釈迦のやうな山にゐて」も同じ気持ちだった!と嬉しくなりました。
まぼろしの花湧く花のさかりかな
万緑や死は一弾を以つて足る
白扇のゆゑの翳りをひろげたり
渡り鳥みるみるわれの小さくなり
あたたかき雪がふるふる兎の目

見事に、「相反するものの調和」を言い留めてあることに目が開かれる思いです。



図書館から借りてきて、最初の2週間では足りなくて、また続けて借りて読みました。
どうか、この4週間をしっかり活かすことが出来ますように!!!

2017年4月24日 (月)

◆「俳句、はじめました」岸本葉子

みんなのアイドル、『NHK俳句』司会の岸本葉子さんの著書ですlovely
図書館に行ったら、俳句関係の蔵書が思ったよりも少ない中、しっかり棚に並んでいました。
岸本葉子さんが、初めて句会に参加し、様々なことを学んでいくプロセスが、
あの語り口同様丁寧に綴られています。
あまりにも等身大で、とても面白く、一気に読み進んでしまいました。
内容を一部かいつまんで紹介しますと、

chick言葉に意識的になる

古めかしい季語を含むから古めかしい句とは限らず、読み方で新味を持たせられる。
俳句は引き算だから、何かを削って作れないかを考えてみる。
俳句は読者の想像に預ける部分が多いからこそ、折り目正しさが求められる。
飛躍があることと、言葉のかかり方が正確であることは、矛盾しないのだ。
正確であってこそ、省略された部分について、読者は安心して想像をはばたかせられる。



・・・葉子さんの学びは私の学び!しっかり読ませて頂きました!!
そして、134ページから159ページの間では、
小澤實先生を迎えての句会で、兼題「芒種」に取り組んだ時の模様が語られています。
岸本葉子さんは最初、「入梅」に至る前の、一種の停滞感に注目し、
「けだるさ」を手掛かりに作句に入りますが、後にこれは間違いだったと気づきます。
連想が動物園に移り、
「生まれた国にずっといれば、芒種などという節気に巡り会うこともなかったはず」
と、アフリカをイメージし、きりんを選びます。
「二頭のきりんが芒種の雨に濡れている」
というシーンを、言葉を入れ替え入れ替え、完成に漕ぎつける様子が切実です。
以下、句会で出された句を、参考のため網羅させて頂きます。

潺潺と澤広げゆく芒種かな  flair小澤先生への挨拶句。實選

岸本葉子さんは、この句の評で「芒種」という季語についての大きな示唆を得ます。
(さるぼぼさま、貴女がパラ見したという本はこれなのではないですか?coldsweats02impact
種を蒔く、苗を植えることだから、すなわち生命への期待、実りの期待、
そうした豊かさこそが芒種の本然
と考えていると。
挨拶句としてだけでなく、「芒種」を詠んだ句としても優れた一句だったのでした。
ちなみに「潺潺」は「さんさん/せんせん」と二つの読み方があるようです。
この場合は、「澤」との音韻もあるので、私は「さんさん」と読みました。

おっと、続きだsweat01
まず、葉子さんの句以外のものを先生の講評とともに並べて行きます。

さみどりを雨に匂わす芒種かな(3点句)實選
汝が髪をこぼるる砂も芒種かな  實
切り株に木の花の降る芒種かな(3点句)實選
芒種かな人は名画に群がりてsweat02どういう画かにもよるけれど、難しいところ
葉の満ちて芒種の庭や薄暖簾sweat02中七まではいいが、人工のものとの取り合わせが・・・。
新画像ダウンロードする芒種かなsweat02この句では新しい語が活かされていない
資本論読み終へ芒種の町にをりsweat02作者としては程よく離したつもり
過去帳に母の名のある芒種かなsweat02死との対比が鮮やかすぎる
一掬の水のうまさの芒種かなshine上手な句

そして我らが葉子さんの句は・・・

きりん二頭芒種の雨にたたずめり  岸本葉子(2点句)
pencil芒種の雨きりん二頭のたたずめり(添削)

並び順を変えただけで取り合わせの句になったことに驚く葉子さん。
さらにもう一句、

俎の立てかけてあり芒種かな   岸本葉子
pencil俎の立てかけてある芒種かな(添削)

下五に切れ字があるので、中七で切らず連体形にして下五へ続ける。
切れ字を使うなら、その他の箇所に切れを設けない方がいい。
気づいた葉子さん、ならばと

ふところの湿り芒種となりにけり  岸本葉子
pencilふところの湿る芒種となりにけり(推敲)

自分で自分の句を直していらっしゃいました。
ちなみに、この句への講評は、「ふところの湿りが、財布の中が芳しくないとも読める」。
一同笑いに包まれ、誰よりも笑ったのが作者の葉子さんだったということですhappy01

そんな素敵な葉子さんの素敵な本は、素敵な言葉で締めくくられています。

季語は私たちに与えられた恩恵であり、
詠まれるのを待っているという考え方を、句会で教えてくれた人がいた。
季語との出会いが楽しみです。


私も、季節が動くたびに季語を感じ、たくさんのキラキラを感じて過ごしたいと思います。

2017年3月 5日 (日)

◆新聞のコラムより

◆3月3日(金)

「人間は恐ろしいほど数多い共通点を持ちながら、一人一人に特色があって違うのだ。
 だからドラマが成立する」(『複眼の映像(文春文庫)』より)