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まつやま俳句ポスト365

2019年3月17日 (日)

◆3月20日締切の兼題:「桜鯛」(追記あり)

「桜鯛」では「とにかくたくさん作ってみる」ということで、いつもより早く取り組みを開始します。

◆季語解説
・『俳句ポスト』より
桜の季節に、内海に卵を産むために集まってくる真鯛のこと。
加えて、生殖時期になると雄の腹が赤くなることも呼び名の由来となっている。

Photo
(「天草の桜鯛」コチラのページより)

釣りが趣味な方はまた違うかと思いますが、私が「鯛」で思い出すのはこの色です。
華やかな桜の季節、美しい婚姻色、結婚・出産など祝いの席に欠かせない「桜鯛」。
「言祝ぎ」のこころを主軸に考えたいと思います。


◆例句(『575筆まか勢』、『俳誌のsalon』より)

桜鯛さげて少女の瞳の涼し   阪本謙二黒く潤んだ「瞳」が見える
桜鯛揚げて虹生む船生簀    松本幹雄実景の迫力、季語の主従
桜鯛百畳の間を進みけり    柴田佐知子数詞により盛大な宴が想像されます
うろこ飛ぶ男料理の桜鯛     中村純代「男」と「桜」の取り合わせ、豪快感
地鎮祭神饌の桜鯛跳ねてゐる 永野秀峰「鎮」と「跳」の対比、珍しい中七使い
灯の急に明るむ桜鯛の出て  鷹羽狩行ぱっと場が明るくなる「桜鯛」の力
たっぷりとつかはれる水桜鯛  木下野生ゆったりした調べ、贅沢感
よこたへて金ほのめくや桜鯛   阿波野青畝幸福な色彩感
トトトトと鳴る徳利や桜鯛     京極杞陽祝いの席らしいオノマトペ
喪の家の焼いて縮める桜鯛   大木あまり確かな「観察」
玄海の藍より生まれ桜鯛     あさなが捷「対比」が美しい
竜宮の玉の色なり桜鯛       小林朱夏「比喩」が美しい
粒揃ふ歯ありて古稀の桜鯛   品川鈴子歯並びの良さが目出度い。

参考にしたい句がたくさん
五音の季語で、上五と下五に置きやすいですね。下五の方が多い印象です。
中七、句跨りも少ないながらありました。
色の取り合わせは「ブルー系」が多いような。
「瀬戸内」「明石」「相模」など、地名もよく使われています。
「るるる句会」で取り組んだこといろいろ、すべてブッ込むつもりです(ぎららっ!)

◆参考記事

・「鯛の漁獲量ランキング」(ブログ「地域のいれもの」より)
・「世界のタイ漁獲量ランキング」(ブログ「GLOBAL NOTE」より)
・「桜鯛」(画像一覧)
・「桜鯛とサクラダイの違い」(ブログ「ぱんどる画伯の独り言」より)サクラダイも存在する
・「桜鯛ってどんな魚?」(ブログ「ぐるめ亭」より)ほんとだ眉(?)が青い!
・「桜鯛のうそ!」(ブログ「漁師の食卓」より)方言の味わい
・「サクラ色に誘われて」「桜の化身、桜鯛」(ブログ「横浜丸魚株式会社」より)
・「ドングリ眼、魚の目は面白い」(同上)
・「便利!鯛のウロコ取り」(ブログ「Pouch」より)まさに面白いように・・・!
・「プライドフィッシュ(福岡)」(「PRIDE FISH 漁師が選んだ本当に美味しい魚」より)
・「プライドフィッシュ(大分)」(  同上  ) 
<追加>
・「鯛の鯛」(ブログ「makaroni」より)
・「アイシャドウをつけた鯛」(ブログ「漁師の食卓」より)
・「祝婚歌」(吉野弘さんの有名な詩です)

魚の瞳孔は開きっぱなし。
黒目の大きな魚は、気力が漲っているようでいかにも新鮮ですね。
恋する瞳も瞳孔が開き、潤んで煌めきます。
「桜鯛」の美しい色は婚姻色。
お祝いの席で「桜鯛」の目がウルウルきらきら見えるのもまた素敵ですね
世界に目を向けると、トルコ・ギリシャでもよく獲れるようです。
あちらの青空の下では、桜鯛の色もひときわ明るく映えそうですね!!!
いろいろ、いっぱい、イメージしたいです。

2019年3月15日 (金)

ていれぎや産湯に使ふ水を汲み

『俳句ポスト』兼題「ていれぎ」の発表週です。
愛媛県の独特の呼び名ということで、非常に難しく感じましたが、
私も水の綺麗なところで育ったので、負けられない(?)とばかりに40句くらい作り、
類想・うまく言えていないと思った句をカットして約半分の19句21句を投句。
うち2句を【人】に採って頂けました、感謝です

ていれぎや産湯に使ふ水を汲み
ていれぎや風信帖を臨書して


今回は、山香ばしさんのお隣に並んでいたのも嬉しいです


◆MY FAVORITE 30(作者敬称略)
たくさんのいいなあと思った句、こんなふうに詠みたかった句から少しだけ紹介です。

微炭酸のやうにていれぎ咲きにけり    さとけん
ていれぎの流れに立ちて四分休符     トポル
ていれぎや薄刃の如き水の味       めいおう星
ていれぎを鈴振るように引き抜きぬ      山香ばし
ていれぎからなにかのしつぽがでてゐる  ヒカリゴケ

ていれぎや千二百年みづは無垢      はまのはの
ていれぎやみほとけ多き国の水       うしうし
ていれぎの萌えて静かな国境        うしうし
ていれぎや城下の子等のよく疾る     めぐみの樹
ていれぎの十字は龍を呼ぶ印       花南天anne

ていれぎや綺麗な声で歌います      桂奈
ていれぎや膳揃ひたる「萌木」の間    斎乃雪
ていれぎの清すぎていて渡れない     城内幸江
ていれぎの苦味は水の痛みとも      倉形さらさ
ていれぎを摘んで齧つて山頭火      多々良海月

ていれぎを摘む間も一種絶滅す      比々き
ていれぎや嫁げば変わる味噌の味    雷紋
ていれぎや初めての詩を贈る人      HGDT
ていれぎや水の香りの尖りたる       いつき組福岡リスナー班/由美子
ていれぎや怒れば伊予の訛り出て    こはまじゆんこ

ていれぎの星をつなげる遊びかな     とんぼ
ていれぎや豊かに厚き砥部の皿      みやかわけい子
ていれぎと名付けて草の香りだす     山内彩月
ていれぎや湧水多き善通寺         善多丸
ていれぎの花散るごとき伊予絣       瞳

ていれぎや行きくれて水うまきこと     播磨陽子
ていれぎは見たあれ絶対河童だつたよね 薄荷光
ピアニカを抱いてていれぎ咲く水辺    未補
ていれぎや空すうすうとミント色       野々りんどう
オパールの水ていれぎの常磐色      有瀬こうこ


皆さん、素敵な句をたくさん有難うございます!!
金曜日の発表も楽しみです!!!

2019年3月 7日 (木)

◆「菠薐草」八句選

皆さん、こんばんは!
2月に最後の愛馬が引退し、一口馬主生活から撤退することにしためぐるです。
しばらくドヨンとしていましたが、そろそろ気持ちを切り替えていきたいと思います。
そんな訳で。
「菠薐草」の人選句からツボに入った句・学びとしたい句など、少し紹介させて頂きます。


菠薐草十把さるぼぼ百柱           蟻馬次朗
色彩が実に鮮やかです。「菠薐草」と「さるぼぼ」の強さが釣り合っている。
モノを置いて色を感じさせるのも巧みで、うるさい感じがありません。
「健やかに」という願いが通底しており、一句に確りとした芯が入っています。
数詞にも納得感があり、有数の産地である「飛騨」の空気感も清々しいです。

菠薐草折れて青空悲しさう          蟻馬次朗
「色鳥を迎へ痩山嬉しさう」など、この構文は、私も何度かチャレンジしています。
してはいるのですが、ことごとく【没】
振り返ってみれば、予定調和的な「嬉しさう」「さみしさう」を当てていたと気づきました。
「菠薐草」を詠む時に、「折れて」しまった姿を1ミリも想像出来なかった私。
ここらへんの発想力が違うんだな・・・!
「サイネリア」でも「咲いている」姿を思い浮かべていましたが、別な発想もしてみます

菠薐草食べて喧嘩が弱くなり         ささき良月
これも、多くの発想の逆を衝いている一句。
しかし、ハタと気づくのです。それって本当はもっと強くなったんじゃないのって。
感情のままに暴れることがなくなったのなら、喧嘩なんて弱くていいと気づいたのなら。
衒いなくサラリとした句姿も「大人」という感じがします。

これはこれは血筋宜しき菠薐草       まるちゃん2323
「オイ、見ろよ。純血の東洋種だぜ(ゴクリ)」
西洋種、交配種が主流になり、昔乍らの「菠薐草」はあまり見かけられなくなりました。
根が赤くないとどうも「菠薐草」らしくなくて物足りないです
多分、普段買っているのは交配種だと思いますが、今度ちゃんと細かく見てみよう。
もし「血筋宜しき菠薐草」を見つけたら、私も「これはこれは」と呟いてしまいそうです!

大鍋の菠薐草や男子寮            文月さな女
季語が十二音の方に入ると、押さえの下五はどうしよう・・・ってなっちゃうのですが、
この「男子寮」はお見事。家庭や小料理屋では醸し出せない「武骨さ・鉄臭さ」があります。
「男子寮」という言葉から、栄養面をサポート~管理されているスポーツ部の印象もあり、
ぐらぐらと湯がかれる色濃い「菠薐草」に、日々切磋琢磨する若者のイメージも被りました。

臨月の菠薐草あましあまし          ぐでたまご
出産を間近に控えて、「菠薐草」をもりもり。もとから好きだったのかも知れないし、
妊娠によって味覚が変わって「あまし」と感じているのかも知れないし、
「あましあまし」と自分に言い聞かせて食べているようにも。
体にいいものをシッカリ食べようっていう気持ちは妊婦に共通の思いでしょう。
「あまし」は未来への期待感でもあるかも知れませんね

ボブ・ディラン歌うほうれん草も食う    猫ふぐ
「ボブ・ディラン」と「ほうれん草」が合うことに初めて気が付きました!
これはちょっとうまく言えないですが、ホントに見事な並列と思います。
そして、つらつらとボブ・ディランの歌を思い出していたら、いつのまにか似た雰囲気の
ビリー・ジョエルの「ピアノマン」に脳内が支配されてしまいました
「俺、このまま終わりたくねえ」と思った時、まず「ほうれん草」を食べようと思います。
(ボブ・ディランじゃなくなってごめんなさい!)

ほうれん草食卓にある正しさよ       野ばら
「あっ!」と思いました。「菠薐草」がなんと簡潔に述べられていることか。
栄養豊富で「丈夫に、元気に、強い子に」との願いを込めて食卓に出される「菠薐草」。
それは家族を思いやる愛情の現れに違いないし、とても健全な光景だと思います。
この句を読んで、久しぶりに私も「ほうれん草」を買いました
個人的金曜日句です。


好きな句がいっぱいありすぎるのでここまでで
『俳句ポスト』兼題「菠薐草」掲載の皆さん、おめでとうございます!!!

2019年3月 3日 (日)

◆3月6日締切の兼題:「サイネリア」

◆季語解説
・『俳句ポスト』より
キク科の多年草。草丈30cm程で、葉の形は蕗に似たハート型。
花の色は紅、白、紫など様々である。
本来「シネラリア」という名だが、縁起を担いで読み換えられたとも、
ラテン名の英語読みであるともいわれる。

◆例句(『575筆まか勢』、『増殖する俳句歳時記』より

サイネリア咲くかしら咲くかしら水をやる    正木ゆう子
サイネリア女声十色にこぼれけり        関 清子
サイネリア花たけなはに事務倦みぬ      日野草城
円卓にサイネリヤ置き客を待つ         小島小汀
珊瑚婚ほどの花数サイネリヤ          岡崎光魚
いくらでも眠れる体サイネリア         三好万美

例句は少ないながら、「花色が豊富」「鉢物」「音韻」と「サイネリアらしさ」が詠まれています。


Photo_3

◆参考記事

シネラリア(Wikipediaより)
サイネリアの色別花言葉(ブログ「春夏秋冬」より)
サイネリアの育て方(ブログ「LOVE GREEN」より)

サイネリアには、濃い黄~オレンジ以外の花色が揃っているとか。
同じキク科なのに、青い色のない菊(近年の研究で成功しているようですが)と、
真逆の色彩になるなんて、とっても不思議な気がします。
本来なら「シネラリア」のところ、音の響きから「サイネリア」が流通名になっているので、
作句にあたっては「音韻」を第一に考えたいなと思っております。


思い出は思い出として菠薐草が甘い

『俳句ポスト』兼題「」の木曜日です。
10句中2句が【人】に採って頂けました、感謝です

思い出は思い出として菠薐草が甘い

金曜日の地選句を見てひっくり返りました。
【地】はうれんさうメランコリーという甘さ  蟻馬次朗
「メランコリー!それだった!」と。
そして地選句の「はうれんさう」はホロ苦味のある東洋種なのではないかと、
「メランコリー」の「「甘さ」との対比も感じられ、一枚も二枚も上だなと。
金曜日句には他に「羅刹日」や「冥王星の味」といった簡潔で鮮やかな言葉があり、
自分が同じことを表現しようと思った時に出て来る言葉との訴求力の違いを思い知った次第です。
道は遠い~~~ぬわわわわ~~~

喜馬拉耶の塩ほの紅く菠薐草  

「頗稜(ホリン)国」(現在のネパール、もしくはペルシアを指す)から伝えられた」との、
ウィキペディアの一文から、「ネパールと言えばヒマラヤ」と連想した途端、
「菠薐草」の根っこの「紅」が「ヒマラヤのピンクソルト」と繋がりました。
コクのある表記「菠薐草」に合わせて「喜馬拉耶」にしてみたのが良かったのかも
この後、「ヒマラヤの塩」の美しさをメインにしたくなって、別の句会に「早春や」で投句。
こういった措辞の使い回しを嫌う人もいるかとは思いますが、
やっぱり季語や表記が違うと見えてくる景や味わいが全然違うことを実感しました。


◆没句まつり

【没】ほうれん草ふわりと絞る手のやさし
【人】嫂にきつく搾られ菠薐草         久我恒子
【人】菠薐草たまごを握るやさしさで     平林檸檬
【人】菠薐草きゅむりきゅむりとしぼりけり  あるきしちはる
【人】筆のごと絞りたる茹で菠薐草      キッカワテツヤ
【人】何ひとつ母に及ばず菠薐草       こま

「筆のごと」「たまごを握る」といった優しい表現、「嫂(あによめ)」「母」への思いが垣間見える句。
やはり掲載句は一味違います。なかでも、ちはるさんのオノマトペにはやられました!
「きゅむりきゅむり」なんて出て来ませんが、言われると実によく分かります!!
「第14回るるる句会」のサブクエストにオノマトペがあるので、しっかり参考にしたいです

【没】卵焼き梅干ご飯ほうれん草
【人】弁当に山の色あり菠薐草        あるきしちはる
【人】弁当にほうれん草のおまじない     きなこもち
【人】割引弁当はうれんさうの味噌汁     すりいぴい

「昭和のお弁当」というイメージを持ちましたが、「弁当」というワードが必要だったかも
「おまじない」は母の願いですね、「元気に健やかに」という祈り。
「山」の大きさ、清々しい空気感。「割引弁当」につけられたお味噌汁は、愛か売れ残りか。
「栄養豊富」&「癖があって嫌いな人も多い」という野菜の特徴が出ていると思いました。

【没】菠薐草洗ふ心のざらつく日
【地】羅刹日のことに法蓮草甘し        比々き
【人】菠薐草洗へば溜る千葉の砂       比々き
【人】菠薐草洗ふ土塊現るる          お気楽草紙
【人】菠薐草のぎざぎざ心ぐさぐさ       あつむら恵女

あああ!地選句の「羅刹日」が凄すぎる!!「羅刹」に合わせての「法蓮草」表記も!
宗教的なイメージだけでなく、原産地の寒冷な気候も彷彿させて巧みです。
写生の利いた句も、簡素でお見事。「ぎざぎざ」「ぐさぐさ」のリズムも素敵。
「洗ふ~現るる」の韻も綺麗だし、私の句には調べの良さが足りなかったと痛感

【没】ヒマラヤの蒼き山なみ菠薐草
【人】富士山が見える畑のほうれん草     朶美子(えみこ)
【人】菠薐草ペルシャの風は孔雀色      冬のおこじょ
【人】ラマダンの月輝きて菠薐草        慈温
【人】ペルシアの寡黙な女ほうれん草     世良日守

思い描いたのは「遠景と近景」でしたので、まさしく朶美子(えみこ)さんの句がそのまま。
「富士山」と置くことで、晴れ晴れとした気持ちや伸ばす背すじまで浮かんできます。
「ヒマラヤ」も確かに霊峰ですが、日本人にとってはカレンダーの写真的なイメージかも。
それならば「異国感」をもっと押し出した方が良かった。・・・やはり掲載句は一味違います。


今週もたっぷり勉強させて頂きました・・・しかしこの学びを活かすことが出来ているのか?
甚だ疑問ではありますが、私なりに少しずつでも投句内容を濃くしていきたいです。
「出来た」と思ったところをスタート地点として、もう一歩もう半歩の推敲を。
出来るだけシンプルに、しかし無理なく入る情報を的確に。
言葉のコスパを、オリジナリティを。
課題は尽きませんが、どんなに少しずつでも進んでいかなくっちゃですね。
私を鼓舞してくれる青木の名セリフを貼っておきます。

Photo
(講談社「はじめの一歩」より)
泥臭くもがいていきたいです

2019年2月17日 (日)

◆2月20日締切の兼題:「柏落葉」

◆季語解説
・『俳句ポスト』より
かしわおちば。
柏は主に山地に生えるブナ科の落葉高木で、高さは10~15mにもなる。
秋に枯れた葉は枝に付いたまま冬を越し、春に落葉する。
・『きごさい』より
柏はブナ科コナラ属の落葉高木。
柏の葉は秋になっても完全に落ちず、若葉が開いたころになって落ちる。
傍題:柏散る、柏若葉

「春に落葉」とのことで春の季語なのかと思っていたら、「きごさい」には「初夏」と。
俳句十二カ月/草間時彦」にも「夏の季語」とありますね。
若い葉の萌芽を見届けてから散る・・・。
枯れても丸まらず、散った姿も泰然として見える「柏落葉」には、
哀愁よりも満足感が似合うのではないか、
その心持は春のように暖かく、初夏のようにきらめいているのではと感じました。
この感触をベースに、なんとか進めていこうと思います。

◆例句(『575筆まか勢』)

ふ、ふたつしかない・・・だと?
探せば見つかるかも知れませんが・・・。

◆参考記事
柏落葉(画像)→「落葉の風景」など、記事の中にヒントになりそうな一言が・・・。
葉守りの神(「うたことば歳時記」より)「源氏物語」や「枕草子」にも記載が。
柏市立柏高等学校の校歌と紋章
カシワの落葉について(「みんなのひろば」より)
柏落葉は丸まらない―(「ISLAND日記」より)



2019年2月15日 (金)

うらうらと遺影を撮りにゆく川辺

『俳句ポスト』兼題「うらうら」の発表週です。
今回は12句投句中の2句が【人】に採って頂けました、感謝です

うらうらと遺影を撮りにゆく川辺
ひかひかと午後うらうらと騙し船


類想に陥りそうな難しい兼題だったと思いますが、しっかり3句入選の方が眩しい!
またオノマトペでは、「ゆらゆら」「ひらひら」「ほろほろ」「ゆるゆる」などが見られるなか、
「うらうら」をひっくり返した「らうらう」を使っている方が複数いて、
「そのテがあったか!」と。
まったりと幸福感溢れる季語に対して「ハッ」とさせる取り合わせもいろいろ・・・
ゆっくりじっくり読んでしっかり学びとしたいです。
明日も楽しみ


2019年2月 7日 (木)

◆「鮃」没句祭り&十句選

◆没句祭り

【没】砂底の腹の真白や寒鮃
【人】砂かぶる鮃の腹の白さかな     花南天anne
語順!
私の句では「砂底の腹が真白」とも読めてしまいますね
そして「鮃」が臥しているのは「砂底」じゃなかった、「砂上」ですよね猛反省です
最も感動した部分が最後に詠嘆されるという、花南天anneさんの言葉運びと、
「かな」のしみじみとした味わいに「これだった」と。

【没】泣けるほど白き腹して寒鮃
【地】うらがはのやさし鮃は噛む魚    クズウジュンイチ
【人】反されて腹恥づかしき鮃かな    トポル
【人】裏返し淋しき白や夜の鮃       与志魚

鮃の腹の白さに、キューーーーンと心を揺さぶられたのですが、
私の表現力では追いつけませんでした・・・。
「うらがはのやさし」「腹恥づかしき」「淋しき白」、こんな詩的な表現があったなんて
「やさし」と言えば、友人から誕生日に貰った俳句本の中にあった一句を思い出します。
夕方は滝がやさしと茶屋女 後藤比奈夫
こういう使い方が出来るようになりたいなあ・・・嗚呼・・・なりたいな~~~


【没】誓って言うけど、鮃みたいに真ッ白だから俺のハート。結婚してください。
【地】鮃甘くて夫の笑顔が嘘臭い     24516
わかっちゃいたけど長すぎです
しかし、【地】の句を見た時、完璧なるアンサーソングを見た思いに打ちのめされました!
こんな美味しい鮃を食べに連れ出してくれるなんて、絶対裏があるのに違いない・・・
なんて見抜かれるあたり、まだまだ可愛いのかも知れません。
「胡散臭ァ~」なんて睨みながらも、まだ許せる範囲に留まっていることも察知している。
一枚も二枚も上手そうな奥さまが浮かびました。

【没】鮃買ふ本音を言えずじまいの日
【人】時の鐘鮃は本音吐きにけり     渕野陽鳥
「時の鐘」という上五にどきっとしました。
夕餉時なら暮れ六つの鐘なのか・・・穏やかにたなびく、心をなだめてくれるような鐘の音。
川越市にある「時の鐘」は、塔をくぐると薬師神社の境内になっていて、
特に眼病にご利益があるとされているそうです。
しみじみと「時の鐘」を聴いて、「鮃」が思わず漏らした「本音」とは。
もし、「鮃」が「僕の眼、もしかして病気なんじゃないの?」と気に病んでいるとしたら、
「僕もみんなと一緒がいい」と願っているとしたらと思うと切なすぎる
今は泰然と構えているようでも、かつて悩んだ日々があったのではないか・・・。
「鮃」を主人公にしているところ、措辞が「眼」に結びつくところ、一味違うと唸りました。

【没】大鮃右を向きたる墨魚拓
【並】釣天狗魚拓のひらめ右を向き    吟  梵
これも語順ですね
私の句は、俳句らしい言い回しにしようとして、ちょっと分かりにくくなっている。
対して、吟梵さんの句は一読してすぐに伝わります。
俳句はやっぱり、このスピード感がいのちだなと。
一読してスっと意味が掴めること、大事ですね
あと、「大鮃」と書くと「おひょう」になると火曜日のお便りの中にありましたが、
「大鮃(おおひらめ)」の句は木曜のリストに27句ありました。
「しまった?」と思っていたので、ちょっぴりホっ


◆五句選(【人】から、お気に入りの句を少しだけ紹介させて頂きます。敬称略)

ひらめよ空を飛びたいか星の名を言え   つぎがい
痺れました!
「鮃」の、無数の星をあしらったような体表から、「星」との取り合わせが多かった中、
この語り掛け、最後の「星の名を言え」という命令形が非常に新鮮で。
名を告げた星に向かって、夜空をひらひらとはためきながら飛ぶ「鮃」が見えました。

喰う寝る喰う寝る鮃の腹白し         猫愛すクリーム
「鮃」の一日は「食う寝る」の繰り返し。
シンプルな暮らしの中で、「鮃の腹」はこんなにも白いと・・・。
人間も、「食う寝る」の繰り返しだけど、なんだらかんだらいろいろあってごちゃごちゃで、
腹の中は全然真っ白じゃなくなって、時々泣きながらすべてを洗い流したくなる。
「鮃の腹」の白さが眩しくて切ない。

寒鮃しづかに今を濡れてをり         平林檸檬
「冬うららか海豚一生濡れてゐる/池田澄子」を思い出す一句。
「寒」「しづか」「今」「濡」という言葉の連なりが、何とも言えず「鮃」にぴったり。
擬態して身を潜めているだけでなく、捕食者として鋭い一面があると分かって、
「しづか」な「今」がまた一段と深く感じられるようです。
海底の、緊張感を秘めた「今」。俎の上で為されるがままの「今」。
いつの時も、「鮃」は「今」を濡れているのですね。

火星より深海遠し鮃の目            かもん丸茶
座五から、平面に二つ並んだ「鮃」の「目」がギョロリと存在感を放つ。
宇宙も神秘に包まれているが、地球にもまだまだ未知の世界があるのだ・・・!
「上ばかり見てる場合かね?」と現実を突きつけられる思いにもなったり。
「火星」の持つ乾いた暖色から、「深海」の持つ暗く重たい寒色までの振れ幅も素敵。
そして「鮃」は砂地の「アースカラー」なのも何だかとても意味深く感じられます。
空間・時間の広がりに加え、この色彩イメージの豊かさにも非常に惹かれました。

鮃待つ磨きぬかれしカウンター        福蔵
手入れの行き届いた、品のいい小さなお店を想像しました。
さり気なく、季節ごとの花も飾られているかも知れません。
女将はきっと穏やかに見えて毅然としたところのある人。
人徳に常連さんが集まってくる。
この店内の、空気までもが凛としてしみじみ旨いに違いないです。
他の魚では醸し出せない味わい・・・この空気感が「鮃」なんだなあと感じました。


いっっっぱい好きな句あるのですが、書ききれないのでここまでで
今回もたくさんの学びがあった『俳句ポスト』でした。
掲載の皆さん、おめでとうございます!!!
次の「うらうら」も楽しみです

2019年2月 1日 (金)

神さまは案外適当ねえ鮃

『俳句ポスト』兼題「鮃」の結果発表です。
苦手な海(魚)の季語ということで7句しか送れませんでした
そのうちの3句目を【人】に採って頂き感謝です

神さまは案外適当ねえ鮃


この「ねえ○○○」という言い回しは、もしかすると先人の句にもあるのかも知れませんが、
私自身は『現俳』平成27年12月句会で初めて見たものです。
(灰汁さんの句で上五「ねえ海鼠」でした。)
食べたことがなくて、実感として捉えられず採り切れなかったけれど、
「ねえ○○○」という呼びかけがとても新鮮で、いつか自分も使ってみたいと思っていました。
「鮃」でようやく使えて、【人】に採って頂いて、本当に嬉しいです。
それとともに、苦手な海(魚)の兼題を、取り合わせの句ではなくて、
雑詠ぽい、呟きの句で採ってもらえたこともとても嬉しいです。
兼題を雑詠のように詠む、ということは大きな目標のひとつ。
次の「ていれぎ」そして続く「柏落葉」でも力みのない句を詠めたらなと思っています。




2019年1月30日 (水)

◆2月6日締切の兼題:「ていれぎ」

◆季語解説
・『俳句ポスト』より
アブラナ科の多年草。
「ていれぎ」は愛媛県松山地方での呼び名で、正式名称は「大葉種漬花」。
清流のほとりなどに生え、辛みのある若芽は刺身のつまなどにされる。
3~5月頃、茎の頂に白い十字状の花が咲く。

・『きごさい』より
和名はオオバタネツケバナ。
ていれぎは松山市の天然記念物に指定されている。
同じアブラナ科のタネツケバナよりも、オランダ カラシ(クレソン)に味も形態もよく似てをり、
さわやかな辛み が特徴で伊予地方では、刺身のつまなどに用いる。
沢沿いや小川のほとりなどに自生し、二十センチから五十センチくらい。


◆例句(『増殖する俳句歳時記』より)

ていれぎや弘法清水湧きやまず     吉野義子
秋風や高井のていれぎ三津の鯛     正岡子規
ていれぎの下葉浅黄あさぎに秋の風   正岡子規


例句が少ない
しかも、子規の句では「ていれぎ」を季語扱いしてありません
とにかく、水の綺麗なところに生えるということで、固有名詞が力を発揮しそうです。
現在は料亭などで使われているようですが、イメージとしては、
田舎で芹を摘んで食べてた感覚に近いんじゃないかな。
ということで、「在りし日の故郷に思いを馳せる」ということもありそうですね。
古き良き時代のノスタルジー、景色や人物との取り合わせも鉄板かも。
「故郷」「爽やかな辛味」「清々しさ」「浄化される」
キーワードはいろいろとありそうですが、「市の天然記念物」ということで、
「今や貴重になってしまったもの、なくしたくない大切なもの・清らかで美しいもの」
という方向でも考えてみようと思います。

あっそうそう!
「水が綺麗」ということは、「米どころ」「酒どころ」でもあるということ。
これまた鉄板の取り合わせになるかと思いますが、
まずはこのあたりから素直に詠んでみようと思いました。


◆参考記事
・「オオバタネツケバナ」(「松江の花図鑑」より)
・「ていれぎとは?」愛媛県職員ブログ「みかんの国から」より
正岡子規の句碑(西林寺)
正岡子規の句碑(杖ノ淵公園)
・「ていれぎ」愛媛野菜果物研究室
・「クレソン最強」ていれぎにも同様の効果が?

画像を見ると、メッチャ良く見ていた気がしてきました。
「ぺんぺん草みたいだけどちょっと違う」と思っていた、アレがそうだったのか?
クレソンぽいけど、畦道なんかにもよく咲いていた・・・
まあ、アブラナ科の植物はみんな似ているので、他のかもですけど
あ~~~~田舎に帰って確認してみたい!!!
そして食べてみたい

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