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書籍・雑誌

2018年9月16日 (日)

◆「素十の一句/日原傳」その1

ちょっと前に、アマゾン購入しました「素十の一句」(ふらんす堂)。
365日分の日付に合わせた句が紹介されています。
せっかくなので、折に触れこのブログでも「素十の一句」を紹介していきますね。

◆9月

1日 秋風やくわらんと鳴りし幡の鈴

「ホトトギス」に初投句初入選の4句のうちの1句だそうです。
初案では「がらん」であったのを、秋櫻子の助言によって「くわらん」に改めたのだとか。
さすがの美意識!澄んだ音色が秋風に乗って、高い空まで運ばれていくようです。
秋櫻子は法医学教室の先輩で、学部ごとの野球対抗戦ではバッテリーを組んだそうで、
この記事によると、当時の素十は、俳句にまったく興味がなかったようだというのも凄い・・・。

2日 船員と吹く口笛や秋の晴

以前の記事でも紹介した、大好きな一句。「秋の晴」という座五がたまらない。
「風」や「雲」といった、吹く・流れる(「口笛」と被る)イメージのある言葉でもなく、
漠然と「空」でもなく、きっぱりと「晴」。抜けるような青空がまこと爽涼。
ドイツ留学中、ライン下りを楽しんだ後の一句だそうです。楽しかったんだろうなー。

10日 虫の原来てせせらぎを聞くところ

あっ!波多野爽波の「~ところ」よりもこちらが先なのねん!
以前の記事で波多野爽波の原型力、と書いたことがあるのですけど、
すでに高野素十が披露していたとは・・・。いや探せばもっと以前からあるのかも
こちらは、「虫」と「せせらぎ」という聴覚×聴覚の句ですが、うるさく感じないのは、
規則性のある自然の音だからなのでしょう。むしろ静けさを感じるほどです。
時間情報はないけど、なんとなく「夜」の散策といった感じ。

11日 鰯雲はなやぐ月のあたりかな

嗚呼、見たことある!月の周りの「鰯雲」は、まるで花びらのようでとても幻想的・・・。
例句を見ると、「美しきものに月夜の鰯雲/松田水石」など、夜の鰯雲を詠んだ句もちらほら。
「見え隠れする月とかたちを変える鰯雲の陣容は見飽きることがないのである(本文より)」
月光に透けるような花びら、近いものを探せばやはり薔薇になるかしら?
検索してみたところ、ベルガモフォーエバーという品種がイメージに近かったです。
中心が黄色っぽくて、花びらの先は薄緑。育ててみたいなあ(無理でした)。

12日 萩の客或る時はまた月の客

昼間は萩を愛で、夜は月を愛でる。秋という季節の醍醐味ですね!
秋の二大季語を堂々と並列させる力量も、「ただこれ写生」の眼あればこそか。
「俳句も亦結論はありませぬ。それで結構です。忠実に自然を観察し写生する。
それだけで宜しいかと考へます」(素十の言葉より)
感じたことを感じたままに。見えたものを見えたままに。
シンプルに詠むことの難しさを痛感するばかりの私です

2018年9月12日 (水)

月明り集め人魚の入り江かな

「月の歳時記」ようやくGET---!!
発売日に近所の本屋さんに行ったら入れてなくて、取り寄せをお願いしてたのです。
入荷のお知らせを頂き、ソッコーで行ってきました!
全然思いつかなくて、ギリギリで「ダメモトだっ!」と出した葉書が3枚。
表題句を特選に採って頂いていて、感激です・・・嬉しいぃ~~~!
(しかし、『一句一遊』兼題「月光」にも「人魚」で送っているのだった・・・ううう)

さて、「月の歳時記」。
先人の、そして皆さんの句に、心揺さぶられたり癒されたり。
そして高浜虚子で始まり、飯島晴子で結ぶという鉄壁の構成にも鳥肌・・・!

本屋さんに自転車を走らせる時、道路脇の草むらで今年初めての虫の声を聴きました。
ずいぶん暑い日が続いたけれど、これから秋が始まります。
ゆっくりとじっくりと、「月の歳時記」を読み返していこうと思います。

最後になりましたが、掲載の皆さん本当におめでとうございます!!
おひとりおひとり名前を挙げられないくらいたくさんの皆さんのご活躍、眩しいです

2018年8月28日 (火)

◆「20週俳句入門(藤田湘子)」第19週そのいち(追記あり)

「20週俳句入門」、いよいよ第19週まで来ました!
「けり」と一音違いとはいえ、大きく印象を変える「をり」「なり」「たり」。
そのニュアンスの違いをしっかり学んで、実作に活かしたいと思います。
例句は、本に載っているものから2句、手持ちの俳句本から5句挙げています。

下記色を変えている部分は本書からの引用です。
■書名:『角川俳句ライブラリー 新版 20週俳句入門』
■著者名:藤田 湘子
■出版社名:株式会社KADOKAWA

◆第19週「をり」「なり」「たり」

見た目にはたった一音の違いだが、一句全体にあたえる影響は大だから、
ここらの違いを見きわめて、内容に応じた使い分けができるようになってもらいたい。


◆「をり」
・口語でいえば「ゐる」。
・今そのことがそこで行われている、その状態がそのまま続いている。
・おおむね穏やかな情趣。

<例句>
野分あと口のゆるびて眠りをり  石田波郷
山清水さびしき指の揃ひをり    鎌倉佐弓
噴水の内側の水怠けをり     大牧広
頂上や殊に野菊の吹かれをり   原石鼎
ところてん煙のごとく沈みをり    日野草城
蟷螂の枯れゆく脚をねぶりをり   角川源義
寒紅のきりりと親を拒みをり     黛執

非常にピュアな印象を持つ「をり」です。そこには純粋に「そう思っている」「そうなっている」「そうしている」ということだけがあって、それを受けいれている感じです。「おおむね穏やか」なのは、その肯定感からくるのかも知れません。

「をり」の意味
・「をり」補助動詞(存続)動詞の連用形につく。「居り」自動詞と間違わないように!
×ほととぎす古刹に美しき尼のをり

◆「なり」
・口語で「だ」という断定の意。
・「たり」とくらべて自然ですんなり。
・使い方ひとつで「たり」よりつよく響く場合も。

<例句>
かりがねのあまりに高く帰るなり  前田普羅
雪催松の生傷匂ふなり       上田五千石
揚羽来て林間学校そぞろなり   原柯城
蟻地獄松風を聞くばかりなり    高野素十
街路樹の夜も落葉をいそぐなり  高野素十
菊の香の闇ふかければ眠るなり  稲垣きくの
鷹高み日の輪をよぎりわたるなり  岡井省二

その場の空気がそのまま伝わりますね。その状態を変えることが自分には出来ない不可抗力の感じが、「なり」にはあるように思います。そのことが、時として無情にも思われて、「たり」より強く響くこともあるのかなという気がします。

「なり」の意味(『NHK俳句』俳句文法心得帖より)
・「に」+「あり」の音韻変化で「なり」に。
・意味は、「断定」と「所在」のふたつ。
・また「伝聞・推定」の「なり」も。
いくつか意味があるので、間違わないように意識したいのが断定の「なり」は体言、連体形につくということです。副詞、助詞などに続く場合もありますが、多くは「体言、連体形」。
間違いやすそうなところを挙げると、
「すなり」→「す(終止形)」+「なり」=「するようだ」(伝聞・推定)
「するなり」→「する(連体形)」+「なり」=「するのである」(断定)

例句に挙げた「ごとくなり」は「連用形+なり」なので消しました
(「ごとし」の連体形は「ごとき」でした
案外、「終止形」と「連体形」が同じ、というケースが多いのが難しいところですが、
使う時はよく確認して、そして読む時は「断定」として読む、ということになりそうです。

◆「たり」
・「なり」と同じ意だが、重くつよい響きがある。
・内容のやわらかいもの、穏やかなものを表現するにはふさわしくない。

<例句>
大寒と敵のごとく対ひたり      富安風生 
羅の下きびしくも縛したり         山口青邨
幹高く大緑蔭を支へたり       松本たかし
そら豆はまことに青き味したり    細見綾子
五月雨や上野の山も見飽きたり  正岡子規
玻璃越しの凩の顔とわかれたり   加藤楸邨
餅焼く火さまざまの恩にそだちたり 中村草田男

確かに例句を見ると、作者は厳然と言い放ち、読者は異論なくズシンと受け止めるしかない感じです。「ああ、そうなんですね」「いやあ、本当にそうですね」と・・・。このキッパリと言い切る感じ、迷いのない感じ、異論を認めない感じが「たり」の命なのかなと。

「たり」の意味(『NHK俳句』俳句文法心得帖より)
・「と」+「あり」の音韻変化によって「たり」に。
・意味は断定(~である、~だ)のみ。
・「体言」+「たり」=断定の助動詞=訳し方は「である」
・「連用形」+「たり」=完了・存続の助動詞=訳し方は「~てしまった、~ている」
文法的に厳密にいうと「連用形」+「たり」は断定じゃないじゃん!と突っ込まれそうですが、例句として挙げられたものを見ると、「連用形」についている「たり」で「断定」と仰られているので、これが切れ字としての働きというふうに認識していいかと。

「なり」と「たり」のニュアンスの違いは、コメント欄の蜂喰擬さんの一文も是非ご参考に!



今まで、特に意識していなかったように思いますが、
それぞれに明確な「読後感」を与えることが分かってきました。
なんとなく二音余ったからどれか使ってみるか、的な用い方ではダメですね。
「そういうしかない」という感慨をもって用いたいと思います。
また、「をり・なり・たり」は「や」と併用しても良いことも分かりました!
特に「たり」の強い感じには上五「や」からの流れが似合うかも知れません。
いろいろと考えてみようと思います。

「第19週」の後半に書かれている「吟行」については「そのに」で改めて。
さーもうちょっとだ、頑張るぞ!!!

2018年7月29日 (日)

◆藤田湘子の「20週俳句入門」第17週

いよいよ大詰め!!
「や」「かな」と並ぶ三大切字「けり」を学んでいきます。
いやしかし、読めば読むほど全文引用したいくらいの濃いぃ章です。
なるべく自分の言葉に置き換えて記事にするよう、がんばってみます!


下記色を変えている部分は本書からの引用です。
■書名:『角川俳句ライブラリー 新版 20週俳句入門』
■著者名:藤田 湘子
■出版社名:株式会社KADOKAWA


◆[型その4]

上五「季語名詞」 + 中七 + 下五「動詞+けり」

例句
はつあらし佐渡より味噌のとゞきけり   久保田万太郎
みぞれ雪涙にかぎりありにけり      橋本多佳子
水馬(あめんぼう)弁天堂は荒れにけり 川端茅舎

まず、「配合・二物衝撃」としての作り方が基本形になります。
上五の季語と、その後に述べられる十二音には、一見何の脈絡もないようですが、
両者のあいだには、目に見えぬ糸がピンと張ってあり、かすかな響き合いが感じられます。
決して、上五から『は』で繋がる内容ではないのですが、一句を読み下した時、
「そういえば○○だなぁ」といったような感慨がふと湧いてきたり、
うまく言葉に出来ないけれども季語に託された心情を感じ取れたり、
並べられたモノの対比から、ジワリとくる思いがあったり。
一読では分からなくても、二度三度読むうちに、かすかな響きが聴こえてくるものです。
例えば「はつあらし」ですと、初秋の季語ですから、
暑さが落ち着いて、味噌汁が嬉しい季節になった・味噌焼もいいな!とも思えますし、
これから秋~冬と季節が移っていく時に、一番有難い贈り物とも。
「みぞれ雪」は雪まじりの雨、または溶けかかって降る雪。
涙もいつか凍りつくのか、いつしか溶けてなくなるのか。
雪がいずれ止むように、慟哭も終わる日が来ますね。
「けり」の強い響きが、自らを奮い立たせるような役目も担っているようです。
「水馬」はいかにも取り合わせの一句。
ついついと気ままに動き回る水馬と、諸行無常な弁天堂の対比が鮮やかです。

◆「かな」と「けり」の違い

霜柱俳句は切字響きけり          石田波郷

<「かな」は沈黙の切字>
言い切れない部分を「かな」に託す。
省略したあれこれが「かな」に託され、余情・余韻として読者に伝わる。

<「けり」は決断の切字>
はじめから、「これでいくんだ」「これしかない」と肚をくくっている。
鋼のようなつよい作者の意思、「こう言うんだ」とはじめから決めて、きっぱり使う。


ここで注意したいのは、動詞の已然形や未然形につく存続・完了の「り」と混同しないこと。
切字の「けり」は詠嘆。気づきの助動詞で、活用語の連用形につきます。


叩く → 叩きけり     「叩けり」は違います
泣く → 泣きにけり   「泣けり」は違います
行く → 行きにけり   「行けり」は違います

◆[型その4]の応用形

上五から意味の断絶がなく、一物に近い詠み方。


冬の虫ところさだめて鳴きにけり      松村蒼石
水鉄砲にも引き金のありにけり       鈴木榮子
松茸の椀のつつつと動きけり        鈴木鷹夫
くろがねの秋の風鈴鳴りにけり       飯田蛇笏

「冬の虫」の句は初めて読みました。
(と思ったら、「真砂女歳時記」にも載ってました、いやーん忘れてた
虫も寒いんだなぁ、じっとしたまま鳴いているんだなあ。
小さな気づきと、小さきものへの温かな眼差しが素敵
「水鉄砲」は、おもちゃといえど「引き金」という物騒な言葉にドキっとします。
「松茸」は、誰しも経験のある「怪奇!卓上を滑る汁椀」ですね!
どんな椀でも起こりうるのですが、「松茸」となると俄然面白いです。
ウオオ止めねば!という気持ちも大きいでしょうし、
家の守り神さまも飲みたがってる?なんてったって松茸だもんな!という、
食卓の和み感まで伝わってきます。
「秋の風鈴」は名句中の名句。
南部鉄の風鈴の、澄み切った音が響きます。
蛇笏先生・・・あなたはここでも立ち塞がるのか


◆「けり」の要点

切字「けり」にはきっぱりした決意が必要。
そしてひと息に言い放ったと感じさせる、つよいリズムが要求される

ポイントとして<前半勝負>。
イメージの広がりの大きい言葉を上五、中七で打ち出しておいて、
最後はひねくらず素朴で明快な動詞をもってくる。


◆おまけ~私の好きな「けり」の句~

帚木に影といふものありにけり        高浜虚子
青梅の尻うつくしくそろひけり         室生犀星
水馬水ひつぱつて歩きけり          上田五千石
霧の馬睫毛重たく戻りけり           正木ゆう子
雪片にふれ雪片のこはれけり        夏井いつき
冬蜂の死にどころなく歩きけり        村上鬼城
   
探せば探すだけ好きな句が見つかるので、このへんで。
前述の「けり」の要点で述べられていることが、どの句にも当て嵌まっていますね。
私も頑張ります!!

2018年6月13日 (水)

時鳥啼いて地球をあをくせよ

発売日に本屋さんに行ったものの置いてなく、アマゾン注文することにした
「時鳥の歳時記」。
振り込みに行くのが遅くなったので、まだ届いてないんですけど、
幸江さんブログでのコメントの返信で、特選に載っていることを知りました!
有難う幸江さんーーー!!!

時鳥啼いて地球をあをくせよ

「時鳥」に、「夏到来!」「生き生きとした緑、眩しい青空」というイメージがあったので、
ストレートに「青」「あを」「瑠璃」を使って3句ほど投句しました。
没句はいずれ別の機会にどこかに投句してみます

本が届いたら、皆さんの句をじっくり拝見させて頂きます、とっても楽しみです!!!

2018年6月11日 (月)

◆「海と森の標本函/結城伸子」

「釣りキチ三平」の抜け巻を求めて入った古本屋さんで、
「スカイハイ新章/高橋ツトム」1~4巻と、「海と森の標本函/結城伸子」を買いました。
(「三平」は、持ってる巻しかなかった!)
不思議な造形の貝殻や、きのこ、地衣類など、見ているだけで幸せに・・・。


Photo_2


ウニランプ」めっちゃ可愛い!作ってみたい!!海岸を歩きたい!!!
そんな、海への憧れが芽生えたところで、「海の日」頑張ってみようと思います!
あーあと3日しかない!

2018年4月 6日 (金)

◆「新版藤田湘子の20週俳句入門」第15週

うっ、いつのまにか時が流れ4月になってるじゃーありませんか!
「るるる句会」に備えて「かな」の勉強を・・・今からします

下記赤文字部分は本書からの引用です。
■書名:『角川俳句ライブラリー 新版 20週俳句入門』
■著者名:藤田 湘子
■出版社名:株式会社KADOKAWA

◆デリケートな「かな」

・基本形
季語を下五に置く、二物衝撃。


例句
金色の仏ぞおわす蕨かな       水原秋櫻子
オムレツが上手に焼けて落葉かな  草間時彦

構成
[ 上五・中七  ]  + [ 下五 ]
室内のもの・状態  + 室外の季語(名詞+かな)
十二音で述べたことから、カットが切り替わって季語へ。


なんとっ!「蕨かな」の句は二物だったのね!と衝撃を受けました。
「蕨の中に金色の仏がいるよ、仏を感じるよ」といった句だと思っていたんですよね
そうか、視点が切り替わるのか・・・。
そういえば!!
あの名句もそうなんですよね!!

遠山に日の当たりたる枯野かな    高浜虚子

これも私、「遠くの山に、日の当たる枯野があるよ」という意味だと思っていたのに、
「自分は枯野にいて、遠山に日が当たるのを見ている」という句だったんですよね
いやあ、読んで分かったつもりでも全然なことがホント多い私です
そんなオッペケペーな私でも、「落葉かな」は分かり易いです。
「なりし」や「たる」に比べて、「て」は、場面転換が間違いなく分かり易いです。

・応用形
近頃は、むしろ一物俳句的な作り方が多くなりつつある。


例句
はなびらの欠けて久しき野菊かな   後藤夜半
尼寺の草深く落るくわりんかな     加藤三七子
東大寺湯屋の空ゆく落花かな     宇佐美魚目
いつしかに失せゆく針の供養かな   松本たかし
風の街見てゐる仕事始めかな     村沢夏風

季語以外に「かな」のつく例句
緑陰に膝もて余す女かな        右城暮石
牡丹雪その夜の妻のにほふかな   石田波郷
空蝉の両眼濡れて在りしかな      河原枇杷男
ぼろぼろの羽根を上手につく子かな  富安風生

概して「かな」を使用した作品は、きっちり五・七・五で詠うほうが収まりがいい。
ときおり、「かな」を上五や中七に使う例が見られるが、
下五に用いてこそ一句全体を余韻で包む効果が出るもの。
上五や中七に使うと洒落た感じはするが、ただそれだけのことである。


ちなみに、私が高一の時に国語の授業で書いた中七かなの句。

土色の豊かなるかな草雲雀

多分、それまでの読書体験の中で、こういう構成の句を見ていたのでは?
と思い、調べてみると大御所の句が見つかりましたーーー。

よりそひて静かなるかなかきつばた   高浜虚子
たゞ一人ひそかなるかな寒復習      高浜虚子
人生は陳腐なるかな走馬燈       高浜虚子
寒鯉はしづかなるかな鰭を垂れ          水原秋桜子

どれも「~なるかな」という形容動詞+かなの形ですね。
それで自分の中に「~なるかな+下五」のパターンがあったのでしょうね。

とは言っても、やはり「かな」は下五でこそ!肝に銘じます。
そして、一物の場合、上五に場所や季語などの五音の名詞が入って、
その後ゆるやかに十二音が続く、という構成の句も見られます。
「中七名詞止からの下五かな」はあまり見られませんね。
皆無ではないかも知れませんが、やはり最後の「かな」に向かって、
そこまでの十五音はゆるやかに、やわらかく展開していくのが余情に繋がるようです。
定型の中できらめく「かな」と思いますが、ごく稀に、字余りの句もあるようですね。

鳥のうちの鷹に生まれし汝かな    橋本鶏二
蜆汁母の世消えてひさしきかな    松村蒼石

言い換えの利かない言葉の珠が、作者のこころから零れ出たのだという印象の句です。
徹底的に定型に取り組み続けてきてこそ、「定型では言えない」と思うものが分かってくる。
俳句を始めた当初は、「破調でカッコいいの書いてみたいな」などと憧れたりもしましたが、
そういうのは狙って書けるものではないですね
とにかく、まずは基本に忠実に取り組み続けること。これだろうな、と思っています。

おまけ『俳句ポスト』入選の「かな」の句

【人】ちくちくと母のつみれの鰯かな
【人】浮き玉をひとつ求めし薄暑かな
【並】啄木鳥の一点突破の気概かな

「かな」から醸し出される「余情」ということを考えると、
「この母のつみれを自分はいつまで食べることが出来るだろうか」
「もうちょっとしたらこんなもんでは凌げない暑い日がやってくる」
「そこまでの気概を果たして自分は持てるであろうか」
といった、「続き」の文章を思い浮かべることが出来る・・・気がします。
描かれていない部分を想像することによって、
描いてあるものへの有難さ、愛しさ、切なさ、感嘆の念などが増すというのか。
そういった、ふくらみのある1シーンを切り取れたら、と思っています。

◆今週の暗誦句
石田波郷の四句。「初蝶」「遠足」「葛」冬隣」。

最後の句だけ馴染みがないのですが、「嬬恋村」→「蓼科」と地名繋がりで覚えます。

2018年3月 9日 (金)

◆夏井いつきの「花の歳時記」

「雪の歳時記」に続く第二弾!
「花の歳時記」を近所の本屋さんにてGET出来ました
「雪の~」を探しに行った時は見つけられなかったのだけど、
もうちょっと広い範囲で、どっかに新刊で出てないかー!と思ったら、
なんとなんと、入り口ど真ん前の一番HOTなコーナーに面出しされておりました!!
きっと「雪」の時もそうだったんだわ!
(俳句の棚と、新刊の平積みのコーナーしか見てなかったあー

そして、「雪」の時同様、美麗な写真の数々に、先人の名句に、
それからそれから皆さんの佳句の数々にうっとり・・・
ひとりひとりお名前を挙げきれないくらいたくさんなので、
「皆さんおめでとうございます!!!」でお茶を濁させて下さい

そんな中、締切日の当日朝一番に一枚だけ投函した私の句も、採って頂きました。

花ふるふるエコー写真に吾子の影  

なんと有難いことに特選のひとつにして頂け、感謝感謝です。
この喜びをバネに、次の「時鳥」も頑張ります!!!

2017年11月 2日 (木)

◆「雪の歳時記/夏井いつき」注文しました

確か11月2日発売!!!だったよね!!!と思って書店に行ったのですが、
お店のレイアウト変更もあり、探し方が悪かったのか発見出来なかったので、
帰宅してからアマゾン注文しちゃいました
明日の通勤時にコンビニ決済すれば、来週中には届きますね

頑張って挑戦した「YKB23」、自分の句の行方も気になりますが、
それ以上に「歳時記」として是非とも本棚に並べておきたい魅力いっぱいの一冊です。
届くのが待ち遠しい~~~!!!

Photo

2017年10月23日 (月)

◆「新版20週俳句入門/藤田湘子」第13週

<前回の暗誦句>
春の灯や女は持たぬのどぼとけ   日野草城
ところてん煙のごとく沈みをり     日野草城
花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ    杉田久女
谺して山ほととぎすほしいまゝ     杉田久女

これくらいの名句になると、すでに頭に入っている人も多いでしょうね。
杉田久女を「すぎた」で辞書登録してしまったので、
「しまった、『ひさじょ』にすべきだった」と慌てることの多い私です。
(でも面白いから修正しない
さー今回も張り切って勉強しようー!


下記赤文字部分は本書からの引用です。
■書名:『角川俳句ライブラリー 新版 20週俳句入門』
■著者名:藤田 湘子
■出版社名:株式会社KADOKAWA

配合は離れたものを
モデルの皆さんの宿題句を見ながら、ひとつひとつ解説。
漠然とした「九月尽」という季語を、場所を感じさせる季語にということで、
ここでは「秋ざくら」をチョイス。
個人的には、「秋ざくら」と言えば庭や野原・・・野外のイメージなんですけれども、
「ブルース」と「秋ざくら」は程よく対照的で、その実似通ったところがあって、
絶妙かも知れない・・・という気がしました。重くなり過ぎないのがいいですね。
ここで、措辞に「聴覚」にかかわる言葉があれば、季語はそれ以外のものを、と。
同じ性質のものを配合するのはトクではないんだね。
同じようなものを並べると、焦点がぼやけるということもあるだろうし、
措辞が、季語に対しての比喩のようになってしまうということもあるかも知れません。
これには本当に気をつけなければ・・・と思っています。

季語の選び方
季語の選択一つで同じフレーズが生きいきしたり平凡で終わったりする。
見たままを率直に表現するのもいいが、単なる報告になってしまって、
情趣も情感もなく終わるのは残念。
作者の心をとらえた季語が、何かなかったろうか。
旅さきであろうが自宅であろうが、要は(中略)「風情」をしっかり描くことが先決。
うむうむ。
季語の選択と同じように、十二音の言葉選びにも慎重になりたいですね。
「写生」「描写」を実行、頭の中で考えず、眼で見たところを文字にする。
「秋」より「萩」、「窓」より「椅子」など、入れ替えられた言葉によって、
人物の姿の印象がより色濃くなることに驚きます。 
 
堅いという特徴~リズムが表現する
「中七や」の型は、現在非常に少なくなってきている。
「上五や」に比べて自在性に乏しいため、敬遠されているフシがある。
「や」でなく他の切字を使うパターンもある。
≪宿題≫
1.中七の終わりに「や」以外の切字を使う。
2.季語はどこに置いても良い。

うぬぬ。ガンバリマス。

子の声を聞かぬ家なり秋時雨
野菊持つ婦人の居れり新御堂

どうでしょうか?(ドキドキ)

<今週の暗誦句>
富安風生の「春田」「蛍火」、山口青邨の「日記買ふ」「夕立」の四句。
初めて読んだ句ばかりなので、しっかり読み込みたいです。

より以前の記事一覧